- 更新日:2024.08.21
- #交通事故
- #後遺障害等級13級
- #慰謝料
【弁護士が解説】交通事故の後遺障害等級13級各症状と慰謝料相場
この記事を読んで理解できること
- 後遺障害等級13級の11種類、各号の症状
- 損害賠償金の種類と3つの算出基準
- 後遺障害等級13級の2つの慰謝料と相場
- 後遺障害等級13級で慰謝料以外にも請求できるお金がある
あなたは、
「後遺障害等級13級の症状とは?」
「後遺障害等級13級の慰謝料はいくら?」
「後遺障害等級13級に認定されるにはどうしたらよいの?」
という悩みや疑問をお持ちではありませんか?
結論から言うと、後遺障害等級13級とは、視力・まぶた・指などに後遺障害が残った場合に認定されるもので、症状によって13級1号~11号まであります。
後遺障害等級が認定されることで、被害者は、「後遺障害慰謝料」という慰謝料がもらえます。
この「後遺障害慰謝料」には、算出基準が3パターンあり、以下のとおりどの基準で算出するかによって金額が大きく変わってきます。
このように、裁判基準で慰謝料を算出すると、被害者がもらえる慰謝料は最も大きくなります。
例えば、後遺障害等級13級の場合は、自賠責基準と裁判基準では、もらえる慰謝料の金額が約3倍も差があります。
1番高い裁判基準での慰謝料をもらうためには、弁護士に依頼することが必須です。
というのも、保険会社は、できるだけお金を払いたくないので、自賠責基準や任意保険基準で算出することで安く済ませようとするからです。
また、弁護士に依頼することで、複雑な手続きや示談交渉なども対応してくれるので、ぜひ1度は交通事故専門の弁護士に相談することをおすすめします。
そこでこの記事ではまず、13級の各号の症状、慰謝料の3つの算出基準やもらえるお金について解説します。
さらに、後遺障害等級認定までの流れやポイント、弁護士に依頼するメリットについても解説します。
知りたいところから読んで、しっかりポイントを理解して、これからの行動に活用してください。
目次
- 1章:後遺障害等級13級の11種類、各号の症状
- 1-1:1号)1眼の視力が0.6以下になったもの
- 1-2:2号)正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
- 1-3:3号)1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
- 1-4:4号)両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
- 1-5:5号)5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
- 1-6:6号)1手のこ指の用を廃したもの
- 1-7:7号)1手のおや指の指骨の一部を失ったもの
- 1-8:8号)1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
- 1-9:9号)1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
- 1-10:10号)1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
- 1-11:11号)胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
- 2章:損害賠償金の種類と3つの算出基準
- 3章:後遺障害等級13級の2つの慰謝料と相場
- 4章:後遺障害等級13級で慰謝料以外にも請求できるお金がある
- 5章:適切な等級に認定してもらうための流れとポイント
- 6章:後遺障害等級13級の慰謝料請求は弁護士に依頼するのがおすすめ
- まとめ
1章:後遺障害等級13級の11種類、各号の症状
後遺障害等級13級は、交通事故との因果関係が認められる、目や歯、指、内臓の後遺障害として11の各号があげられています。
各号の症状を表す文章はかなり難しく、わかりづらいので、一覧表の後に解説していきます。
1-1:1号)1眼の視力が0.6以下になったもの
ここでいう視力とは、眼鏡やコンタクトレンズなどを使用した矯正視力を指しています。
片目(1眼)の視力が、眼鏡やコンタクトレンズなどで矯正した後でも、0.6以下というのが条件です。
1-2:2号)正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
複視とは、物が二重に見えてしまう症状のことです。乱視と違う点は、両眼で見ているときに二重に見えて、片目を隠すとすっきり見えます。(両眼複視)
症状の確認はもちろんですが、その度合いによって後遺障害等級第10級2号に該当する場合もあります。
詳しく検査されることをお勧めします。
1-3:3号)1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
片目(1眼)に、視野の半分が見えない症状(半盲症)や、全周辺からほぼ均等に視野が狭くなる症状(視野狭窄)、視野に不規則な欠損や島状の欠損がある症状(視野変状)がある状態です。
両眼にこれらの症状がある場合は、後遺障害等級9級3号に該当します。
1-4:4号)両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
両目のまぶたを普通に閉じたとき、黒目は隠れるが白目の一部が露出している状態です。
または、まつげが半分以上なくなってしまい、生えてこない状態を指します。
さらに、黒目を覆えなくなってしまうほど重い症状の場合は、後遺障害等級第9級4号に該当します。
1-5:5号)5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
歯を5本以上喪失した、または著しく欠けるなどして歯科医師による治療を受けたものです。
歯を喪失した場合には抜歯も含み、また著しく欠けた状態とは、歯肉より露出している部分(歯冠部)の体積の4分の3以上を失った場合を指します。
損傷した本数によって後遺障害等級も別に指定されています。
1-6:6号)1手のこ指の用を廃したもの
こ指の第一関節より先の骨(末節骨)の長さの1/2以上を失った場合や、小指の根元または第二関節の可動範囲が1/2以下になった、こ指の感覚が完全になくなった場合が該当します。
1-7:7号)1手のおや指の指骨の一部を失ったもの
片方の親指の骨の一部を失ったり、または遊離骨折がレントゲン写真などで確認された場合です。
1-8:8号)1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
片方の足が1センチ以上3センチ未満短縮してしまった状態です。
3センチ以上短縮した場合は、後遺障害等級が上がっていきます。
1-9:9号)1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
片足の、第3の足指以下とは手でいうところの中指、薬指、小指の3本のことで、1本または2本指の第一関節から根元で切断してしまった場合を指します。
1-10:10号)1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
以下の3パターンに分かれます。
①片足の手でいうところの人差し指を、第一関節から根元より手前で切断した場合、または可動範囲が1/2以下になった場合。
②手でいうところの人差し指に加えて中指、薬指、小指の3本のうち1本が第一関節から根元より手前で切断した場合、または可動範囲が1/2以下になった場合。
③手でいうところの中指、薬指、小指の3本が第一関節から根元より手前で切断した場合、または可動範囲が1/2以下になった場合。
1-11:11号)胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
内臓に損傷を受けて日常生活に支障が残った場合。
例として、胃の全部あるいは一部を切除したもの、胆嚢を失ったもの、脾臓を失ったもの、腎臓を失うか著しく機能が低下したもの、睾丸や卵巣の片方が失われたもの、生殖行為は可能だがその機能に障害が残る場合などです。
以上、後遺障害等級13級の各号の症状を解説しましたが、わかりにくいところも多いと思います。
医師の方でも、後遺障害に詳しくない方もおられますし、適切な検査をする機材をどこの病院でも揃えているわけでありません。
2章:損害賠償金の種類と3つの算出基準
後遺障害に認定されることで、被害者は、後遺障害慰謝料を請求できます。
さらに、それ以外の損害賠償金も、加害者に請求することができます。
また、後遺障害慰謝料などの損害賠償金には、3つの算出基準があります。
どの基準で損害賠償金を請求するかによって、もらえるお金に大きな差が生じます。
この章では、損害賠償金の種類と、その金額を決める3つの算出基準について解説していきます。
2-1:損害賠償金の種類
交通事故で後遺症が残った場合、状況に応じて以下の損害金をもらうことができます。
よく言われる「慰謝料」とは、この損害金の中の一部に過ぎないのです。
それぞれ簡単に説明すると以下の通りです。
<算出基準によって金額が大きく変わるもの>
・入通院慰謝料…入院・通院の期間や日数に応じて支払われる慰謝料。
・後遺障害慰謝料…後遺障害等級に応じて支払われる慰謝料。
・死亡慰謝料…被害者が死亡した場合に支払われる慰謝料。
・休業損害・・・事故によって仕事を休まざるを得ず、損害が発生した分について支払われる。
・逸失利益・・・後遺障害が残り、将来得られるはずの収入が減少してしまう場合に支払われる。
<主に実費が支払われるもの>
・治療費・・・治療にかかったお金で、保険会社から病院に直接支払われることがほとんど。
・交通費・・・治療のための通院にかかった交通費。
・入院雑費・・・入院の際にかかった生活必需品などの雑費。
・付添看護費・・・被害者の症状が重い、被害者が乳幼児などの場合で、看護が必要な場合に支払われる。
・介護費・・・怪我により介護が必要になった場合に支払われる。
・装具・器具費・・・事故により歩行が困難になるなど、装具・器具が必要になった場合に支払われる。
・家屋改造費、自動車改造費・・・車椅子生活になるなどで、家や自動車の改造が必要になった場合に支払われる。
・葬儀費用・・・事故によって亡くなった場合に支払われる。
2-2:損害賠償金の3つの算出基準
損害賠償金の中には、後遺障害慰謝料や入通院慰謝料など、3つの算出基準によって大きく金額が異なるものがあります。
○自賠責基準:自賠責保険が定めた最低限度の基準
○任意保険基準:任意保険会社が独自に定めた基準
○裁判基準:過去の判例をもとに、弁護士に依頼することで得られる最も高額な算出基準
上図のように、自賠責基準は被害者救済のための最低限度の補償であり、任意保険基準は、任意保険会社が独自で定めた算出基準で、一般的には自賠責基準に多少増額した補償金額となっているようです。
一例をあげると、後遺障害等級13級の後遺障害慰謝料として、
自賠責基準では補償限度額が57万円、
裁判基準の補償金額は180万円
となっています。
裁判基準は、弁護士に依頼することで得られる過去の判例に基づいた算出基準で、最も高額な補償となります。
次の3、4章では、自賠責基準と裁判基準それぞれの賠償金額を比較しながら解説していきます。
「任意保険基準の賠償金額」
各保険会社が独自の基準で設定していますので具体的な金額は公開されておらず、正確に計算、比較することができません。
一般的には自賠責基準と同程度か多少増額した査定金額となっているようです。
3章:後遺障害等級13級の2つの慰謝料と相場
後遺障害等級13級の損害賠償項目として、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料があります
入通院慰謝料は、入院、通院期間によって算出され、後遺障害慰謝料はその等級によって限度額が決められています。
3-1:入通院慰謝料
入院、通院にかかる治療費や交通費だけでなく、その期間の精神的損害に対する賠償として、入通院慰謝料があります。
ここでは入院が1ヶ月、通院が3ヶ月(その内、病院にかよった日数は20日)の場合を想定して比較していきます。
■自賠責基準の計算方法
①実入通院日数
病院に入院した日数と病院に通った日数の合計です。
この場合は、入院1ヶ月30日 + 通院日数20日 =50日
②入通院期間
病院に通った期間の合計です。
この場合は、入院期間1ヶ月30日間 + 通院期間3ヶ月90日間 = 120日間
実入通院日数を2倍した日数と入通院期間を比較して、どちらか短い方の日数に「4200円」をかけて計算します。
上記の条件の場合、①50日×2=100日の方が②の120日より少ない日数になるため、100日に4200円をかけた金額が慰謝料となります。
100日 × 4200円 = 42万円
自賠責保険の入通院慰謝料は、42万円になります。
■裁判基準の計算方法
【裁判基準の入通院慰謝料(通常のもの)】
※単位は万円
入院が1ヶ月、通院が3ヶ月(病院にかよった日数は20日)の場合
裁判基準の入通院慰謝料は、115万円 になります。
自賠責基準で計算した入通院慰謝料は「42万円」でしたが、弁護士に依頼して算定される裁判基準の入通院慰謝料は「115万円」とかなり高額になります。
上記の表の金額は月単位の基準数値ですから、実際は入院、通院の日割り計算などが必要となります。
3-2:後遺障害慰謝料
交通事故が原因で後遺障害が残ったとき、医師に後遺障害診断書の作成を依頼して、後遺障害認定の申請を行ないます。
そして、後遺障害と認定された場合、その等級に対応した後遺障害慰謝料を請求することができます。
【後遺障害等級13級の後遺障害慰謝料】
後遺障害等級13級の、後遺障害慰謝料として、
自賠責基準で定められた補償金額は57万円、
裁判基準で定められた後遺障害慰謝料は180万円
となっています。
後遺障害慰謝料も、自賠責基準より裁判基準のほうがかなり高額になります。
4章:後遺障害等級13級で慰謝料以外にも請求できるお金がある
前章の精神的損害に対する2つの慰謝料(入通院慰謝料、後遺障害慰謝料)の次に、ここでは、被害者の収入に対する損害を見ていきます。
○休業損害と、逸失利益
4-1:休業損害
休業損害とは、交通事故の被害者がケガのために働けず、その期間に得られなかった収入に対する賠償のことです。
交通事故で休んだために会社から支払われなかった給与やボーナスなどが対象です。
休業損害の計算は、まずあなたが仕事で得られるはずだった1日当たりの収入「日額基礎収入」を算出し、ケガのために働けなかった「休業日数」をかけて計算します。
「休業損害」=「日額基礎収入」×「休業日数」
日額基礎収入の算出方法は所得の種類によって異なり、また休業日数は治療期間中、実際に休んだ日数ではなく、ケガの内容、程度、治療過程や仕事の内容などによって妥当な日数が算出されます。
ここで、例として被害者が会社員(給与所得者)の場合の計算方法を解説します。
○休業損害(会社員の場合)
ここでは入院が1ヶ月、通院が3ヶ月(その内、病院にかよった日数は20日)の場合を想定して比較していきます。
入通院日数は、1ヶ月30日 + 通院日数20日で、
仕事を50日休業した場合
■自賠責基準の計算方法
自賠責基準の休業損害は、日額基礎収入を5700円として計算します。
休業損害 = 5700円 × 休業日数
日額基礎収入が、5700円を超えると立証された場合は、19000円を上限としてその実額で計算されます。
■裁判基準の場合
裁判基準の日額基礎収入は、自賠責基準のように定額ではなく、交通事故前3か月分の収入をもとに、日額基礎収入を算出します。
場合によっては、交通事故前1年分の収入を元に計算を行う場合もあります。
※3ヶ月で年間収入の平均を計算できない場合は、事故前1年間の収入を365日で割ります。
給与の合計額とは、基本給に残業代や手当などを足した支給額のことです。
税金、社会保険料などの各種控除が差し引かれた差引支給額ではありません。
ここではボーナスは含みません。ボーナスも減少してしまったという場合は、別途計算して請求します。
事故前の給与の証明として、会社から「休業損害証明書」と「源泉徴収票」を作成してもらい、それを保険会社に提出する必要があります。
「休業日数」には、交通事故の治療のために有給休暇を使った場合、その有給休暇も含めて計算できます。
【休業損害の具体例:会社員の場合】
事故前3ヶ月の給与合計135万円
出勤日数70日
入院1ヶ月、通院3ヶ月(20日)
入通院日数50日
仕事を50日休業した場合
■自賠責基準の場合
5700円 × 50日 = 28万5000円
■裁判基準の場合
135万円 ÷ 70日 = 1万9285円
1万9285円 × 50日 = 96万4250円
例として挙げた後遺障害等級13級の会社員の、休業損害の計算では、
自賠責基準の場合28万5000円、
裁判基準の場合は、96万4250円
となります。
休業損害の詳しい内容は、こちらをご覧ください。
【交通事故の休業損害とは】相場一覧と高額請求する方法を徹底解説
4-2:逸失利益
逸失利益とは、交通事故による後遺障害や死亡によって失われた、将来得られるはずの利益に対する賠償のことです。
被害者の現在の収入、年齢や後遺障害の等級をもとに計算します。
ここで、具体例として、
・42歳男性
・年収600万円
・後遺障害等級13級2号
の場合を解説します。
■自賠責保険の場合
自賠責保険の基準では後遺障害等級13級の、後遺障害による損失の限度額は(逸失利益と後遺障害慰謝料合わせて) 139万円となっています。
つまり、第3章で解説した自賠責保険の後遺障害慰謝料が、限度額57万円でしたので、逸失利益の補償金としては、82万円が限度額となります。
■裁判基準の場合
後遺障害の逸失利益の計算方法は、以下の通りです。
各項目、順番に解説していきます。
基礎収入の計算
・【会社員(給与所得者)】
会社員の場合は、事故前1年間の実際の収入額を、基礎収入として計算します。
・【個人事業主(事業所得)】
個人事業主の場合は、前年の確定申告で申告した金額を実際の収入として計算します。
・【会社役員(役員報酬)】
会社役員の場合は「労働の対価」として認められる部分のみが、基礎収入として計算できます。
・【専業主婦】
専業主婦の場合は、原則的に「賃金センサス」の女性労働者の全年齢平均賃金を基礎収入として計算します。
「賃金センサス」とは厚生労働省の統計のことで、平成30年の女性労働者の全年齢平均給与額は382万6300円ですので、日額基礎収入は10483円となります。
・【学生】
学生の場合も専業主婦と同様に、「賃金センサス」における全年齢平均賃金を基礎収入として計算することが多いですが、その場合も、実際に働くことができる年までの分は控除されます。
こうして、それぞれの収入形態ごとに算出していきます。
○労働能力喪失率
労働能力喪失率とは、後遺症によって失われた労働力を、後遺障害の等級に応じた喪失率を定めたものです。
【介護が不要な後遺障害の場合】
○労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
「労働能力喪失期間」とは、原則として「症状固定(治療してもこれ以上改善されないという診断)」の日から、67歳までの期間とされます。
例えば42歳で症状固定になった場合は、
67歳-42歳=25年
と計算でき、労働能力喪失期間は25年になります。
ライプニッツ係数とは、この労働能力喪失期間の中間利息を控除するための数値です。
この年令に対応した「ライプニッツ係数」を下記の表から探します。
42歳(労働能力喪失期間は25年)の場合、ライプニッツ係数は「14.094」であることが分かります。
【逸失利益計算の具体例】
それでは、以下の条件で実際に計算してみます。
会社員(年収600万円)→基礎収入600万円
後遺障害等級13級→労働能力喪失率9/100
症状固定時42歳→ライプニッツ係数14.094
600万円×0.09×14.094=761万760円
逸失利益は761万760円請求できる。
逸失利益の計算でも、自賠責基準の補償額は139万円(後遺障害による損害の限度額)、裁判基準の補償額は761万760円と、裁判基準の補償額のほうがかなり高額となっています。
5章:適切な等級に認定してもらうための流れとポイント
後遺障害等級認定の審査は、妥当な後遺障害等級を認定してもらうために、以下のポイントを押さえて行動することが大事です。
特に重要なのが、保険会社の言うままに行動しないということです。
保険会社は、
「そろそろ治療費を打ち切ります」
「そろそろ症状固定にしましょう」
などと一方的に言ってくることがあります。
しかし、保険会社の言うままに行動すると、妥当な後遺障害等級が認定されず、慰謝料の金額が大幅に少なくなってしまう可能性があります。
そのため、保険会社の言うままに行動せず、連絡が来たら弁護士に相談することをおすすめします。
後遺障害が残ってしまった場合のやるべきことについて、以下の記事で流れとポイントを詳しく説明しています。
6章:後遺障害等級13級の慰謝料請求は弁護士に依頼するのがおすすめ
交通事故で後遺障害が残った場合は、早い段階で弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士のメリットと弁護士費用について説明します。
6-1:早めに弁護士に依頼するメリット
弁護士に依頼すべきなのは、
- 医師の指示のもと、適切な内容の後遺障害診断書を作成してもらえるため、妥当な後遺障害等級が認定される可能性が高まる
- 慰謝料の金額が「裁判基準」で計算され、慰謝料が高額になる
- 妥当な過失割合になり、慰謝料が増える場合がある
- 面倒な手続きを任せられ、手間、時間、ストレスが最小限になる
といったメリットがあるからです。
特に重要なのが、慰謝料の計算基準が「裁判基準」になるという点です。
2章で説明した通り、慰謝料の計算基準には、3つのものがあり、弁護士に依頼した場合に適用される「裁判基準」が最も高額になります。
しかし、あなたが自分で請求しても、「裁判基準」が適用されることはほぼあり得ません。
そのため、より高額の慰謝料を請求したい場合は、弁護士への依頼が重要なのです。
慰謝料の基準や相場について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【弁護士が解説】交通事故の慰謝料を1円でも多くもらうための全知識
6-2:弁護士費用を抑えるポイント
あなたは、
「弁護士に依頼したいけど、費用がかかりそうだから?」
と思われていませんか?
もし、あなたやあなたのご家族が加入している保険に、弁護士費用特約が付いていれば、弁護士費用の負担は原則0円になります。
また、弁護士費用特約がなくても、「相談料・着手金0円」「増額した場合のみ成功報酬が発生する」という費用体系を導入している事務所ならあなたの負担は非常に小さくてすみます。
まずは、弁護士にご相談ください。
弁護士費用について詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
【保存版】交通事故に強い弁護士の選び方と0円で依頼する方法を解説
まとめ
いかがでしたか?
最後に今回の内容をまとめます。
後遺障害等級13級の11種類、各号の症状
後遺障害慰謝料の計算で大事な3つの算出基準
後遺障害慰謝料の算出基準として、
○自賠責基準:自賠責保険が定めた最低限度の基準
○任意保険基準:任意保険会社が独自に定めた基準
○裁判基準:過去の判例をもとに、弁護士に依頼することで得られる最も高額な算出基準
この3つの算出基準があります。
後遺障害等級13級の2つの慰謝料と相場
・入通院慰謝料…入院、通院による精神的損害に対する慰謝料
・後遺障害慰謝料…後遺障害による損害に対する慰謝料。後遺障害等級ごとに補償金額が定められています。
後遺障害等級13級で慰謝料以外にも請求できるお金がある
・休業損害…治療期間の収入減に対する補償
・逸失利益…将来の減収に対する補償
適切な等級に認定してもらうための流れとポイント
弁護士に依頼するメリット
この記事の内容を参考にして、これからの行動に役立ててください。
弁護士選びや弁護士費用について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
【保存版】交通事故に強い弁護士の選び方と0円で依頼する方法を解説