役職手当があっても残業代は請求できる!計算・請求方法を弁護士が解説
この記事を読んで理解できること
- 役職手当があっても残業代がもらえる?自分がもらえるか判断するための6つのポイント
- 役職手当が払われている社員に残業代払われない仕組み
- 残業代をもらうために今すぐ行動しよう!
「役職手当がついた分、残業代がなくなってしまった。こんなに働いているのに、残業代は本当に出ないものなの?」
役職手当がついたから残業代はもらえなくなる、あなたもそう騙されていませんか?
あなたは経営者から役職手当がつくのはいいことであるかのように言われているかもしれませんが、経営者の本音はこのようなものです。
「役職手当をつけて喜ばせておけば、バカな社員をいくらでも安くこき使えてがっつり儲けられるぜ!」
このように、あなたの会社も役職手当を使ってあなたをこき使おうとしているかもしれません。
しかし、役職手当をつければ残業代を払わずにどれだけ働かせてもいいわけがありません。
ほとんどの場合でこのようなブラック企業の行為は違法なのです。
この記事を読めば、
- 役職手当がついていても残業代がもらえるのはどんな場合なのか
- 管理職でも残業代がもらえるのかどうしたら判断できるのか
について、理解できます。
また、自分の正確な残業代をもらうための方法も分かります。
「昇進おめでとう!」という甘い言葉を使うブラック企業に騙されず、もらえるお金はしっかりもらいましょう。
【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】
■役職手当があっても残業代がもらえるか判断するポイント
- 就業規則がない&どこにあるか分からない
- 「残業代を含む」と記載されている
- 役職手当を超えた残業分の残業代が払われない
- 役職手当が前提とする残業時間が異常に長い
- 基本給が最低賃金を下回っている
- 給与規定が改定されている
■役職手当を利用して残業代をごまかすブラック企業の手口
- 役職手当を残業代のかわりに払っていると主張して、残業代を払ったことにする。
- 管理職にして「管理職だから残業代は出ない」と主張する。
■役職手当を理由に残業代がもらえてない場合の対処法
証拠を集めて弁護士に依頼することで、高額の残業代を取り返せる可能性がある。
目次
1章:役職手当があっても残業代がもらえる?自分がもらえるか判断するための6つのポイント
役職手当がついていることを理由に、あなたの残業代が払われてないとしたら、それは違法である可能性があります。
そこで、まずあなたが知らなければならないのは、
・役職手当が残業代のかわりではない理由
・あなたの残業代が払われるのか判断する方法
です。
それでは詳しく解説します。
1-1:役職手当とは残業代のかわりに払われるものではない!
あなたの残業代がもらえるかどうかを判断する方法を解説する前に、そもそも役職手当とはどんなものなのか、簡単に説明します。
あなたに役職手当がついていたら、あなたには何らかの役職がついていると思います。
「店長」「部長」などの役職を持つ従業員は、職務が一般の従業員と異なります。
そのため、その働きの対価として払われるのが、本来の「役職手当」です。
しかし、実際にはブラック企業では「役職手当を残業代のかわりに払うことで、残業代を抑える」ことを目的として使われることがとても多いです。
本当は残業代ではないにもかかわらず、「役職手当が残業代のかわり」と言って払われていたら、違法です。
そこで、あなたの残業代の払われ方が適切なのかどうか判断する必要があるのです。
1-2:残業代がもらえるか判断できる6つのチェックポイント
会社から、「役職手当は残業代の代わりに」と言われていたとしても、あきらめる必要はありません。
これから紹介する6つのポイントのどれか1つでも当てはまれば、あなたの役職手当が固定残業代として違法である可能性があります。
つまり、あなたは残業代がもらえる可能性があるのです!
- 就業規則がない&どこにあるか分からない
- 「残業代を含む」と記載されている
- 役職手当を超えた残業分の残業代が払われない
- 役職手当が前提とする残業時間が異常に長い
- 基本給が最低賃金を下回っている
- 給与規定が改定されている
それでは、これから詳しく解説していきます。
①就業規則がない&どこにあるか分からない
役職手当を残業の対価として払うことが認められるためには、役職手当について記載されている就業規則に固定残業代制のことが記載され、かつ周知されている必要があります。
そのため、就業規則に記載されてなかったり、そもそも就業規則がどこにあるのか知らされてなかった場合は、会社が「役職手当が残業代の代わりである」を主張しても違法とみなされる可能性が高いです。
②「残業代を含む」と記載されている
就業規則に、役職手当を残業代のかわりに払うと書かれていても、法的に残業代とは認められないことが多いです。
例えば、就業規則に以下のように記載されていた場合です。
「役職手当5万円(残業代を含む)」
この場合、5万円のなかに、通常の賃金と残業代が含まれているということになりますが、いくらが残業代なのかはわかりません。
このような場合、判例上、役職手当は残業代ではなくなり、5万円全額が基本給となります。
③役職手当を超えた残業分の残業代が払われない
たとえば役職手当が月30時間分の残業代のかわりに払われていると定められていて、30時間を超えて残業した分の残業代が払われてない場合、違法と判断される可能性が高いです。
④役職手当が前提とする残業時間が異常に長い
月80時間を超えるような残業に対して役職手当などのみなし残業代が払われている場合は、違法になる可能性があります。月80時間を超える残業は、過労死を誘発おそれがあり、このような危険な残業をあらかじめ予定することは認められないからです。
⑤基本給が最低賃金を下回っている
あなたの月給のうち役職手当を引いた部分が非常に少なく、時給換算すると最低賃金を下回っている場合です。
役職手当を除いた部分を170時間(1ヶ月の所定労働時間)で割ってみて、あなたの職場の都道府県の最低時給を下回っていたら、違法であるとみなされる可能性があります。
⑥給与規定が改定されている
たとえば、あなたの基本給の一部が役職手当などのみなし残業代として、就業規則の中で置き換えられていることがあります。こうした場合は違法になる可能性が高いです。
もし、あなたもどれか1つでも当てはまるようであれば、専門家に相談してみることをおすすめします。
固定残業代・みなし残業についての詳しいことは「みなし残業(固定残業)を利用したブラック企業の違法な手口と残業代請求」の記事をご覧ください。
2章:役職手当が払われている社員に残業代払われない仕組み
会社から「役職手当は残業代の代わりだ」と言われ、あなたの残業代が払われてないのが違法なのかどうか、判断するポイントが理解できたでしょうか。
「やっぱり自分が残業代をもらえてないのは、違法みたいだ・・・」
少しでもそう思ったあなたは、これから解説するブラック企業の手口についてしっかり読んでみてください。
あなたの会社も、これから紹介するような手口で残業代をごまかしているのかもしれません。
手口の仕組みを知ることで、自分の場合はどんな手口が使われているのか理解でき、自分が残業代をもらうことができるどうか、より確実に判断できます!
それでは詳しく解説します。
2-1:みなし残業を悪用してしてごまかす手口
役職手当のように、ある一定の額の手当を残業代の代わりに支払う残業代の払い方を「みなし残業制」や「固定残業代制」と言います。
役職手当以外にも「営業手当」や「残業手当」「業務手当」などがあり、まとめて「みなし残業代(固定残業代)」と言われます。
※以下、単にみなし残業代と呼ぶことにします。
あなたはこれらのみなし残業代について、残業代の代わりに払っていると言われていませんか?
ブラック企業は、役職手当をみなし残業代として支払うことで「残業代は払っている」と言い張り、安いお金であなたを働かせようとしています。
これがみなし残業代を使って残業代を払ったことにする手口です。
会社がこの手口を利用する理由は二つあります。
2-1-1:残業代が払ったことにされる
1つは、会社から「役職手当に残業代が含まれているんだ!」と言われ、本当は払われてない残業代が既に払われたことになってしまうことです。
たとえば、実際の残業は7万円分しているのに、役職手当が3万円しか支払われてない場合、差額の4万円も本当は残業代として支払わなければなりません。
しかし役職手当という名目で、既に払ったことにされ、その分残業代が減らされてしまうという手口が使われます。
また、そもそも3万円分についても、後で記載するように、残業代ではない可能性があります。
結局、この役職手当は、7万円分の残業代を会社は支払う義務があるにもかかわらず、「役職手当は残業代の代わりだ」と主張して、残業代の支払いをまぬかれようとする手口なのです。
2-1-2:基礎時給が下がる
会社が役職手当を残業代の代わりにする手口を使うもう1つの理由は役職手当を残業手当扱いにされることで「基礎時給」が減る点です。
まず、残業代がどのように計算されるのかを説明します。残業代は以下の計算式で計算されます。
- 基礎時給=月給÷170時間
- 残業代の時給=基礎時給×割増率
- 残業代=残業代の時給×残業時間
「170時間」とは
計算式の中で、月の労働時間を170時間として計算していました。この170時間とは「契約で決められた平均労働時間」のことです。
「契約で決められた平均労働時間」というのは、人にもよりますが、160〜174時間であることが多いようです。今回は計算しやすいように170時間としています。
ここの計算で大事なのは「月給」です。
本来は、基礎時給の計算をするときに月給には基本給だけでなく、「役職手当」「営業手当」「職務手当」などの多くのみなし残業代(固定残業代)を含めることができます。
そのため、役職手当がついている人は、その金額も含めて「月給」として基礎時給の計算ができるのです。
分かりやすく言うと、月給に含まれる手当の金額が大きいほど基礎時給が高くなるため、残業代の時給も多くなるということです。
しかし、役職手当を残業代の代わりに支払うこととした場合、役職手当は基本給ではなくなってしまいます。
よって、役職手当を残業代とした場合、基礎時給が減ってしまうことになります。
就業規則・賃金規定を見てみてください。
そこに「時間外労働(残業)の対価として役職手当を支払う」と書いてあれば、役職手当が残業手当と同じ扱いにされていることになります。
残業手当は基礎時給の計算をするときに「月給」に含めて計算することができません。
たとえば、あなたの基本給が20万円で役職手当が5万円支払われていたとします。
本来ならば役職手当を含めた25万円を月給として、基礎時給の計算をしなければなりません。
本来の基礎時給は、
25万円÷170時間=約1,471円
になります。
しかし役職手当を残業手当扱いにすると、月給を20万円として基礎時給が計算されることになります。すると、基礎時給は、
20万円÷170時間=約1,176円
と300円近くも下がってしまうのです。
月に50時間残業をしていれば、これだけでも1万5,000円も残業代が減らされていることになります。
つまり役職手当をつけることで残業代を抑える手口に、以下の2つがあるのです。
- 役職手当という形で残業代は払っていることにして残業代が減らされること。
- 役職手当を残業手当扱いにして、基礎時給を引き下げて残業代を少なくすること。
本当はもっともらえるはずなのに、役職手当の名目で残業代が減らされているとしたら腹が立ちませんか?
ここまで紹介したのは、役職手当を残業代のかわりにすることで残業代をごまかす手口でしたが、従業員を「管理監督者」とみなすことで「残業代を払う必要がない!」と会社が主張する手口もあります。
【コラム】割増率とは
割増率とは、残業代を計算するときにかけなければならないものです。割増率には、下記の4つの種類があります。
- 通常の残業時間:1.25倍
- 法定休日(週1日は必ず休まなければならない日):1.35倍
- 通常の深夜残業(22:00〜翌朝5:00):1.5倍
- 法定休日の深夜残業1.6倍
2-2:役職手当が支払われる管理職を、名ばかり管理職にする仕組み
2-2-1:あなたが名ばかり管理職なら残業代が払われるべき!
法律上、「管理監督者」にあたる人は、残業代を払わなくていいということになっています。
そのため、ブラック企業は、ほとんど一般社員と変わらない従業員に「店長」や、「課長」「部長」という役職をつけます。
そして建前では「昇進おめでとう」と言いながら、本音では「残業代ゼロで安くこきつかってやろう」と考えているのです。
多くの人が勘違いしていますが、実は「店長」「課長」「部長」という役職がついているだけでは、法律上の「管理監督者」にはなりません。
つまり、役職をつけたから残業代を払わないというのはほとんどの場合で違法なのです。
そのため、もしあなたが「管理監督者」と会社からみなされて残業代が払われてないのだとしたら、未払いの残業代を払ってもらえる可能性が非常に高いです。
2-2-2:役職手当が支払われていても、名ばかり管理職にすぎない可能性が高い人
「私も名ばかり管理職かもしれない」
そんなことを考え始めたあなたは、これから説明することを読んでください。
これから説明することに当てはまるなら、あなたは名ばかり管理職である可能性が高いです。
法律上の「管理監督者」として扱われる人は、以下の条件に当てはまるとても狭い範囲の人だからです。
- 残業代を出す必要がないほどの高い待遇を受けている人
- 経営者に近い権限、責任や自由な労働時間を持っている人
それでは、詳しく解説していきます。
- 残業代が出ないことに見合うほどの突出して高い待遇がない
管理監督者とみなされるには、その地位にふさわしい待遇を受けていることが1つの条件になります。
たとえば、「他の社員に比べて非常に高い賃金をもらっている」というのが一つの目安です。
しかし、数万円の役職手当がつくくらいでは、管理監督者の地位にふさわしい賃金とは言えません。
一般社員にはとてもないような高い待遇がないのであれば、残業代が出ないのは違法です。
そんなに高い待遇は受けてないというあなたは、残業代をもらう権利を持っている可能性が高いです。
- 経営者に近い権限がない
以下のような権限がないのであれば、あなたは役職手当をもらっていたとしても、名ばかり管理職にすぎず、残業代が払われます。
- 商品・サービスの質・価格を決定できる
- 従業員の採用や解雇、給料の決定。
- 経営方針の意思決定に携われる。
つまり、社内の重要なことがらを自分で決められるような、社内でも例外的に強い権限がなければ、あなたは名ばかり管理職であるということです。
- 勤務時間が定められており自由ではない
管理監督者は、立場上時間を選ばずに対応することが求められているため、働く時間が自由である必要が認められています。
経営者に近い強い責任を持っているため、会社のためには時間や土日に関係なく出勤して働かなければならないからです。
自分の働く時間は決められている、そもそも自分がいなければ会社がまわらないような立場じゃない、そんな人は名ばかり管理職です。
逆に言えば、自分の働く時間が会社には決められており、自由に出退勤できない人は名ばかり管理職にすぎず、残業代が支払われるべきです。
ここまで読んで分かるように、ほとんどの「店長」「部長」「取締役」などの人は、法律上の管理監督者ではない名ばかり管理職なのです。
ここまでで「自分は名ばかり管理職かも・・・」「役職手当の分の残業代は減らされているのかも」と思ったあなたのために、これから残業代をもらうための具体的な方法をお伝えします。
3章:残業代をもらうために今すぐ行動しよう!
残業代を払ってもらうためにあなたがやらなければならないのことは、以下のことです。
①自分の残業代がどれくらいになるのか把握する
↓
②有効な証拠を集める
↓
③弁護士に相談する
それでは、まずは計算方法から解説しましょう
3-1:月収23万でもらえる残業代は200万円増える?
役職手当が残業代とみなされた場合、あなたはどれくらいもらえるのでしょうか?実際に計算してみましょう。
まず、残業代が役職手当として払われている場合です。
基本給が20万円、役職手当が3万円で、残業代のかわりとして役職手当が払われている場合を考えて見ましょう。
役職手当が残業手当にされているとすれば、役職手当が月給に含まれず、基礎時給の計算に含められる月給は20万円。基礎時給は、
20万円÷170時間=約1,176円
になります。
毎月平均して50時間残業しているとすると、残業代は、
基礎時給1,176円×割増率1.25倍×50時間=7万3,500円
になります。
残業代のかわりとして役職手当3万円が払われているため、その月においては、差額の4万3,500円は未払いということになります。
未払いの残業代は3年間さかのぼってもらえる権利がありますので、3年間の合計では104万4,000円もの金額をもらえる可能性があります。
さらに、役職手当を残業手当として払うことは違法とみなされる可能性が高いです。
役職手当が違法であるとされれば、役職手当も含めた月給で基礎時給の計算ができますので、基本給が23万円となります(20万円+3万円(役職手当分))。
その場合、
23万円÷170時間=約1,353円
が基礎時給になります。
すると、毎月50時間残業しているため、
基礎時給1353円×割増率1.25倍×50時間=約8万4,563円
が1ヶ月あたりの残業代になります。
しかも、先ほどの場合と異なり、役職手当は残業代ではないので、この額から役職手当分(3万円)が引かれることもありません。
その月において、8万4563円全額が、未払の残業代ということになります。
2年分請求するとすれば、合計するとなんと、202万9,500円(8万4563円×24カ月)もの残業代をもらえる可能性があるのです!
※残業代は最大3年分さかのぼって請求できます。
3-2:証拠を集めて弁護士に相談しよう
役職手当がつけられていても残業代をもらうできることが分かったと思います。
そして、実際に残業代をもらうためには会社と交渉しなければなりません。
そのためにやるべきことは、まずどれだけ残業をしているのか証拠を集めることです。
残業代の証拠として有効なのは、以下のようなものです。
- タイムカード
- 会社への入退館記録
- パソコンのログイン・ログアウトの記録
- メールの送受信時刻
- 業務日報・運転日報
あとから会社に消されてしまう可能性があれば、自分でコピーや写真をとっておくとより確実ですね。
しかし、中には勤怠管理をしてないブラック企業もあります。そんな職場でも諦める必要はありません。
以下のようなものも、残業代を払ってもらう上で有効な証拠になるのです。
- タコグラフ(タコメーター)
タクシードライバーや運送業の人の場合、タコグラフに運行記録が残っています。これも残業の有効な証拠になります。 - 給与明細書
給与計算書に総労働時間が記録されていて、そこから残業時間が分かることがありますので、これも証拠として残しておきましょう。 - シフト表
シフト表に残業していた時間も入っていた場合、残業代をもらう上での証拠になります。 - 手帳などへの手書きの記録
①~③が存在しなくても、自分で出勤・退勤の時刻を記録したものも証拠になります。ただし、正確にできるだけ毎日のこしておくことが重要です。
会社が、勤怠管理をしていない場合、自分で毎日出退勤のメモを取り続けたものは、裁判官は証拠として採用してくれる可能性があります。 - 労働時間管理のアプリ
最近は働いた時間を記録するためのアプリもあります。アプリへの記録も正確に毎日記録するようにしてください。
詳しい証拠の集め方については【保存版】知らないと損する?残業代請求する為に揃えておくべき証拠の記事を参照してみてください。
さて、以上のような証拠を集めたら、残業代をもらうために会社と交渉をする必要があります。
しかし、会社側にも専門家がついているため、個人的に交渉しても丸め込まれてしまう可能性があります。
そのため、残業代請求に強い弁護士に頼むことをおすすめします。
残業代を請求できるのは「3年間」と決められています。
3年を過ぎると、それ以上前の残業代についてはもらうことができなくなりますので、まずは証拠を集めてすぐにプロに相談しましょう。
まとめ :役職手当と残業代について
役職手当がついていても残業代がもらえることがよく分かったでしょうか。
最後に大事なポイントをまとめます。
まず、ブラック企業が役職手当を支払っている人に対して、残業代を払わない手口はこの3つです。
-
役職手当を残業代のかわりに払っていると主張して、残業代を払ったことにする。
-
管理職にして「管理職だから残業代は出ない」と主張する。
しかし、これらは違法の可能性が十分にあるため弁護士に頼むことで、3年分をさかのぼって、未払いの残業代を取り戻せるのです。
未払いになっている残業代は、以下の計算式で計算できます。
- 残業代=基礎時給×割増率×残業時間
- 基礎時給=月給÷170時間(1ヶ月の所定労働時間)
そして、残業代を取り戻すために集めるべき証拠には、以下のものがあります。
- 会社への入退館記録
- パソコンのログイン・ログアウトの記録
- メールの送受信時刻
- 業務日報・運転日報
- タコグラフ(タコメーター)
- 給与明細書
- シフト表
- 手帳などへの手書きの記録
- 労働時間管理のアプリ
- タイムカード
ブラック企業の手口に騙されず、せっかく働いた分のお金は確実にもらいましょう!