貰わないと損をする!解雇通知書の役割と貰えなかった場合の対処法

監修者

監修者 住川佳祐

弁護士法人QUEST法律事務所
住川 佳祐

貰わないと損をする!解雇通知書の役割と貰えなかった場合の対処法
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 解雇通知書と解雇理由証明書
  • 解雇通知書・解雇理由証明書が貰えない場合の対処法
  • 解雇通知書を受け取った時に確認すること
  • 不当解雇だった場合にすべきこと

あなたは、

「解雇通知書を渡されたけどクビになるのかな?」
「一方的に解雇通知書を渡されたが辞めたくない」
「なぜ解雇されるのか具体的な理由が知りたい」

などとお考えではないですか?

結論から言うと、解雇通知書を渡された場合は、会社に解雇の理由を記載した「解雇理由証明書」の交付を求めることが重要です。

なぜなら、解雇通知書には、解雇の根拠となる就業規則の規定などが記載されているだけで、具体的な解雇理由が書かれていないことが多いからです。

また、解雇理由証明書は、労働者が請求した場合、使用者はこれを交付することが義務づけられていますが、逆に言えば、あなたが請求しなければ受け取ることはできないからです。

会社から口頭あるいは解雇通知書で、雇用契約の終了を一方的に言い渡された場合、その解雇理由は、客観的な合理性と社会的相当性がなければなりません。

もし記載された解雇理由が、事実とは異なる、あるいは客観的な合理性と社会的相当性が認められないと判断された場合は、不当解雇にあたり無効になる可能性があります。

そこで、この記事では、1章で解雇通知書と解雇理由証明書について、2章では解雇通知書が貰えなかった場合の対処法を、3章では解雇通知書を受け取った時に確認することについて解説します。

さらに、4章では不当解雇だった場合にすべきことについて解説していきます。

会社を退職してから後悔しないよう、この記事を読んで解雇通知書について詳しく知っておきましょう。

未払い残業代を取り返したいというあなたへ、まずはお気軽にご相談ください
未払い残業代を取り返したいというあなたへ、まずはお気軽にご相談ください

1章:解雇通知書と解雇理由証明書

この章では、解雇通知書と解雇理由証明書について解説します。

1-1:解雇通知書とは

解雇通知書とは、会社が労働者に対して解雇の意思表示をする書面です。

会社は、解雇の通知を口頭で直接労働者に対して行うことも可能ですが、解雇の日や解雇理由でトラブルになる可能性もあるため、解雇通知書を作成します。

また、労働基準法では、会社が社員を解雇する時には、原則として30日前に予告するか、あるいは30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないと定めています。(労働基準法20条1項)

そのため、解雇予定日の30日前までに、労働者に解雇を予告する場合は、解雇予定日を記載した解雇予告通知書を作成し通知します。

また、労働者を即日解雇したい場合は、解雇通知に併せて30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要になります。

 

(解雇の予告)

第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。

労働基準法:e-Gov法令検索

解雇予告通知書

解雇予告通知書の書き方について決まりはありませんが、ほとんどの解雇予告通知書には

① 解雇する従業員の氏名
② 解雇予告通知書の作成日
③ 社名・代表者名
④ 解雇する日
⑤「解雇します」という解雇の意思表示の文言
⑥ 解雇理由
⑦ あなたの解雇理由が該当する就業規則の条文

が記載されています。

ただし解雇予告は、次の場合は法律上不要とされています(労働基準法21条)。

  • 日雇いの従業員で働き始めてから1か月以内に解雇する場合
  • 2か月以内の期間を定めて使用する従業員を解雇する場合(契約期間を超えて引き続き使用した場合を除く)
  • 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用する従業員を解雇する場合(契約期間を超えて引き続き使用した場合を除く)
  • 使用期間中の従業員で働き始めてから14日以内に解雇する場合

しかし、このような場合でも、

「会社が本当にあなたを解雇したのか」
「どうして解雇したのか」

を明らかにしておく必要があります。

そのため、解雇予告通知書がもらえなくても、次に解説する解雇理由証明書をもらうようにしましょう。

1-2:解雇理由証明書|解雇の理由についてかかれた書面

解雇理由証明書とは、主に解雇の理由が書かれた書面になります。

こちらも、決まった書き方はありませんので、会社ごとに違った書式で作られます。

先に解説したように、解雇理由証明書は、労働者が請求した場合、使用者はこれを交付することが義務づけられています。(労働基準法第22条第2項)

解雇理由証明書

厚生労働省、東京労働局:解雇理由証明書

解雇理由証明書は、あなたがどうして解雇になったのかを証明するものですから、具体的に解雇理由が書いてあるかを確認しましょう。

(良い例)

  • 心身の故障により業務に支障を来すため、就業規則65条により普通解雇する。
  • 女子社員に性的な言動を含むハラスメント行為をし、改善を求めたがこれが認められなかった。そのため、就業規則26条により懲戒解雇する。

(悪い例)

  • 就業規則38条によりあなたを解雇します。
  • 就業規則50条3号の「能力不足」にあたるため、普通解雇する。

解雇の理由として具体的な事実が書かれていない場合には、解雇理由証明書を会社に再発行してもらいましょう。

2章:解雇通知書・解雇理由証明書が貰えない場合の対処法

解雇通知書・解雇理由証明書が貰えない場合の対処法は、次の3つです。

  • 引き続き出勤する
  • 退職願・退職届にサインしない
  • 解雇理由証明書の発行を求める

それぞれ解説していきます。

2-1:引き続き出勤する

会社から解雇通知書・解雇理由証明書が貰えず、退職する意思がない場合は、

「解雇通知書がないということは、『適法な解雇ではない』ということなので、出社します」

と言い引き続き出勤するという方法が考えられます。

また、個人的な事情で会社を休まなければならない場合は、有給休暇を使って休むようにしましょう。

2-2:退職願・退職届にサインしない

会社が解雇通知書・解雇理由証明書を交付しない理由として、解雇するだけの正当な理由がない場合があります。

その場合会社は、社員を辞めさせる方法のひとつとして、話し合いによって説得し、退職願や退職届にサインさせようとすることがあります。

もしあなたに退職する意思がない場合は、決してサインする必要はありません。

2-3:解雇理由証明書の交付を求める

解雇通知書・解雇予告通知書は、必ず交付されるものではないため、会社からもらえなくてもそれほど問題はありません。

しかし、解雇理由証明書は、労働者が請求した場合、使用者はこれを交付することが義務づけられているので、あなたがほしいと言えば、会社は絶対に発行しなければなりません。

また、解雇理由証明書がない場合は、会社がどうしてあなたを解雇したのがわからないため、不当解雇を争うこともできません。

そのため、あなたがまだ解雇理由証明書をもらっていないのであれば、すぐに会社に発行するよう申し出ましょう。

3章:解雇通知書を受け取った時に確認すること

会社から解雇予告通知書を受け取った場合は、必ず次の3つを確認しましょう。

  • 解雇日はいつか確認する
  • 解雇理由を確認する
  • 就業規則を確認する

それぞれ解説していきます。

3-1:解雇日はいつか確認する

解雇通知書(解雇予告通知書)を受け取った場合は、まずは解雇日を確認しましょう。

解雇する日は、解雇通知書を渡された翌日から30日以上経った日を指定しないといけません。

万が一、即日解雇されたり解雇日が30日未満になっている場合は、あなたは解雇予告手当を受け取ることができます。

解雇予告手当の計算方法は、次のようになります。

(直前3か月に支払われた賃金総額)÷(3か月間の歴日数)×(解雇予告の短縮日数分)

(例)

  • 給料:月給20万円(3か月で60万円)
  • 解雇予告日:3月25日
  • 解雇日:20日後(短縮10日)

→ 60万円÷90日※×短縮10日=66,666円

※歴日数の計算例

  • 12月 31日間
  • 1月  31日間
  • 2月  28日間

計90日

解雇通知書に解雇予告手当の記載がない場合は、会社に請求することもできますが、解雇を無効として退職する意思がない場合は、請求は控えた方がいいでしょう。

3-2:解雇理由を確認する

解雇の理由については、本当にあなたが納得いくような理由が書かれているかを確認しましょう。

また先に解説したように、解雇通知書には、解雇の根拠となる就業規則の規定などが記載されているだけで、具体的な解雇理由が書かれていないことが多いです。

その場合は、会社に対して解雇理由証明書の交付を求めることができます。

もし記載された解雇理由が、事実とは異なる、あるいは客観的な合理性と社会的相当性が認められないと判断された場合は、不当解雇にあたり無効になる可能性があります。

会社の解雇理由が、不当解雇にあたると思われる場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

不当解雇の場合にすべきことについては、4章で解説します。

3-3:就業規則を確認する

解雇理由は、多くの場合就業規則で規定された内容を根拠としています。

そのため、記載された解雇理由が、実際に就業規則に書かれている内容と一致しているのか確認する必要があります。

就業規則は、次のいずれかの方法で周知しなければならないとされています。

  • 常時各作業場の見やすい場所に掲示・備え付ける。
  • 書面で交付する
  • 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する。
    (労働基準法106条1項)

必ず就業規則を確認し、解雇理由が該当しない場合は、弁護士に相談するべきです。

4章:不当解雇だった場合にすべきこと

不当解雇とは、労働基準法・労働契約法等の法律で規定された事柄や、会社の就業規則の規定を守らずに、事業主の都合だけで一方的に労働者を解雇することをいいます。

次のようなケースは、原則的に不当解雇となります。

  • 妊娠を理由とした解雇
  • 病気や怪我を理由とした解雇
  • 社長や上司との不仲を理由とした解雇
  • 学歴を理由とした解雇
  • 国籍を理由とした解雇

また整理解雇(リストラ)の場合、次のようなケースは要件を満たさず認められない可能性が高いです。

  • 工場の生産能力をあげるための解雇
  • 役員の給与をカットせず、いきなりリストラを行った
  • 職場で嫌われている人から解雇していく
  • 労働組合との話し合いをせず、リストラを始める

その他にも、会社の解雇理由に納得がいかない場合は、会社に解雇無効を主張し解雇の撤回を求めましょう。

不当解雇だった場合にすべきことは、次の2つです。

  • 不当解雇を争う場合に必要な証拠を集めて相談する
  • 解雇の無効を主張し未払い賃金を請求する

それぞれ解説します。

4-1:不当解雇を争う場合に必要な証拠を集めて相談する

不当解雇された場合は、まず可能な限り証拠を集めましょう。

役に立つ証拠としては、以下のようなものがあります。

  • 解雇通知書(解雇予告通知書、解雇理由証明書)
  • 雇用契約書など会社の規定に関する書類
  • 日記やメールなど(解雇までの経緯を示す書面があるとよいでしょう。)
  • ICレコーダーで録音した音声(暴言を吐かれたり、解雇の際に何か言われた場合には、録音しておくと良いでしょう。)

次に、証拠を持って相談に行きましょう。

相談先としては、以下の4つがあります。

  • 労働組合
    給与や労働時間など、労働条件を良くする団体のこと。必ず会社が話し合いに応じてくれる一方、賠償金をもらったり、会社に戻りたい場合には向かない。
  • 労働基準監督署
    会社が法律違反をしていないか取り締まるところ。
    会社に罰則を科すなど影響力も大きいが、個人の問題ではほとんど動いてくれない。
  • 都道府県労働局の相談窓口
    労働問題全体について、会社との話し合いのお手伝いをしてくれる。
    自分で話し合いの場に出ないといけないのがネック。
  • 弁護士
    まずは会社と交渉をし、うまくいかなければ労働審判、裁判へと進む。
    多少お金はかかるものの、良い結果が出る可能性が高い。

相談先によって、さまざまなメリットやデメリットがありますが、最終的な結果の面から見ると弁護士がおすすめです。

解雇された場合の相談先について、詳しくは以下の記事を参照してください。

不当解雇された!4つの相談窓口と相談の仕方を弁護士が徹底解説

4-2:解雇の無効を主張し未払い賃金を請求する

不当解雇に当たる場合には、解雇の無効を主張し未払い賃金を請求することができます。

つまり、解雇の無効が認められた場合、あなたはまだ会社に在籍しているとみなされるため、不当解雇によって給料が支払われなかった期間の給料を請求することで貰える可能性があります。

不当解雇を会社に認めさせ、未払いの給料を請求する場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に依頼した場合の流れ

弁護士に依頼することによって、会社側も解雇の無効を認め、解雇の撤回や未払い賃金の交渉がスムーズに進む可能性が高まります。

また、会社との交渉が決裂した場合は、労働審判や訴訟(裁判)によって解決を図っていきます。

弁護士に依頼すると、あなたの「会社と戦う」という精神的負担を、弁護士が肩代わりしてくれるだけでなく、時間・手間を節約することもできます。

ただし、弁護士に依頼する場合は、「弁護士なら誰でもいい」というわけではありません。

実は、法律の知識は広い範囲に及ぶため、自分の専門分野以外の件については、あまり知識がない弁護士が多いです。

そのため、不当解雇や未払い賃金請求など労働問題に強い弁護士に依頼することをおすすめします。

まとめ:解雇通知書について

最後に簡単にまとめてみましょう。

解雇通知書とは、会社が労働者に対して解雇の意思表示をする書面です。

解雇予定日の30日前までに、労働者に解雇を予告する場合は、解雇予定日を記載した解雇予告通知書を作成し通知します。

解雇理由証明書とは、主に解雇の理由が書かれた書面で、労働者が請求した場合、使用者はこれを交付することが義務づけられています。(労働基準法第22条第2項)

【不当解雇を争う場合】
①必要な証拠を集める

  • 解雇通知書(解雇予告通知書、解雇理由証明書)
  • 日記やメールなど
  • ICレコーダーで録音した音声

②不当解雇の4つの相談先

  • 労働組合
  • 労働基準監督署
  • 都道府県労働局の相談窓口
  • 弁護士

不当解雇に当たる場合には、解雇の無効を主張し未払い賃金を請求することができます。

不当解雇や未払い賃金請求など、労働問題に強い弁護士に依頼することをおすすめします。

『残業代請求に強い弁護士』があなたの悩みを解決します

あなたは、こんな悩みをお持ちではありませんか?

  • これから退職予定で、未払い残業代を請求したい
  • すでに退職しているが、以前勤めていた会社に残業代を請求したい
  • 自分の残業代、残業時間に納得がいかない

会社がおかしい・不当ではないかと感じたら1人で悩まずに、残業代請求に強い弁護士に相談することをおすすめします。残業代の時効は2年なので、時効になる前に早めに行動することが大切です。

弁護士法人QUEST法律事務所へのご相談は無料です。当事務所では、電話・メール・郵送のみで残業代請求できます。ですので、全国どちらにお住まいの方でも対応可能です。お1人で悩まずに、まずは以下よりお気軽にご相談ください。

"残業代を取り返したい"
というあなたへ

1人で悩まずに!残業代請求に強い弁護士法人QUEST法律事務所にご相談ください

今すぐお電話ください!

tel. 0120-649-026 電話で問い合わせる

携帯・PHS可

相談無料土日祝受付

24時間365日対応

  • lineシェア
  • twitterシェア
  • facebookシェア
  • hatenaシェア
  • pocketシェア

関連記事
Related article