休日出勤に手当が出る場合と出ない場合、計算・請求方法を弁護士が解説

監修者

弁護士法人QUEST法律事務所
住川 佳祐

休日出勤に手当が出る場合と出ない場合、計算・請求方法を弁護士が解説
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 休日出勤した場合に出る手当とは
  • 休日出勤で休日手当を請求できるケース・請求できないケース
  • 雇用形態・働き方ごとの休日手当の扱い
  • 休日出勤した場合の手当の計算方法
  • 休日手当が出ていなければ請求しよう

あなたは、休日出勤をして、

「これって手当が出るのかな?」
「手当が出ていないんだけれど、これは違法ではないのかな?」
「休日手当の計算方法が知りたい」

などの悩みや疑問をお持ちではありませんか?

休日出勤手当とは、

週1日の休日(法定休日)

に出勤した場合に、発生する手当のことです。

どのような会社でも、休日出勤をしたら手当が出なければ「違法」です。

ただし、休日手当は人や状況によって「出る場合」「出ない場合」があります。そのため、休日出勤した場合の手当の出方について、正しいルールを知っておくことが大事です。

そこでこの記事では、休日出勤手当の詳しい内容と出る場合、出ない場合について、そして手当の計算方法について詳しく解説します。

さらに、間違われることが多い「代休」の場合のルールや、休日手当が出ていない場合の請求方法について解説します。

休日出勤と手当の出方のルールは複雑ですので、まずは以下のフローチャートで自分のケースを判断してみてください。

休日出勤手当のフローチャート

あなたの場合の休日出勤と休日手当のルールについて、しっかり覚えてくださいね。

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1章:休日出勤した場合に出る手当とは

それではさっそく、休日出勤した場合の手当(休日手当)について、

  • 休日出勤の定義
  • 休日出勤で手当(休日手当)が発生する法定休日について

を順番に解説します。

【休日出勤の定義】
そもそも、休日とは労働契約において労働義務がないとされている日のことです。つまり、会社に出勤しないことはもちろん、仕事から完全に解放されている日を休日と言うのです。

この休日に出勤することを「休日出勤」と言います。

ただし、注意点があります。

それは、休日には2種類があり、それぞれルールが異なるということです。

【休日出勤で手当(休日手当)が発生するのは法定休日出勤だけ】
休日出勤には、

①法定休日(労働基準法で定められた、週1日の休日)に出勤すること
②法定外休日(会社が定めた休日)に出勤すること

の2つがありルールが異なります。

①法定休日の出勤
法定休日の出勤とは、労働基準法で定められた法定休日に出勤することです。

法定休日とは、労働基準法で定められた週1日の休日のことで、原則的に、労働者は必ず取得する権利があります(労働基準法第35条)。

労働基準法上の法定休日

ただし、多くの会社では36協定(※)を締結することで、法定休日出勤が可能になるのです。

そして、法定休日に出勤した場合は「1.35倍」の割増率をかけた賃金(休日手当)が発生します。

※36協定とは、残業や法定休日の出勤を可能にする、会社と従業員の間での協定のことです。

週休2日制の人の場合、2日とも休んだら法定休日に出勤したことになります。また、週休1日制の人の場合は、週に1日でも休んだら法定休日に出勤したことになります。

割増率やその計算方法について、詳しくは3章で解説しています。

法定休日に出勤した場合は、普段の1時間当たりの賃金(基礎時給)に、1.35倍をかけた賃金が発生するのであり、もらえていなければ違法なのです。

②法定外休日の出勤
法定外休日とは、法定休日以外の、会社が社員に与えることを決めている休日のことです。

法定休日が、労働基準法で定められた休日であるのに対し、法定外休日は、労働基準法での定めはありません。あくまで、会社が雇用契約や就業規則によって決めている休日です。

週休2日制の人の場合、毎週ある休みのうち1日は、法定外休日になります。

法定外休日に出勤した場合、法定休日のように「1.35倍の割増賃金(休日手当)」が発生しません。

ただし、法定外休日の出勤でも、その週に40時間以上労働していたなら、休日出勤が残業扱いになり「1.25倍」の割増賃金が発生します。

例えば、土日が休日の週休2日制の会社で、土日のどちらも出勤した場合、割増賃金は以下の図のように発生します。法定休日と法定外休日

法定外休日に出勤している場合は、1.25倍の割増賃金は発生しても、それは休日手当ではありません。

そのため、給与明細では「休日手当」ではなく、残業代(残業手当)の項目に、その出勤分の賃金が加算されている可能性があります。

さらに、具体的な休日出勤で手当が出るケース、出ないケースを紹介しましょう。

2章:休日出勤で休日手当を請求できるケース・請求できないケース

それでは、休日出勤して休日手当が出るケース出ないケースについて、具体的に解説します。

2−1:休日出勤で休日手当を請求できるケース

休日出勤をして休日手当が発生するのは、以下のケースです。

  • 法定休日に出勤した
  • 法定休日に出勤し代休を取得した

それぞれ解説します。

2-1-1:法定休日に出勤した

1章でお伝えしたように、法定休日に出勤した場合は、休日手当が発生します。

たとえば、

  • 土日が休日の週休2日制の会社で、土日両方出勤した場合
  • 週休1日制の会社で、週に一度も休日がなかった場合

は、休日手当が発生します。

もし休日手当が出ていなければ違法ですので、3章でお伝えする方法で、会社に請求することが可能です。

2-1-2:法定休日に出勤し代休を取得した

法定休日に出勤し、代休を取得した場合も休日手当が発生します。

代休とは、休日出勤した後から、代わりの休日を与えられることを言います。

※以下の図のように、振替休日とは異なります。

代休と振替休日の違い

先に申告して休日出勤の前に休むのが振替休日で、後で申告して休日出勤の後に休むのが代休です。

  代休 振替休日
割増賃金 発生する 発生しない
休日の指定 事後 事前

たとえば、土日が休みの会社で、日曜日に休日出勤し、次の週の水曜が代休になった場合、水曜日は出勤していないため、賃金が発生しません。

しかし、日曜日に休日出勤したという事実は消えません。そのため、割増分のみの賃金である「0.35倍」の賃金が、休日手当として発生します。

2−2:休日出勤で休日手当を請求できないケース

以下の場合は、休日出勤しても休日手当が発生しません。

  • 管理監督者(法律上の管理職)
  • 法定外休日にしか出勤していない

それぞれ解説します。

2-2-1:管理監督者(法律上の管理職)

労働基準法の「管理監督者」は、残業や休日出勤等の労働基準法上のルールが「適用されない」とされています。

つまり、あなたが「管理監督者」に該当する場合、法定休日に出勤しても休日手当が発生しないのです。

ただし、「管理監督者」とは会社内の肩書で決まるものではありません。

具体的には、以下の3つが「管理監督者」の要素として挙げられます。

管理監督者の要件

そのため、会社での肩書きが「課長」「店長」「所長」などの管理職であるからと言って、必ずしも「管理監督者」に該当するわけではありません。

実際には、上記の3つの要素を満たす管理職の人は少なく、会社が勝手に「管理監督者扱い」をして、不当に休日手当を支払っていないケースが多いです。

このような管理職のことを「名ばかり管理職」と言います。

あなたが「名ばかり管理職」なのに、休日手当がもらえていなければ「違法」ですので、3章でお伝えする対処法を実践してください。

名ばかり管理職について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

名ばかり管理職チェックリスト!問題点と残業代の請求方法を弁護士が解説

2-2-2:法定外休日にしか出勤していない

1章でお伝えしたように、休日出勤には、

  • 法定休日の出勤
  • 法定外休日の出勤

の2種類があり、休日手当が発生するのは「法定休日の出勤」のみです。

そのため、たとえば、

「土日が休みの会社で、土曜日だけ休日出勤した」

というような場合は、休日手当は発生しません。

ただし、この場合、その週に40時間を超えて労働していた場合は、土曜日の出勤分は残業代として、1.25倍の割増賃金が発生します。

たとえば、月曜日〜金曜日まで毎日8時間働いていた場合は、

8時間×5日=40時間

となりますので、土曜日に少しでも出勤すれば、それは残業時間になり、残業代が発生するのです。

3章:雇用形態・働き方ごとの休日手当の扱い

休日手当が支払われるのは正社員だけとは限りません。

会社によっては「休日手当は正規雇用のみ支給している」とするところもあるようですが、非正規雇用や変形労働時間制などでも休日手当は支給されるのでしょうか?

3-1:非正規社員(パート・アルバイト)

パートやアルバイト、派遣社員といった非正規雇用の人にも正規雇用と同様に休日手当を支給するよう労働基準法で規定されています。

1週間につき1日または4日以上の休日を付与しなければなりません。

非正規雇用でも休日手当が支払われていないときは会社に対し手当を請求できます。

3-2:裁量労働制・フレックスタイム制・年俸制

3-2-1:裁量労働制

裁量労働制は、仕事の時間配分などを本人の裁量に任せ、実労働時間に関係なくその時間は働いたものとみなす制度です。

労働基準法で定める実労働時間原則の例外的な働き方といえます。

実際に働いた日時がわかりにくいため、休日手当の支給はないと思われるかもしれませんが、法定休日に働いた場合は休日手当を請求できます。

3-2-2:フレックスタイム制

1か月単位などあらかじめ決められた労働時間の範囲内で自由に働けるフレックスタイム制でも、法定休日に仕事をした場合は休日手当を請求できます。

3-2-3:年俸制

年間の賃金総額や支給方法があらかじめ決まっている年俸制ですが、たいていの場合、就業規則で「各種手当が含まれている」などと定めているところがほとんどです。

しかし、休日手当として支払われている金額を超えて休日出勤している場合は、年俸で決められた額とは別に休日手当を請求するべきでしょう。

それでは、これから計算方法を解説しますので、実際に計算してみましょう。

4章:休日出勤した場合の手当の計算方法

一部のブラック企業は、法定休日に出勤した事実があるのに、休日手当を支払わないことがあります。

そのため、あなたも自分の休日手当が本来いくらになるのか、自分で計算できるようになっておくことをおすすめします。

休日手当は、

  • 基礎時給を計算する
  • 割増率をかける
  • 法定休日に出勤した日数、時間数を把握する

という3つのステップで、簡単に計算できます。

順番に解説しますので、もし手元に給与明細等がある場合は、一緒に計算してみましょう。

4-1:基礎時給を計算する

基礎時給とは、あなたの1時間あたりの賃金のことです。時給制の場合は普段通りの時給であり、月給制の場合は以下の計算式で計算します。

基礎時給の計算式

一月平均所定時間とは、会社によって定められた1ヶ月あたりの平均労働時間のことで、170時間前後であることが一般的です。

例えば、月給20万円、一月平均所定労働時間170時間の人の場合は、

20万円÷170時間=基礎時給1,176円

と計算できます。

4-2:割増率をかける

割増率とは、基礎時給にかけるもので、法定休日の出勤の場合は「1.35倍」です。基礎時給に割増率をかけることで、「休日出勤1時間あたりの時給」を計算できます。

基礎時給が1,176円の場合、

1,176円×1.35倍=約1,587円

になります。

4-3:法定休日に出勤した日数、時間数を把握する

こうして計算した「休日出勤1時間あたりの時給」に、休日出勤の合計時間をかけます。

あなたが、月に3回(1日8時間)法定休日の出勤をしたとしたら、

8時間×3日=24時間

と計算できます。

【具体例】
それでは、具体的に計算してみます。

  • 月給20万円
  • 一月平均所定労働時間170時間
  • 月の法定休日の出勤24時間

以上の場合、

(20万円÷170時間)×1.35倍×24時間=3万8,088円(1ヶ月の休日手当)

と計算できます。

さらに、すでに週40時間を超えて労働している週の法定外休日も出勤した場合、その分は「1.25倍」の割増賃金が発生するため、さらに高額になります。

法定外休日の出勤(週40時間労働を超えている週のもの)が、月に4日(1日8時間労働)あった場合

(20万円÷170時間)×1.25倍×32時間=4万7,040円

合計すると、

3万8,088円+4万7,040円=8万5,128円

と、休日出勤した場合の割増賃金の合計は高額になります。

休日手当が十分に出ていない場合は、これから紹介する方法で、後から請求することもできます。

5章:休日手当が出ていなければ請求しよう

もしあなたに休日手当が出ていない場合、それが何ヶ月、何年も続くと高額な休日手当の未払いで、大損になる可能性があります。

そのため、

  • 自分で会社に直接請求する
  • 残業代請求に強い弁護士に依頼する

という方法で、会社に請求することをおすすめします。

【自分で会社に直接請求する】
自分で直接請求する場合、会社に対して「配達証明付き内容証明郵便」を送る必要があります。

配達証明付き内容証明郵便の書き方や送り方について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

「内容証明」

【残業代請求に強い弁護士に依頼する】
残業代請求に強い弁護士に依頼すると、手間、時間、ストレスの負担なく休日手当を請求することができます。

その場合、休日手当が出ていない証拠があれば、取り返せる可能性が高いです。未払いの休日手当の金額は、具体的には以下のようになることがあります。

【休日手当の具体例】

  • 月給20万円
  • 一月平均所定労働時間170時間
  • 毎月、法定休日に2日出勤、法定外休日に4日出勤している

以上の条件の場合、法定休日の手当と法定外休日の手当(残業代)の1ヶ月の合計は、7万2,441円になります。

休日手当は3年分さかのぼって請求できるため、

7万2,441円×36ヶ月=260万7,876円

と高額になります。

さらに、休日出勤の手当を正しく支払わない会社は、毎日の残業代についてもごまかしている可能性があります。その場合は、さらに高額請求ができます。

弁護士に依頼すれば、あなたの手間や時間、心理的なストレスの負担なく請求することが可能です。

しかも、残業代請求に強い弁護士なら「完全成功報酬制」という、成功した場合のみ報酬をもらう、という仕組みを導入していることも多く、その場合はあなたの費用負担はほとんどありません。

依頼する上でのポイントや詳しい方法について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

【残業代請求】弁護士選びの8つのポイントと解決までの流れや費用を解説

まとめ

いかがでしたか?

最後に、もう一度今回のポイントを振り返りましょう。

【休日出勤の定義】
そもそも、休日とは労働契約において労働義務がないとされている日のこと。

【休日手当が出るケース】

  • 法定休日に出勤した
  • 法定休日に出勤し代休を取得した

【休日手当が出ないケース】

  • 管理監督者(法律上の管理職)
  • 法定外休日にしか出勤していない

【休日手当の計算方法】

  • 基礎時給を計算する
  • 割増率をかける
  • 法定休日に出勤した日数、時間数を把握する

【休日手当の請求方法】

  • 自分で直接会社に請求する
  • 労働問題に強い弁護士に依頼する

せっかく休日に出勤したのに、タダ働きにされることがないように、もし休日手当がもらえていなければすぐに行動をはじめましょう。

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