【ブラック企業の見分け方】選考~入社までの見分け方を弁護士が解説

監修者

弁護士法人QUEST法律事務所
住川 佳祐

【ブラック企業の見分け方】選考~入社までの見分け方を弁護士が解説
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 求人情報からの見分け方
  • ブラック企業を見分ける時の注意点
  • 会社を辞める前にはじめるべき「未払い残業代」を請求する2つの方法
  • 要注意!残業代請求時の2つのポイント
  •  

あなたは、

「就職・転職したいけどブラック企業には入りたくない!」
「ブラック企業の見分け方が知りたい」
「もし入社した会社がブラック企業だったらどうしよう」

などとお考えではないですか?

多くのブラック企業は「本音」と「建前」を使い分け、選考の段階では良い面ばかりを見せるため、ブラック企業を見抜くことが難しいのは事実です。

例えば、
「君は優秀な人材だからすぐに採用したい」
と言われたとしても、それは単に使い捨て出来る人材がすぐに欲しいだけかもしれません。

また、
「今頑張ってくれれば、会社も大きくなり給与も上がるから」
などと言われたとしても、それは安い給料で残業をさせる口実かもしれません。

でも安心してください。

正しい「知識」と「判断基準」を持っていれば、限られた情報からでもブラック企業を見抜くことは可能です。

そこでこの記事では、

  • 選考〜入社の各段階で、ブラック企業を正確に見分ける方法
  • ブラック企業を見分けるための注意点
  • 転職してしまう前にやるべき、会社に未払い残業代を請求する方法

などについて詳しく解説します。

最後までしっかり読んで、就職・転職を成功させるための知識を身につけましょう。

目次

  1. 1章:選考〜入社の4つの段階別に見るブラック企業の見分け方
    1. 1−1:求人情報からの見分け方
      1. 1-1-1:離職率が高くて常に求人をかけている
      2. 1-1-2:みなし残業・裁量労働制での採用と書かれている
      3. 1-1-3:長時間のみなし残業代が規定されている
      4. 1-1-4:仕事内容が不明確
      5. 1-1-5:ネット上で悪い口コミばかりが出る
    2. 1−2:説明会・選考からの見分け方
      1. 1-2-1:説明会で「やる気」「情熱」など精神論が多い
      2. 1-2-2:体力の有無をやたら聞いてくる
      3. 1-2-3:その場で内定が出る
      4. 1-2-4:いつから来られる?と聞かれる
      5. 1-2-5:夜遅くや休日にも電話が繋がる
    3. 1−3:雇用契約からの見分け方
      1. 1-3-1:求人票と雇用契約の内容が異なる
      2. 1-3-2:裁量のある職種じゃないのに裁量労働制
    4. 1-4:入社後の見分け方
      1. 1-4-1:朝礼で社訓を唱えさせられる
      2. 1-4-2:研修時の給料が出ない、または異常に低い
      3. 1-4-3:パワハラ・セクハラが横行している
  2. 2章:ブラック企業を見分ける時の注意点
    1. 2-1:求人情報は隅々までチェックする
    2. 2-2:面接時に不安や疑問点は必ず確認する
  3. 3章:会社を辞める前にはじめるべき「未払い残業代」を請求する2つの方法
    1. 3-1:自分で請求する方法には2つのものがある
      1. 3-1-1:自分で会社に内容証明を送って請求する
      2. 3-1-2:労働基準監督署に申告する
    2. 3-2:より多く取り戻すために弁護士に相談しよう
    3. 3-3:残業代請求に強い弁護士を選ぶのが大切
  4. 4章:要注意!残業代請求時の2つのポイント
    1. 4-1:残業代を請求するために集めるべき証拠
    2. 4-2:3年の時効が成立する前に行動を開始しよう
  5. まとめ:ブラック企業の見分け方
未払い残業代を取り返したいというあなたへ、まずはお気軽にご相談ください
未払い残業代を取り返したいというあなたへ、まずはお気軽にご相談ください

1章:選考〜入社の4つの段階別に見るブラック企業の見分け方

ブラック企業の見分け方をみていく前に、ブラック企業の定義について知っておきましょう。

「ブラック企業」とは、どんな企業のことなのでしょうか?

実は、明確に定義があるわけではありません。

厚生労働省の「Q&A|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト」では、下記のように記載されています。

「ブラック企業」ってどんな会社なの?

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、②賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。

引用元
「ブラック企業」ってどんな会社なの?|Q&A|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト|厚生労働省

当サイト(クエストリーガルラボ)では、

「従業員を採用してから辞めさせるまで過酷な労働環境や低待遇で働かせ続けて、会社だけが儲けようとする企業のこと」

をブラック企業と呼んでいます。

労働基準法に違反した行為をしている会社は、もちろんブラック企業です。

しかし、すぐに違法性を判断することが難しい、「曖昧だが限りなくブラックに近い」会社も多く、知識が無いと判断することが難しいです。

そこで、ここでは法律を基準にしつつも、それ以外の面からも判断できる見分け方を、

  • 求人情報やインターネットから情報収集する段階
  • 説明会・選考の段階
  • 雇用契約を締結する段階
  • 入社後の段階

という4つに分けてお伝えします。

1−1:求人情報からの見分け方

説明会に行ったり、選考を受けたりする前に、就職・転職サイトの情報や企業のサイト、インターネット上の口コミサイトなどから情報を集めることは多いと思います。

この段階では、以下のような特徴を持つ会社を見分けるべきです。

  • 離職率が高くて常に求人をかけている
  • みなし残業代制、裁量労働制での採用になっている
  • 長時間のみなし残業時間が規定されている
  • 仕事内容が不明確
  • ネット上で悪い口コミばかりが出る

1つずつみていきましょう。

1-1-1:離職率が高くて常に求人をかけている

常に求人をかけている企業は、離職率の高いブラック企業である可能性があります。

そのため、定期的に検索してみて、

  • どのくらいのペースで求人を出しているか
  • 求人に期限をつけているか

などをチェックしてみましょう。

また、離職率に関する情報は、

  • 四季報
  • 転職系口コミサイト
  • 企業規模と採用人数を照らし合わせてみる

などの方法でもチェックできますので、ぜひ調べてみてください。

1-1-2:みなし残業・裁量労働制での採用と書かれている

法律上、

  • 1日8時間を超えて働く時間
  • 週40時間を超えて働く時間

は、会社は社員に残業代を払わなければならないと決められています。

しかし、この規定を守らず社員にサービス残業をさせている会社は多く、未払いの残業代をごまかす方法として、

  • みなし残業代制(固定残業代制)
  • 裁量労働制

などが利用されることがあります。

どんなにメリットがあるような書き方がされていたとしても、求人票にこれらの制度で採用されると書かれていたら、ブラック企業である可能性を疑いましょう。

ただし、この制度を採用しているからといって必ずブラック企業であるということではありません。

詳細は、直接会社の担当者から聞き出すか、インターネット上から情報収集して確認しましょう。

会社の担当者に聞くときは、

  • 実際に働いている社員の労働時間はどのくらいが平均なのか
  • みなし残業代制でも、決められた時間を超えて働いた場合は残業代が払われるのか

などを聞き出しましょう。

1-1-3:長時間のみなし残業代が規定されている

みなし残業代をあらかじめ規定しておくこと自体は、直ちに違法にはなりません。

しかし、例えば、

「残業手当あり(みなし残業95時間分)」

などと書かれていたら、基本的に毎月最低それだけの残業があると考えられるため、長時間残業が常態化しているブラック企業であると考えられます。

また、そのような長時間労働を想定したみなし残業代は無効になる可能性もあります。

1-1-4:仕事内容が不明確

「飛び込み営業」を「企画営業」「ソリューション営業」と称したり、クレーム対応を「カスタマーサポート」「ヘルプデスク」等と書き換えて提示する会社があります。

本当の業務内容を隠して、曖昧な表現で業務内容を記載している会社は、ブラック企業を疑った方がいいかもしれません。

1-1-5:ネット上で悪い口コミばかりが出る

インターネットの情報が全てではありませんし、必ずしも真実とは言えませんが、やはり評判の良くない会社には問題がある可能性があります。

参考すべき情報源
インターネット上で情報収集する上で参照する価値があるのは、

  • Vorkers
  • 転職会議
  • カイシャの評判

などの、もともとその会社にいた会社員が書いている、転職者向けの口コミサイトです。

一方であまり参考にならないのが、

  • 匿名掲示板
  • 個人のブログ
  • 転職サービスを複数紹介しているランキングサイト

などです。

匿名性の高いサイトでは、個人が私怨で意図的に悪い情報を書いている可能性がありますし、ランキングサイトなどは、転職サービスに誘導するために、正確ではない情報を書いていることがあるため注意してください。

他にも、厚生労働省では、長時間労働や賃金不払いなど労働関係法令に違反した企業の一覧を作成し、公式サイトで公表しています。

参照)
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/151106.html

この厚生労働省の「労働基準法に違反した企業一覧」にのっている会社は、ある意味政府が「ブラック企業」と名指ししているということなので避けるべきでしょう。

次に、説明会や選考に進んだ段階での見分け方について、ご紹介します。

1−2:説明会・選考からの見分け方

インターネット上などの求人情報よりも、実際に説明会に足を運んだり、選考を受ける段階で直接会社の人と会う場面の方が、正確にブラック企業を見分けることができます。

説明会や選考の段階での見分け方には、以下のようなものがあります。

  • 説明会で「やる気」「情熱」など精神論が多い
  • 面接官の質問内容がズレている
  • その場で内定が出る
  • いつから来られる?と聞かれる
  • 夜遅くや休日にも電話が繋がる

1つずつ解説します。

1-2-1:説明会で「やる気」「情熱」など精神論が多い

精神論が多いブラック企業説明会
ブラック企業は精神論を駆使して社員を洗脳し、会社のために自分の命を削って働く社員を選別します。

そのため説明会でも、

  • やる気、情熱のある社員が多い
  • みんなで助け合って働く
  • 社員は家族
  • 高い志を持とう

などの精神論をイメージしてしまうキーワードが多用されていたら要注意です。

他にも、

  • 会社の良い面しか紹介してくれない
  • 勤務時間や残業時間の長さについては濁される
  • 先輩社員が若手ばかり

なども、説明会での要チェックのポイントです。

入社して「社員」になってしまうと聞きづらいことも、説明会では聞きやすいです。

説明会では、

  • 忙しい時期の残業時間はどのくらいになるのか
  • 離職率はどのくらいなのか(平均勤続年数はどのくらいなのか)
  • 何歳くらいの人が多いのか(すぐに辞める人は多くないか)

などについて、ぜひ質問してみてください。

1-2-2:体力の有無をやたら聞いてくる

「私のアピールポイントは○○です!」

「御社では××のような仕事をしたいと思っています!

このように本来面接では、自分の強みや転職動機、将来設計といった内容を質問されるものです。

しかし、ブラック企業は、使い倒せる社員を集めることに必死なので、

「いかにあなたに体力があるのか」

などをやたらと聞いてくることがあります。

面接でこのような質問をされた場合は、ブラック企業である可能性を疑いましょう。

1-2-3:その場で内定が出る

例えば面接の場で、
「採用!さっそくだけど、この契約書にサインしてくれるかな?」

このように、会社の中には、面接の段階で内定を出し、その場で雇用契約へのサインを求めることがあります。

本来ならば、人事担当者に内定者を決める権限があったとしても、社長なり専務なりの最終的な決済を取らなければ内定が出ることはありません。

その場で内定を出すのは、判断する時間を与えずあなたを拘束するためである可能性があり、ブラック企業のよく使う方法なのです。

面接時に内定承諾書にサインをするよう迫られても拒否しましょう。

1-2-4:いつから来られる?と聞かれる

「ところでいつから働けるのかな?」
「君は見込みがあるから、できればすぐにでも働いてほしいのだが。」

募集要項には、採用予定日が記載されているはずです。

それを無視してすぐにでも入社して欲しいと望むのは、「人手不足=辞める人が多い」可能性があります。

即日入社を望まれる場合も注意が必要です。

1-2-5:夜遅くや休日にも電話が繋がる

就業時間外に連絡がくるブラック企業

長時間残業休日出勤は、ブラック企業にもっとも多い特徴です。

そのため、

  • 就業時間外にもかかわらず、夜遅くや休日に電話をかけたら繋がる
  • 会社の電気が夜遅くや休日でもついている

などの会社は避けた方がいいでしょう。

1−3:雇用契約からの見分け方

雇用契約を締結する段階では、もっとも正確にブラック企業を見分けることができます。

なぜなら、正しい判断基準を持っていれば、「雇用契約書」からブラック企業を見分けることができるからです。

雇用契約書から見分けるポイントとしては、以下のものがあります。

  • 求人票と雇用契約の内容が異なる
  • 裁量のある職種じゃないのに裁量労働制

1つずつみていきましょう。

1-3-1:求人票と雇用契約の内容が異なる

ブラック企業は求人時の条件を良く見せておいて、雇用契約を結ぶ段階になって、異なる条件で契約を結ぼうとする方法を使います。

例えば、

  • 一般社員での採用のはずが管理職採用になっている
  • 通常の雇用契約のはずが固定残業代制、裁量労働制などになっている
  • 基本給が少なくなっている

などがあれば、明らかに条件が変わっていることが分かると思います。

そのような場合は、会社に変わった理由を聞くか、その会社に入社することを避けるべきです。

また、そもそも残業代が明記されていないという場合も要注意です。

雇用契約を締結するときは、しっかりと条件を確認するようにしましょう。

1-3-2:裁量のある職種じゃないのに裁量労働制

ブラック企業に多いのが、プログラマーなどの自己の業務に裁量がなく、上司の指示のもとに働くにもかかわらず、裁量労働制が適用されているケースです。

裁量労働制は、自分の業務内容や勤務時間を自分の裁量で決めることができる、

  • コピーライター
  • システムエンジニア
  • 証券アナリスト

などの一部の職種の人に適用される制度です。

そのため、上司から指示された通りに働くことが要求されるプログラマーなどで、裁量労働制が適用されていたら違法です。

もしあなたがプログラマーなどの職種であるにもかかわらず、裁量労働制が適用されていたら、その会社がブラック企業である可能性を疑いましょう。

1-4:入社後の見分け方

入社後すぐでも、その会社がブラック企業であるかどうかは、以下のような特徴から判断できます。

  • 朝礼で社訓を唱えさせられる
  • 研修時の給料が出ない、または異常に低い
  • パワハラ・セクハラが横行している

もしこれらの特徴に当てはまっていたら、早急に転職することを検討しましょう。

1つずつ解説します。

1-4-1:朝礼で社訓を唱えさせられる

ブラック企業は、都合良くこき使う社員に育てるために、「洗脳」する方法を使います。

その手段として、朝礼などで社訓を大声で唱えさせ、声が小さい社員を罵倒したりします。

これには、

  • 従順な社員を育てる
  • 使いやすい社員を選別する

という意図があります。

あなたの会社でもこのような慣行があれば、要注意です。

1-4-2:研修時の給料が出ない、または異常に低い

「研修中は勉強してもらう期間だから、給料はつかないよ。」

ブラック企業では、研修時に以下のような扱いを受けることがあります。

  • 研修中は無給
  • 研修中の給料が異常に低い(例:1日3000円など)
  • 遠方での研修で交通費のみしか出ない
  • 研修中に退職したら研修にかかった費用を請求する契約書にサインを求められる

これらの行為は「違法」ですので、もし求められた場合はブラック企業です。

1-4-3:パワハラ・セクハラが横行している

「お前みたいなクズを雇っているだけで有り難いと思え!」
「君には新しいプロジェクトを任せたいと思っているんだ。個人的に話したいから飲みに行こう」

ブラック企業では、従業員を「消耗品」としか思っていないためパワハラやセクハラが横行していることが多いです。

入社した会社で、

  • 上司が高圧的で逆らえない
  • 女性が性的に嫌がるような行為が多い

といった特徴があったら要注意です。

これらの特徴に当てはまらなくても、ブラック企業である可能性はゼロではありません。

これらの基準をもとに考えて、少しでも違和感があれば、インターネットで調べたり周りの人に相談したりしてみましょう。

2章:ブラック企業を見分ける時の注意点

ブラック企業を見分ける時の注意点は、次の2つです。

  • 求人情報を隅々までチェックする
  • 面接時に不安や疑問点を必ず確認する

それぞれ解説していきます。

2-1:求人情報は隅々までチェックする

求人情報には、1章でも解説したように、給与や勤務時間、福利厚生など、ブラック企業を見分けるための情報が詰まっています。

ただしブラック企業は、求職者に知られたくないことは、求人情報では曖昧にして記載する傾向があります。

そのため、ブラック企業を見分けるためには、書かれている内容だけでなく、書き落としてある内容まで、隅々までチェックすることが重要です。

特に、仕事内容や勤務時間、基本給、手当、福利厚生などの情報が不足している場合は、注意が必要です。

例えば、給与の記載では、基本給や残業代が明確にされているか、業績給などを含めて水増しされていないかなど、チェックするポイントになります。

また、実際の平均残業時間年間休日数なども忘れずにチェックすることが重要です。

2-2:面接時に不安や疑問点は必ず確認する

面接時には、求人情報や口コミなどから得られた情報の中で、不安に感じる点や疑問点を必ず確認しましょう。

また、2章で解説したように、会社側のペースで選考・採用が進められることのないように、十分注意する必要があります。

もし、入社を決断した場合でも、雇用契約書や入社前の契約書類等の内容をよくチェックし、求人票やこれまでの説明と違いはないか確認したうえで契約しましょう。

なぜなら、とりあえず就職できればいいといった安易な考えで就職した場合、過酷なノルマから精神的に追い詰められたり、低賃金・長時間労働から短期離職に繋がる可能性があるからです。

少しでも不安に感じる点や疑問点があれば、公的機関の相談窓口や弁護士に相談しましょう。

※厚生労働省「相談機関のご紹介」

もし今の会社がブラック企業で、会社を辞めたいと思っているなら、これからやるべきことがあります。

それは、辞める前に残業代請求の準備をしておくことです。

これから未払いの残業代を会社に請求する方法を解説します。

3章:会社を辞める前にはじめるべき「未払い残業代」を請求する2つの方法

多くの会社が、社員の残業代をごまかして不当に低く支払っている実情があります。

そのため、あなたの残業代も計算してみると、実は未払いのものが数十万円、もしくは数百万円もある可能性があります。

そのため、転職する前に残業代を会社に請求する準備をはじめることをおすすめします。

そこでここでは、残業代を取り返すためにできる

  • 自分で会社に請求する
  • 弁護士に依頼して請求してもらう

という2つの方法について解説します。

この2つの方法には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

残業代請求を自分でやる場合と弁護士に依頼する場合の違い

それではみていきましょう。

3-1:自分で請求する方法には2つのものがある

自分で請求する方法には、

  • 会社に配達証明付き内容証明を送る
  • 労働基準監督署に相談する

という2つの方法があります。

3-1-1:自分で会社に内容証明を送って請求する

自分で会社に残業代を請求するためには、会社に「配達証明付き内容証明郵便」で、請求書を送る必要があります。

内容証明とは、差し出した日付、差出人の住所・氏名、宛先の住所・氏名、文書に書かれた内容を、日本郵便が証明してくれる手紙の一種です。

また、配達証明とは配達先や配達した日付を証明してくれる郵便の仕組みのことです。

<内容証明ひな形>

私は○○年○○月○○日、貴社に入社し、○○年○○月○○日に退社した者です。

私は、平成○○年○○月○○日から平成○○年○○月○○日(以下「請求期間」とします。)まで、貴社に対し、合計■時間の時間外労働を提供いたしましたが、貴社からは、一切、割増賃金のお支払いただいておりません。

よって、私は、貴社に対し、請求期間内の未払割増賃金の合計額である★円の支払を請求いたしますので、本書面到達後1週間以内に,以下の口座に振り込む方法によるお支払をお願いいたします。

○○銀行○○支店
○○預金(普通・定期などの別)
口座番号○○
口座名義人○○

なお、本書面到達後1週間を過ぎても貴社から何らご連絡いただけない場合は、やむを得訴訟を提起させていただくことをあらかじめ申し添えます。

内容証明で請求書などを送ることで、会社は「届いてない」と言い張っても、郵便局が届いたことを証明してくれます。

ただし、自分で会社に内容証明を送って残業代を請求しても、会社側にも顧問弁護士が付いていて、うまく丸め込まれてしまう可能性が高いです。

つまり、あなたが残業代を請求しても、1円も取り戻せない可能性があります。

3-1-2:労働基準監督署に申告する

労働基準監督署」とは、厚生労働省の出先機関で、労働基準法に基づいて会社を監督するところです。

給料の未払いは労働基準法違反のため、労働基準法に相談することで解決にいたる可能性もあります。

ただし、労働基準監督署に申告する方法は「残業代を請求したい場合」は、あまりおすすめではありません。

なぜなら、労働基準監督署は、労働基準法に違反している会社の行為を「正す」機関であり、残業代を取り返してくれる機関ではないからです。

労働基準監督署は慢性的な人員不足であるため、過労死や労働災害などの「人命に関わる問題」が優先して処理されます。

そのため、「残業代の未払い」では、すぐには動いてもらえない可能性が高いです。

そこで、残業代を取り返す場合には、最初から弁護士に依頼することをおすすめします。

3-2:より多く取り戻すために弁護士に相談しよう

残業代をより高額取り返すためには、弁護士に依頼しましょう。

なぜなら、残業代の計算や交渉は、専門的な知識が必要なため、1人で戦っては会社側に負けてしまうおそれが大きいからです。

弁護士に依頼した場合、

  • 交渉
  • 労働審判
  • 訴訟(裁判)

という流れで残業代請求の手続きが進められます。

残業代請求を弁護士に依頼する流れ

実は、弁護士に依頼すると言っても「訴訟(裁判)」になることは少ないです。

ほとんどのケースで、交渉の段階で解決されるため、期間・手間も少なく解決することができます。

おそらくあなたが心配しているであろう「費用」の面でも、「完全成功報酬制」の弁護士に依頼すれば、「相談料」や「着手金」などの初期費用がゼロで依頼することができます。

3-3:残業代請求に強い弁護士を選ぶのが大切

ここまで残業代請求の方法を解説しましたが、いかがだったでしょうか?

弁護士に依頼する場合、注意点があります。

それは、「残業代請求に強い弁護士」を選ぶことが重要ということです。

「弁護士さんは全員法律の知識があるのだから、誰でも良いのでは?」

と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。

実際は法律の知識は広い範囲に及ぶため、自分の専門分野以外の件については、あまり知識がない弁護士が多いのです。

残業代請求に強い弁護士の選び方や、相談の流れ・かかる費用などについて、詳しくは以下の記事で解説していますので、ご覧になってください。

【残業代請求】弁護士選びの8つのポイントと解決までの流れや費用を解説

残業代請求の方法・流れについて、理解できたでしょうか?

最後に、残業代を請求する上で注意しなければならない、2つの大事なポイントについてお伝えします。

4章:要注意!残業代請求時の2つのポイント

残業代を請求するときには、

  • まずは有効な証拠を集める
  • 3年の時効が成立する前に行動をはじめる

という2つのことに注意する必要があります。

それぞれ解説します。

4-1:残業代を請求するために集めるべき証拠

残業代を請求するためには、まずは自分で証拠を集めることをおすすめします。

証拠集めも、弁護士に依頼することもできます。

しかし、弁護士が証拠を要求しても提出しない悪質な会社が存在するため、会社に在籍しているうちに、自分で証拠を集めておくことで、残業代請求の成功の確率が高まります。

残業代の証拠として有効なものを、勤怠管理している会社と勤怠管理していない会社に分けて紹介します。

【勤怠管理している会社で有効な証拠】
  • タイムカード
  • 会社のパソコンの利用履歴
  • 業務日報
  • 運転日報
  • メール・FAXの送信記録
  • シフト表
【勤怠管理していない会社で有効な証拠】

① 手書きの勤務時間・業務内容の記録(オススメ)
② 残業時間の計測アプリ
③ 家族に帰宅を知らせるメール(証拠能力は低い)

会社が勤怠管理をしていない場合に証拠としての有効性が認められる可能性が最も高いのは、①の本人の筆跡が確認できる「手書き」の証拠です。

③の家族へのメールなどは、証拠として認められる可能性が低いため、できるだけ手書きの記録を残すことをおすすめします。

証拠は、できれば3年分あることが望ましいですが、なければ一部でも良いので、できるだけ毎日の記録を集めておきましょう。

最も有力な証拠になり得る「手書き」の証拠ですが、注意しなければならないのは「ウソ」を絶対に書かないことです。

なぜなら、ウソの内容が発覚すれば、証拠の信用が疑われて不利になってしまうからです。

そのため、証拠はたとえば「20時30分」ではなく「20時27分」のように、できるだけ正確に記録するようにしましょう。

集めるべき証拠について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。

【弁護士が解説】残業代をアップさせる証拠一覧と集め方マニュアル

4-2:3年の時効が成立する前に行動を開始しよう

もう一点注意してもらいたいのが、残業代請求には3年という時効があると言うことです。

時効を過ぎると、残業代は二度と取り返すことができなくなってしまいます。

そのため、未払いの残業代を取り返したい場合は、すぐに行動を始める必要があります。

残業代請求の時効について、詳しくは以下の記事を参照してください。

残業代請求の時効は3年!時効を止める方法や注意点、例外などを解説

まとめ:ブラック企業の見分け方

いかがでしたか?

最後にもう一度、今回の内容をまとめます。

ブラック企業を見分けるポイントは、以下の16個です。

【求人・インターネット上の情報での見分け方】
  • 常に求人をかけている
  • みなし残業・裁量労働制での採用と書かれている
  • 長時間のみなし残業がある
  • 仕事内容が不明確
  • ネット上で悪い口コミばかりが出る
【説明会・選考での見分け方】
  • 説明会で「やる気」「情熱」など精神論が多い
  • 面接でやたらと体力の有無を聞かれる
  • その場で内定が出る
  • いつから来られる?と聞かれる
  • 夜遅くや休日にも電話が繋がる
【雇用契約締結時の見分け方】
  • 求人票と雇用契約の内容が異なる
  • 裁量のある職種じゃないのに裁量労働制
【入社後の見分け方】
  • 朝礼で社訓を唱えさせられる
  • 研修時の給料が出ないor異常に低い
  • パワハラ・セクハラが横行している

ただし、以上のポイントに当てはまらなくてもブラック企業である可能性はありますので、ちょっとでも気になることがあれば疑うようにしましょう。

また、転職してしまう前に、

  • 自分で内容証明を会社に送る
  • 労働基準監督署に申告する
  • 弁護士に依頼する

といった手段で、会社に対して未払いの残業代を請求することをおすすめします。

できるだけ良い会社に就職するために、すぐに行動を開始しましょう。
 

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