5分で分かる!ブラック企業から転職する流れと知っておくべき2つのこと

この記事の著者情報

住川 佳祐
(弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士)

著者情報 弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士 住川佳祐

東京弁護士会所属。東京大学法学部卒。『NHK あさイチ』のTV出演の他、『プレジデント』『ダイヤモンド・セレクト』などメディア掲載多数。弁護士法人QUEST法律事務所のHPはこちら。

これから転職する女性

あなたは、

「ブラック企業から今すぐに転職したい」
「今の会社がブラック企業なら早く転職したい」
「転職する時ブラック企業を見抜けるか心配」

などとお考えではないですか?

結論からいうと、あなたが今務めている会社がブラック企業の場合は、できるだけ早く転職先を探して“ホワイト企業”に転職することをおすすめします。

なぜなら、残業代も貰えず会社のために遅くまで働く今の生活が、“ホワイト企業”に転職することで大きく変えられるからです。

ここで、ブラック企業と“ホワイト企業”の違いを簡単に上げてみると、次のようになります。

【ブラック企業】

  • 長時間の残業で帰宅後は寝るだけ
  • 休日は少なく、休日でも次の日の仕事を考えると憂鬱
  • 上司のパワハラや過酷なノルマでストレスが溜まっている
  • 残業代が出ないので生活が苦しい
  • 命令をこなすだけでスキルアップできない

【ホワイト企業】

  • 早めに仕事を切り上げて家族や友人・恋人と過ごせる
  • 休日は趣味やレジャーを楽しめるので充実している
  • 上司や同僚との関係も良好で悩み事も相談できる
  • 残業代も出るので生活に余裕がある
  • スキルアップして次の転職も望める

ブラック企業にいることで、毎日過剰なノルマを課せられて、プライベートの時間まで削って働くことが、今後も当たり前のように続いていくとしたら大変つらいことですよね。

しっかりと法律を守り、社員を大切にする“ホワイト企業”に転職することができれば、違法な長時間労働やサービス残業がなくなり、仕事以外の時間も充実した生活を送れるようになります。

そこで、“ホワイト企業”への転職を成功させるためには、

  • 本当に転職が必要なのか判断するポイント
  • 転職で失敗しないためのブラック企業の見分け方
  • 退職する流れと未払い残業代の請求

といったことに関する「正しい知識」が必要です。

この記事では、1章で転職すべきブラック企業とブラック企業チェックリストを、2章では転職すべきブック企業の8つの特徴について解説します。

また、3章では転職時にブラック企業を見分けるポイントを、4章ではブラック企業から退職する流れを、5章では退職を機に会社に未払い残業代を請求する方法について解説していきます。

最後までしっかり読んで、ブラック企業からの転職を成功させましょう。

目次

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1章:ブラック企業からの転職とチェックリスト

まず始めに、転職すべきブラック企業とはどういったものか、そしてブラック企業チェックリストについて解説していきます。 

1-1:転職すべきブラック企業とは

実は、ブラック企業について、明確に定義があるわけではありませんが、厚生労働省の

「Q&A|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト」

では、下記のように記載されています。

「ブラック企業」ってどんな会社なの?

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。

引用元

「ブラック企業」ってどんな会社なの?|Q&A|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト|厚生労働省

また、当サイト(クエストリーガルラボ)では、ブラック企業について、

「従業員を採用してから辞めさせるまで過酷な労働環境や低待遇で働かせ続けて、会社だけが儲けようとする企業のこと」

と定義づけしています。

もし、あなたの会社がブラック企業である場合は、あなたも違法な方法で働かせられている可能性があります。

そのため、次にあげるブラック企業のチェックリストを参考にして、あなたの会社のブラック度を判断し、転職すべきかどうか検討する必要があります。

1-2:ブラック企業チェックリスト

ここでは、「ブラック企業チェックリスト」として、次の15ポイントを上げています。

あなたの職場が、以下のポイントにいくつ当てはまるか数えてみてください。

  1. 毎日10時間以上働いている
  2. 週6日以上勤務日がある
  3. 労働時間の割に給料が異常に低い
  4. タイムカードなど労働時間を管理する仕組みが無い
  5. 「サービス残業するのが当然」のような空気がある
  6. 残業代の全部or一部が払われない
  7. 採用時と入社後で条件が異なる
  8. 離職率が異常に高い
  9. 上司から日常的に暴力・暴言を受ける
  10. うつ病などの精神疾患で休む人が多い
  11. やたらと役職付きの従業員がいる
  12. 辞めさせてくれないor自分から辞めさせようと仕向ける
  13. 危険な状況で作業させられる
  14. 資格の必要な仕事を無資格の人がやっている
  15. 不当な異動や出向がある

あなたの会社はいくつ当てはまりましたか?

それでは下の表を確認してください。

1〜3 ブラック度(これからも要注意)
4〜6 ブラック度★★(転職の検討が必要)
7〜9 ブラック度★★★(あなたの身が危険です)
10以上 ブラック度★★★★(今すぐ脱出してください!)

ブラック度が高かった場合は、すぐに4章で紹介する行動を起こすことをおすすめします。

そうでない場合も、1つでも当てはまっていたら要注意です。

次の章では、チェックリストであげたブラック企業の特徴を詳しく解説していきます。

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2章:転職すべきブラック企業の8つの特徴

転職すべきブラック企業の特徴として、次の8つがあげられます。

  • 異常な長時間労働
  • 給料や残業代を払わない
  • 危険な状況で作業させる
  • 労働災害をごまかす
  • 大量採用・大量離職
  • パワハラで「洗脳」や「自己都合退職」に追い込む
  • 不当な出向や異動をさせる
  • 名ばかり管理職にする

それぞれ解説していきます。

2-1:異常な長時間労働

ブラック企業の特徴としてまず挙げられるのが、異常な長時間労働です。 

労働基準法では「法定労働時間」として1⽇8時間・1週40時間が限度と決められており、それを超える場合は36協定・特別条項付き36協定の締結・届出が必要となります。

また、協定で労使が合意した場合でも、

  • 時間外労働が年720時間以内
  • 時間外労働と休⽇労働の合計が⽉100時間未満
  • 時間外労働と休⽇労働の合計について、「2~6ヶ⽉平均」が全て1⽉当たり80時間以内
  • 時間外労働が⽉45時間を超えることができるのは、年6ヶ⽉が限度

と定められています。

これらの条件を超える時間外労働・休日労働を会社が行わせている場合は、ブラック企業である可能性があります。

また、1ヶ月の残業時間が、2ヶ月以上にわたって「80時間」を超えていた場合は、その会社はブラック企業であるといえます。

なぜなら厚生労働省では、残業時間が月に80時間を超えることを「過労死ライン」と定めているからです。

もしも働き過ぎで脳や心臓に疾患を抱えてしまった場合、発症前の2ヶ月ないし6ヶ月にわたって1ヶ月の残業時間が80時間を超えていたら、労働災害(労災)として認められる可能性が高いのがこの基準です。

さらに、月の残業時間が100時間を超えていた場合は、1ヶ月でも「過労死基準」を超えることになるため、その会社は完全にブラック企業だといえます。

2-2:給料や残業代を払わない

ブラック企業の特徴としては、給料や残業代を払わなかったりすることがあげられます。

例えば、次のようなものがあげられます。

  1. 給料の一部もしくは全部を払わない
  2. 残業代を払わない
  3. みなし残業代(固定残業代)で残業代をごまかす
  4. 残業時間をごまかす
  5. 給料が最低賃金以下

1、2はそもそも給料を払ってないので、もし該当する場合は、完全にブラック企業だといえます。

3の「みなし残業代(固定残業代)で残業代をごまかす」というのは、「残業手当」や「役職手当」「営業手当」などの「みなし残業代(固定残業代)」を払うことで、残業代はすで払ったことにするブラック企業のやり方です。

通常、固定残業代は「時間外手当○○円分」や「残業時間〇〇時間分」と決められています。

しかし、それ以上の残業時間が発生しても、追加の残業代が払われない場合が多く、ブラック企業がよく使う方法です。

4の「残業時間をごまかす」というのは、例えば、

  • 定時でタイムカードを打刻させて残業させる
  • 朝に早出させて働かせる
  • 自宅で仕事をさせる

といったやり方です。

5の「給料が最低賃金以下」というのは、払っている給料を時給に直した場合に、その時給が「最低賃金以下」になっているというケースです。

月給制の方の場合、自分の給料が最低賃金以下になっていることに気付かないこともあるかもしれません。

3、4、5のケースはいずれも、残業時間や残業代に関する知識をあなたが持っていないことから、会社があなたのことを騙そうとして使っているのです。

このように、できるだけ安い給料で働かせようとするやり方は、ブラック企業の特徴といえます。

詳しくは、次の記事で解説しています。

【図解】残業代の時給の計算方法と損しないために注意すべきポイント

2-3:危険な状況で作業させる

危険な場所や作業における作業者の安全確保対策は、会社で義務付けられています。

もし、以下のような状況下で働かされることがあるなら、ブラック企業の可能性があります。

  • 安全確保が甘い現場で働かされた。
  • 身の危険を感じる状況での仕事がある。
  • 無資格者なのに資格が必要な作業をさせられた。
  • 保護具が必要な現場で、保護具なしで作業させられた。

万が一、事故が起きてからでは遅すぎます。

怪我や病気になる前に、その環境から抜け出すことをおすすめします。 

2-4:労働災害をごまかす

通勤中や労働時間中、時として思いもよらないアクシデントに見舞われる可能性があります。

例えば、

  • 職場の食品工場で床が濡れていたため滑って転んで怪我をしてしまった。
  • 製造ラインで手を挟んで怪我をした。
  • 通勤中に自転車で転んで怪我をした。
  • 炎天下の現場で熱中症になり病院に行った。

こうしたケースでは、労災(労働災害)認定がされる可能性があります。

また、仕事を原因とする病気も、労災が認められる可能性があります。

しかし実際には、「労働災害」いわゆる「労災」について、中にはこんな事例もあります。

  • 労働災害の発生状況を偽った報告書を労働基準監督署に提出した。
  • 労働災害について、報告書を提出しなかった。

労働災害を正しく報告しないことは違法ですので、あなたも思い当たる経験がる場合は、あなたの会社はブラック企業である可能性があります。

2-5:大量採用・大量離職

ブラック企業は、社員を「大量採用・大量離職」させるといった特徴があります。

大量に採用するのは、社員を使い潰して辞めさせ、会社にとって「つかえる人材」のみを選別していくためです。

つまり、使い捨てを前提に大量に採用し、過酷なノルマと長時間労働で社員を使いつぶすという、ブラック企業のやり方なのです。

あなたの会社も同じようなケースがある場合は、ブラック企業である可能性が高いです。 

2-6:パワハラで「洗脳」や「自己都合退職」に追い込む

採用した従業員に対するパワハラが多いことも、ブラック企業の特徴です。

パワハラは、従業員を会社に都合の良いように「洗脳」することを目的として行われることがあります。

例えば、次のようなケースです。

  • 「お前はダメだ」など、人格を否定する言葉を繰り返して従業員を精神的に追い込む。
  • とても達成できないような目標設定や課題を与えて、「できなければ責任をとれ」と脅される。

さらに、従業員がパワハラに耐え切れず辞めようとすると、辞めさせないケースもあります。

  • 「お前を雇うのにいくらかかっているんだ」と言われる。
  • 「後続が決まらないと辞められない」と言われる。
  • 無理矢理辞めようとしても離職手続きを進めない。
  • 「お前が辞めて出た分の損失は請求する」と損害賠償請求をにおわせて脅される。

また、パワハラは、従業員を自分から辞めさせるために行われることがあります。

例えば、次のようなケースです。

  • 人格を否定する言葉を繰り返して従業員を精神的に追い込む。
  • とても達成できないような目標設定や、無理な課題を与える。
  • うつ病や適応障害になった従業員に退職を促す。

従業員には自分から辞めてもらった方が会社としては都合が良いため、パワハラによって従業員が自分から辞めるように追い込んでいくのです。

こうして、従業員が辞めてしまうギリギリまで都合の良いようにこき使うのがブラック企業の特徴です。 

2-7:不当な出向や異動をさせる

ブラック企業の特徴として、次のような不当な出向や配置転換を命じられるケースがあります。

  • 退職勧奨を拒否したら、遠い地方の営業所への配置転換を命じられた。
  • 給料が大きく下がり、通勤時間も長くなる子会社への出向を命じられた。

意味のない配置転換や出向は拒否することができますし、違法である場合があります。

2-8:名ばかり管理職にする

ブラック企業が人件費を抑えるために使う方法として、従業員を昇進させて「名ばかり管理職」にしてしまうやり方があります。

法律上、「管理監督者」にあたる人は、

  • 残業代を払わなくて良い
  • 残業時間に上限が無い
  • 法定休日を与える必要がない

と定められています。

そのため、ブラック企業は「肩書きだけの管理職(名ばかり管理職)」を増やして、社員を安い賃金で長時間こき使う方法として利用していることがとても多いです。

ただし、「管理監督者」として認められるには、いくつかのルールがあり、役職がついているだけでは、管理監督者とは認められません。

昇進という形で管理職扱いされても、実際は「名ばかり管理職」で残業代がもらえないのは違法です。

もし、あなたが「名ばかり管理職」であり、会社から残業代を払ってもらえていないなら、過去3年までさかのぼり、未払いの残業代を支払ってもらえる可能性があります。

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3章:転職時にブラック企業を見抜くポイント

転職時にブラック企業を見抜くポイントは、次の3つです。

  • 求人情報のポイント
  • 面接時のポイント
  • 自分で情報を集める場合のポイント

それぞれ解説していきます。

3-1:求人情報のポイント

就職・転職の際に、求人情報からブラック企業を見抜くポイントは、次の5つです。

  • 常に求人をかけている
  • 給与が不相応に高い
  • 経歴、職歴を問わない
  • みなし残業代制・裁量労働制での採用と書かれている
  • 仕事内容が不明確

それぞれ解説していきます。

3-1-1:常に求人をかけている

2、3ヶ月も同じ求人を続けている企業は、社員がすぐに辞めてしまうことを前提にして、大量募集・大量採用を行っている可能性があります。

このような企業は、ブラック企業の可能性が高いといえます。

なぜなら、ブラック企業は、従業員を育てるつもりがなく、使い捨ての駒のように扱うため離職率が高くなるからです。

そのため、人手不足を解消するために、常に大量採用を行っているのです。

3-1-2:給与が不相応に高い

求人情報で、給与が不相応に同業他社より高い場合は、ブラック企業の可能性があります。

なぜなら、掲載されている金額には、「業績給」や「固定残業代」含まれている場合があるからです。

例えば、「業績給」が含まれている場合は、厳しいノルマが課されるだけで、成績が上がらなければ低い基本給だけになってしまいます。

また、「固定残業代」が含まれる場合は、給与を多く見せかけることができますし、残業時間と金額が不明確な場合は、長時間の残業や超過分の残業代の未払いが生じる可能性があります。

3-1-3:経歴、職歴を問わない

「経歴、職歴を問いません」こういった求人を行っている企業は、ブラック企業の可能性があります。

なぜなら、門戸を広げてより多くの求職者を大量募集・大量採用して、人手不足を解消しようとしているからです。

また、とりあえず多くの求職者を集めて、その中から人物や学歴・職歴、資格などを見極めて選考するといった、会社都合の求人を行っている企業もあります。

こういった求人は、採用されたとしてもきちんと教育してもらえなかったり、根性論できつい仕事を強いられる可能性があります。

3-1-4:みなし残業代制・裁量労働制での採用と書かれている

みなし残業代制・裁量労働制での採用と書かれている求人は、はじめから残業が前提となっていて労働時間が長いブラック企業の可能性があります。

みなし残業制度とは、固定残業代制のことで、「一定の残業時間分の残業代を、最初から給料として払っておく制度」のことを言います。

例えば「みなし残業40時間」の場合は、月給には40時間分の残業代が既に含まれているため、他の企業より給料を多く見せることができます。

さらに、毎日2時間ほどの残業が始めから見込まれているだけでなく、

「うちはみなし残業制だから、残業しても残業代は出ない」

と、残業代を固定してごまかしている場合もあります。

裁量労働制とは、実際に働いた時間ではなく、あらかじめ会社側と協定などで決めた時間を労働時間と「みなす」制度のことを言います。

例えば、会社側と1日のみなし労働時間を1日8時間と決めていた場合、働いた時間が10時間でも14時間でも、その日に働いた時間は8時間とみなされることになり、残業代は発生しません。

裁量労働制は本来、エンジニアやデザイナーなど専門性の高い業務にかかわる社員が対象とされていますが、ブラック企業では悪用されている場合があります。

裁量残業制については、次の記事で詳しく解説しています。

裁量労働制にも残業がある!制度の考え方と残業代が貰える条件を解説

3-1-5:仕事内容が不明確

仕事内容が不明確で詳しい説明がない場合は、注意が必要です。

例えば、

「カスタマーサポート」
「テレフォンアポインター」
「メンテナンスアドバイザー」

など、イメージの良さそうな職種が並べられていても、実際は

「クレーム電話の応対・処理係」
「営業の新規開拓のための電話係」
「住宅リフォームなどの個別営業」

といった単調でプレッシャーのかかる職種だったりするおそれがあります。

そのため、業務内容の詳しい説明がない場合は、詳しく調べるか直接確認することが重要です。

3-2:面接時のポイント

就職・転職の面接の際に、ブラック企業を見抜くポイントは、次の3つです。

  • 面接官や社内の様子が異様
  • 質問に対して曖昧な回答しかない
  • その場で内定が出る

それぞれ解説していきます。

3-2-1:面接官や社内の様子が異様

面接の際に、面接官の態度が横柄だったり、社内の様子が暗く活気がなかったり、少しでも異様な感じがした場合は注意が必要です。

特に面接官の態度が悪い会社は、上司が部下に対して高圧的な態度をとることが常態化している場合が多いため、選考を辞退することをおすすめします。

3-2-2:質問に対して曖昧な回答しかない

業務内容や勤務形態、残業などに関するこちらの質問に対して、曖昧な回答しか得られない場合は、ブラック企業の可能性が高いです。

なぜなら、入社するまで会社としては、実情を隠しておきたい理由があると考えられるからです。

例えば、毎日の残業が日常化して「みなし残業制」が悪用されている状況だったり、ノルマやプレッシャーの厳しい業務内容が多い場合もあります。

面接の際は、職と人を求めるそれぞれの立場に上下はないので、気になることは全て質問することが重要です。

3-2-3:その場で内定が出る

面接の場ですぐに内定が出て承諾を求める企業は、ブラック企業の可能性が高いので注意が必要です。

なぜなら、ブラック企業は、従業員を育てるつもりがなく、使い捨ての駒のように扱うため、離職率が高く人手不足に陥っている企業が多いからです。

内定後すぐに承諾を求められる場合や、内定辞退を認めさせない企業は、ブラック企業ではないか再度面接状況や求人情報などを確認することをおすすめします。

3-3:自分で情報を集める場合のポイント

自分で企業の情報を集める方法としては、インターネットでその企業の口コミを調べたり、実際に夜間や休日に電話をかけてみることがあげられます。

ネットの口コミは、実際にその企業の社員や元社員が書いたものか確認できないため鵜呑みにはできませんが、あまり否定的な意見が多い場合はやはり注意が必要です。

さらに、深夜や休日に電話を掛けてもつながるようであれば、残業が常態化していることも考えられます。

次の章では、ブラック企業からの転職を決意した場合に、ブラック企業を退職する流れについて解説していきます。

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4章:ブラック企業から退職する流れ

ブラック企業は、できるだけ今いる社員を安い賃金で働かせ続けたいと考えているため、なんとしてでもあなたの退職を引き止めようとしてくる可能性があります。

その場合、会社を確実に退職するための流れとしては、次の2つがあげられます。

  • 退職届を書き退職意思を伝える
  • 退職時期などの交渉と引き継ぎ・挨拶回り

それぞれ順番に解説していきます。

4-1:退職届を書き退職意思を伝える

会社を退職する流れは、次のようになります。

会社を辞める流れの図

まずは、会社の就業規則を確認し、できれば退職を希望する1ヶ月以上前に退職の意思を伝える必要があります。

普通の会社ならば、1ヶ月では期間が短いため、2ヶ月以上前に伝えておくとより良いです。

しかし、ブラック企業の場合は、退職の意思を早くから伝えておくと、「考えておく」「来月また話そう」などと濁され、うやむやにされる可能性もありますので注意してください。

法律上は、2週間前に退職の意思を伝えていれば、辞めることができるとされているので、できれば1ヶ月前、最悪の場合でも2週間前には上司に話しておきましょう。

退職の意思を伝えると、まず引き止められる可能性がありますが、そのためのポイントとして次の4つがあげられます。

  • 上司と2人で話す場を設ける
  • 話を中断されないために、忙しくない時間帯を選ぶ
  • 「辞めたいと思っている」などではなく、はっきり「辞めます」と伝える
  • 「仕事がきついから」などネガティブな理由ではなく、ウソでも「やりたいことが見つかった」などポジティブな理由を伝える

それでも、退職を拒否されてしまった場合の対応方法については、後ほど解説します。

退職願を出す場合は、詳しい退職の事情などを書く必要はありません。

会社によってフォーマットが用意されていることもありますが、なければ以下のものを参考にしてください。

退職願

私事、
一身上の都合により、来る令和○○年○月○日をもって退職致したく、ここにお願い申し上げます。

令和○○年○月○日

○○事業部○課  退職太郎 印

○○株式会社 代表取締役○○殿

「退職願」とは、社員が会社に「退職させてください」と願い出るものです。

一方で「退職届」とは、会社に対して一方的に「退職します」と宣言するものです。

そのため、退職願が受理されず、辞めることができなかった場合は、「退職届」を書いて会社に渡す、あるいは内容証明で送る必要があります。

4-2:退職時期などの交渉と引き継ぎ・挨拶回り

退職を了承してもらった場合は、

  • 具体的な退職時期の決定
  • 有給消化の時期
  • 引き継ぎの計画

などを上司との間で決めて、計画的に行動していきます。

また、引き継ぎの業務などと並行して、これまでにお世話になった社内の人に挨拶回りを行います。

もし、ブラック企業で一刻も早く会社から離れたい場合は、業務の引継ぎは法的に労働者に義務付けられているわけではないので、有給休暇を消化してそのまま退職することもできます。

4-3:ブラック企業から転職するための準備

ブラック企業から転職するためには、まずは働きながらでも転職活動を進めていく必要があります。

なぜなら、転職先が決まっている状態で退職できれば、無収入の期間が短くなり経済的な負担を抑えることができるからです。

過酷なブラック企業に勤めながら転職活動を進めることは大変ですが、ネットでの情報収集や転職サイトを利用するなど、前もって転職活動をしていくことが重要です。

また、転職先が決まり会社を退職する前に、「残業代の請求」の準備をはじめておくこともとても重要です。

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5章:ブラック企業を退職後は未払い残業代を請求しよう

ブラック企業は、社員に長時間の残業をさせるだけでなく、残業代を払っていないことが多いため、退職後に未払い残業代を請求することで回収できる可能性があります。

未払い残業代を請求するハードルは、一般的に考えられているより下がっており、多くの人が残業代を回収しています。

会社から残業代を取り返すための方法には、

  • 自分で直接請求する方法
  • 弁護士に依頼する方法

という2つがあります。

自分で請求する場合と、弁護士に依頼して請求する場合とでは、下記のように流れが異なります。

残業代請求を自分でやる流れ・弁護士に依頼する流れ

また、この2つの方法には、以下のようにメリット・デメリットがあります。

未払い残業代を自分で請求する場合と弁護士に依頼する場合のメリット・デメリット

このように、自分で請求する方法では、手間・時間・精神的負担が大きいだけでなく、弁護士に頼む方法に比べて回収できる金額が少なくなる可能性が高いです。

そのため、残業代請求はプロの弁護士に依頼するのがおすすめです。

5-1:残業代を取り返すための2つの選択肢

それでは、これから残業代請求の2つの方法について、

  • 自分でできる方法
  • 弁護士に依頼する方法

に分けて解説します。

5-1-1:自分で残業代を請求する2つの方法

自分で請求するには『内容証明を送る』方法と、『労働基準監督署に相談する』方法の2種類があります。

それぞれの方法の流れについて、詳しく解説します。

残業代請求を自分で行う流れ

【自分で会社に内容証明を送って直接請求する】

自分で会社に残業代を請求するためには、会社に「配達証明付き内容証明郵便」で、請求書を送る必要があります。

【内容証明ひな形】

私は○○年○○月○○日、貴社に入社し、○○年○○月○○日に退社した者です

私は、○○年○○月○○日から○○年○○月○○日(以下「請求期間」とします。)まで、貴社に対し、合計■時間の時間外労働を提供いたしましたが、貴社からは、一切、割増賃金のお支払いただいておりません。

よって、私は、貴社に対し、請求期間内の未払割増賃金の合計額である★円の支払を請求いたしますので、本書面到達後1週間以内に、以下の口座に振り込む方法によるお支払をお願いいたします。

○○銀行○○支店 

○○預金(普通・定期などの別) 

口座番号○○ 

口座名義人○○

なお、本書面到達後1週間を過ぎても貴社から何らご連絡いただけない場合は、やむを得ず訴訟を提起させていただくことをあらかじめ申し添えます。

ただし、自分で会社に内容証明を送って残業代を請求しても、会社側にも顧問弁護士が付いていて、うまく丸め込まれてしまう可能性が高いです。

つまり、あなたが残業代を請求しても、1円も取り戻せないかもしれないのです。

そこで、もう1つ自分でできる方法としては、労働基準監督署に申告するという方法があります。

【労働基準監督署に申告する】
「労働基準監督署」とは、厚生労働省の出先機関で、労働基準法に基づいて会社を監督するところです。

給料の未払いは労働基準法違反のため、労働基準法に相談することで解決にいたる可能性もあります。

労働基準監督署に相談したときの流れ

このような流れで労働基準監督署に申告することができるのですが、この方法は「残業代を請求したい場合」は、あまりおすすめではありません。

なぜなら、労働基準監督署は、労働基準法に違反している会社の行為を「正す」機関であり、残業代を取り返してくれる機関ではないからです。

また、労働基準監督署は、労働者からのすべての申告で動くわけではありません。

それは、全国には400万を超える法人があるにもかかわらず、日本の労働基準監督署の人員は、非常勤の職員を含めても約2400人しかおらず、明らかに人員不足だからです。

そのため、過労死や労働災害などの「人命に関わる問題」が優先して処理されるため、「残業代の未払い」では、動いてもらえない可能性が高いのです。

そこで、残業代を取り返す場合には、最初から弁護士に依頼することをおすすめします。

5-1-2:弁護士に依頼して残業代を請求する

残業代をより高額かつ確実に取り返すためには、弁護士に依頼することが最善です。

なぜなら、残業代の計算や交渉は、専門的な知識が必要なため、1人で戦っては会社側に負けてしまうからです。

弁護士に依頼した場合、

  • 交渉
  • 労働審判
  • 訴訟(裁判)

といった手段によって、残業代請求の手続きが進められます。

弁護士に依頼した場合の流れ

実は、弁護士に依頼すると言っても「訴訟」になることは少ないです。

おそらくあなたが心配しているであろう「費用」の面でも、「完全成功報酬制」の弁護士に依頼すれば、「相談料」や「着手金」ゼロで依頼することができます。

弁護士に依頼すると、あなたの「会社と戦う」という精神的負担を、弁護士が肩代わりしてくれるだけでなく、時間・手間を節約することもできるのです。

ただし、弁護士に依頼する場合は「弁護士なら誰でもいいだろう」とは考えないでください。

実は、法律の知識は広い範囲に及ぶため、自分の専門分野以外の件については、あまり知識がない弁護士が多いです。

そのため、残業代請求に強い弁護士に依頼することをおすすめします。

残業代請求に強い弁護士の選び方や、相談の流れ・かかる費用などについて、詳しくは以下の記事に書いていますので、ご覧になってください。

【残業代請求】弁護士選びの8つのポイントと解決までの流れや費用を解説

残業代の請求方法について、理解することができたでしょうか?

残業代請求時に注意すべき2つのポイントについて解説します。

5-2:残業代請求における2つのポイント

残業代請求には、

  • 3年の時効が成立する前に手続きを行う
  • 必要な証拠を集めておく

というポイントがあります。

それぞれ順番に解説します。

5-2-1:残業代請求には3年の時効がある

未払いの残業代は、いつまでも請求できるわけではありません。

「3年」の時効が成立すると、二度と請求できなくなります。 

時効の基準となるのは、「毎月の給料日」です。

【給料の支払日が「15日締め・翌月末払い」の場合】
例えば、給料の支払日が「15日締め・翌月末払い」の場合、2020年2月16日から3月15日までの給料は、2020年4月30日に支払われます。

そのため、2020年3月15日締めの給料は、2023年の4月30日経過時に時効を迎えます。

そこで、2020年3月15日締めの給料の時効を止めるためには、2023年の4月末までに「時効を止める」手続きを行う必要があります。

残業代請求の3年の時効

毎月の給料日がくるたびに時効が成立し、1ヶ月分の残業代が消滅してしまいます。

少しでも多くの残業代を取り返すために、できるだけ早く行動を開始しましょう。

5-2-2:残業代請求に必要な証拠一覧

未払いの残業代を請求するときに、まずやるべきなのが「証拠集め」です。

証拠集めは、まずは自分で行うことをおすすめします。

証拠集めも弁護士に依頼することは可能ですが、弁護士が証拠を要求しても提出しない悪質な会社もあるため、会社に在籍しているうちに、自分で証拠を集めておくことがより確実なのです。

残業代請求の証拠として有効なのは、以下のようなものです。

【勤怠管理している会社で有効な証拠】

  • タイムカード
  • 会社のパソコンの利用履歴
  • 業務日報
  • 運転日報
  • メール・FAXの送信記録
  • シフト表

【勤怠管理していない会社で有効な証拠】

  • 手書きの勤務時間・業務内容の記録(最もおすすめ)
  • 残業時間の計測アプリ
  • 家族に帰宅を知らせるメール(証拠能力は低い)

会社が勤怠管理をしていないため、自分で勤務時間を記録する場合は、毎日手書きで、1分単位で時間を書きましょう。

具体的な業務についても、記録しておくことが望ましいです。

家族に帰宅を知らせるメールは、裁判になると証拠としては弱いので、できるだけ手書きでメモを取りましょう。

証拠は、できれば3年分あることが望ましいですが、なければ一部でもかまいません。

できるだけ毎日の記録を集めておきましょう。

ただし、手書きの場合、絶対に「ウソ」の内容を書いてはいけません。

証拠の中にウソの内容があると、その証拠の信用性が疑われ、証拠として利用できなくなり、残業していた事実を証明できなくなる可能性があります。

そのため、証拠は「19時30分」ではなく、「19時27分」のように、1分単位で記録するようにし、曖昧さが指摘されないようにしておきましょう。 

残業代を取り返したいというあなたへ まずはお気軽にご相談ください
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まとめ:ブラック企業からの転

いかがだったでしょうか?

最後にもう一度、この記事の内容をまとめます。

ブラック企業とは、

「従業員を採用してから辞めさせるまで過酷な労働環境や低待遇で働かせ続けて、会社だけが儲けようとする企業のこと」

転職すべきブラック企業の8つの特徴

  • 異常な長時間労働
  • 給料や残業代を払わない
  • 危険な状況で作業させる
  • 労働災害をごまかす
  • 大量採用・大量離職
  • パワハラで「洗脳」や「自己都合退職」に追い込む
  • 不当な出向や異動をさせる
  • 名ばかり管理職にする

転職時にブラック企業を見抜くポイント

求人情報のポイント

  • 常に求人をかけている
  • 給与が不相応に高い
  • 経歴、職歴を問わない
  • みなし残業代制・裁量労働制での採用と書かれている
  • 仕事内容が不明確

面接時のポイント

  • 面接官や社内の様子が異様
  • 質問に対して曖昧な回答しかない
  • その場で内定が出る

ブラック企業を退職後は、未払い残業代を請求しましょう。

残業代をより高額かつ確実に取り返すためには、弁護士に依頼することをおすすめします。

残業代請求に強い弁護士があなたの悩みを解決します

弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士 住川佳祐

あなたは、こんな悩みをお持ちではありませんか?

  • これから退職予定で、未払い残業代を請求したい
  • すでに退職しているが、以前勤めていた会社に残業代を請求したい
  • 自分の残業代、残業時間に納得がいかない

                           

会社がおかしい・不当ではないかと感じたら1人で悩まずに、残業代請求に強い弁護士に相談することをおすすめします。残業代の時効は2年なので、時効になる前に早めに行動することが大切です。

弁護士法人QUEST法律事務所へのご相談は無料です。当事務所では、電話・メール・郵送のみで残業代請求できます。ですので、全国どちらにお住まいの方でも対応可能です。お1人で悩まずに、まずは以下よりお気軽にご相談ください。

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