- 更新日:2024.09.27
- #手首骨折後遺症
【手首の骨折の後遺症】4つの障害と慰謝料相場を弁護士が徹底解説
この記事を読んで理解できること
- 手首の骨折で後遺症があるとどうなる?
- 【手首後遺症その①】手首の機能障害
- 【手首後遺症その②】手首の動揺障害
- 【手首後遺症その③】手首の変形障害
- 【手首後遺症その④】手首の欠損
- 手首を骨折して後遺障害が残った場合にやるべきこととポイント
- 手首の骨折で後遺症が残る場合は弁護士に相談しよう
あなたは、
「手首を骨折してしまった、、どんな後遺症になるんだろう?」
「後遺症になったら何をしたら良いの?」
「後遺症が残ったら慰謝料や治療費はどのくらいもらえるの?」
などの悩み、疑問をお持ちではありませんか?
手首は日常的に多用する非常な重要な部位ですので、後遺症が残ると今後の生活や収入が不安になりますよね。
結論から言えば、手首の骨折で後遺症(後遺障害)が残った場合の慰謝料は、以下の通りです。
後に詳しく説明しますが、慰謝料の金額は弁護士に依頼することで高額になります。
また、後遺症(後遺障害)が残った場合、以下のことを行う必要があります。
そこでこの記事では、まずは手首に後遺症(後遺障害)が残った場合の基礎知識を解説し、それから後遺症(後遺障害)の症状別の後遺障害等級、慰謝料相場について説明します。
さらに、後遺症(後遺障害)が残った場合にやるべきことの流れとポイントについて紹介し、弁護士に相談するメリットも説明します。
知りたいところから読んで、これからの行動に活用してください。
目次
1章:手首の骨折で後遺症があるとどうなる?
それではまずは、手首を骨折して後遺症(後遺障害)が残った場合の基礎知識から解説していきます。
しかしその前に知っておいていただきたいのが、後遺症と後遺障害の違いです。
「後遺症も後遺障害も同じ意味では?」と思われているかもしれませんが、それぞれ以下のように意味が異なります。
- 後遺症:怪我によって残った障害の総称
- 後遺障害:「後遺障害等級」に認定された後遺症のこと
※後遺障害等級とは、後遺障害の重さに応じて1級~14級までのいずれかに認定される等級のことです。
ここまで後遺症と後遺障害を特に区別せずに使ってきましたが、これからは区別して使います。
それでは、解説していきます。
1-1:後遺障害認定を受けると示談金がもらえる
そもそも、交通事故の被害にあった場合、状況に応じて以下の示談金をもらうことができます。
手首の骨折で後遺症が残った場合、後遺障害等級(※)を申請し、認定してもらうことで、
- 後遺障害慰謝料
- 逸失利益
という示談金をもらうこともできます。
これは、後遺障害が認められなければもらえない示談金です。
※後遺障害等級とは、後遺障害の度合いに応じて認定される1級~14級の等級のことです。
後遺障害慰謝料、逸失利益は高額になるため、後遺症が残った場合、後遺障害等級を申請し認定してもらうことがとても大事なのです。
※示談金の詳しい項目や相場について、詳しくは以下の記事で解説しています。
【弁護士が解説】交通事故の示談金を最大限UPさせるためのポイント
1-2:後遺障害に認定される手首の後遺症は4つ
後遺障害に認定される手首の症状は、以下の4つとされています。
- 機能障害(8級~12級):関節が動かない、麻痺した、可動域が狭くなったというもの
- 動揺障害(10~12級):関節が異常に広くうごいてしまったり、安定せず脱臼が習慣化したもの
- 変形障害(7級~12級):骨が正常につながらず固定器具が必要になったり、骨が変形してしまったもの
- 欠損(5級4号):手首の関節以上の部位を、交通事故によって失ったもの
骨折とは異なる後遺障害も含めていますが、骨折と合わせてその他の腕・手首の障害が発生することもありますので、合わせて2章で解説します。
1-3:後遺等級認定までの流れ
後遺障害等級の必要性については理解できたかと思います。
実際に後遺障害等級を得るためには、以下の流れで手続きを進めることになります。
詳しい流れは3章で解説します。
2章:【手首後遺症その①】手首の機能障害
次に、手首が強直して動かない、可動域が狭くなったなどの機能障害の後遺障害が残った場合の、後遺障害等級や慰謝料相場を紹介します。
2-1:手首の機能障害の後遺障害等級と認定される症状
自賠責保険(※)の基準では、手首の機能障害について以下のように基準を決めています。
※自賠責保険とは、交通事故の被害に対して最低限の補償を行う保険のことです。
後遺障害等級 |
後遺障害の内容 |
8級 |
手首関節のすべてが強直(動かなくなること)し、手指が全く使えない。もしくは手首の全神経が麻痺。 |
10級 |
手首の可動域が2分の1以下になった。 |
12級 |
手首の可動域が4分の3以下になった。 |
機能障害とは、簡単に言えば、
- 関節が固まってまったく動かなくなる
- 関節の曲げ伸ばしや、回内・回外動作(回す動作)が制限される
といった後遺障害のことです。
手首の機能障害の場合は、治療や機能回復のために必要な時間が経過してから、後遺障害等級が審査される流れになります。
■手首の後遺障害で多い「TFCC損傷」
交通事故の手首の後遺障害で多いのが、TFCC(三角線維軟骨複合体)と呼ばれる部位の損傷です。
小指側の手首関節にある小さな部位なのですが、ここが損傷すると手首を回す動作に影響が出ます。
治療で完治しなければ、これも機能障害として後遺障害認定されます。
※後遺障害等級について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【部位別・後遺障害等級表】交通事故で損しないための方法を弁護士が解説
手首の骨折によって、関節の動きが制限される可能性がある場合、この後遺障害に該当する可能性があります。
2-2:手首の機能障害の慰謝料相場
手首の機能障害の後遺障害等級は、8級、10級、12級が認定される可能性がありますので、後遺障害慰謝料の相場は以下の通りです。
他にも入通院慰謝料や逸失利益といった示談金をもらうこともできますので、より詳しく示談金の相場が知りたい場合は以下の記事をご覧ください。
【交通事故の示談金相場】1円でも多く請求する方法を弁護士が解説
3章:【手首後遺症その②】手首の動揺障害
次に、手首の関節が習慣的に脱臼する、異常に広く動くようになった、といった動揺障害の後遺障害が残った場合の、後遺障害等級や慰謝料相場を紹介します。
3-1:手首の動揺障害の後遺障害等級と認定される症状
自賠責保険(※)の基準では、手首の動揺障害について以下のように基準を決めています。
後遺障害等級 |
後遺障害の内容 |
10級 |
常に補正器具が必要なもの。 |
12級 |
時々補正器具が必要なもの。もしくは習慣的な脱臼。 |
動揺障害とは、交通事故の怪我によって関節に異常が発生し、
- 正常よりも大きく関節が動いてしまう
- 異常な方向に関節が動いてしまう
などの症状が出るものです。
仕事や日常生活に影響を与えるため、後遺障害等級が認定されます。
関節を支える骨や神経、靱帯に大きな損傷が出ている場合は、動揺障害になることがあるのです。
3-2:手首の動揺障害の慰謝料相場
手首の機能障害の後遺障害等級は、10級、12級が認定される可能性がありますので、後遺障害慰謝料の相場は以下の通りです。
他にも入通院慰謝料や逸失利益といった示談金をもらうこともできますので、より詳しく示談金の相場が知りたい場合は以下の記事をご覧ください。
【交通事故の示談金相場】1円でも多く請求する方法を弁護士が解説
4章:【手首後遺症その③】手首の変形障害
次に、手首を含む前腕部に偽関節(※)が残ったり、骨が変形や欠損、異常な繋がり方(ゆ合不全)をしてしまった場合などの「変形障害」の後遺障害等級や慰謝料相場を紹介します。
※偽関節とは、骨折した後の骨が繋がらないまま骨の再生が止まった症状です。
4-1:手首の変形障害の後遺障害等級と認定される症状
自賠責保険の基準では、手首・前腕の変形障害について以下のように基準を決めています。
後遺障害等級 |
後遺障害の内容 |
7級9号 |
前腕の両方の骨(尺骨、橈骨)が正常に繋がらないまま再生が止まった場合で、「硬性補装具(※)」を常に必要とする。 |
8級8号 |
前腕の両方の骨(尺骨、橈骨)正常に繋がらないまま再生が止まった場合で、「硬性補装具(※)」を常に必要としないもの。 もしくは、前腕のどちらか片方の骨が正常に繋がらないまま再生が止まった場合で、時々「硬性補装具」を必要とする。 |
12級8号 |
前腕の両方の骨(尺骨、橈骨)に変形を残すもの、など。 |
※硬性補装具とは、後遺障害が残った部分を固定する器具のことです。
- 骨折した後に骨が十分に再生せず、正常に繋がらなかったり、「偽関節」が残った
- 骨が変形したまま固まった
という場合のことを指します。
正常に骨が繋がらなければ、外見も変形していることが明らかですし、正常な動作ができなくなってしまいます。
そのため、後遺障害等級の認定対象になるのです。
ひどい骨折の仕方をして、骨が正常に再生していない場合は変形障害になることが多くあります。
4-2:手首の変形障害の慰謝料相場
手首の変形障害の後遺障害等級は、7級9号、8級8号級、12級8号が認定される可能性がありますので、後遺障害慰謝料の相場は以下の通りです。
他にも入通院慰謝料や逸失利益といった示談金をもらうこともできますので、より詳しく示談金の相場が知りたい場合は以下の記事をご覧ください。
【交通事故の示談金相場】1円でも多く請求する方法を弁護士が解説
5章:【手首後遺症その④】手首の欠損
まずは、手首の「欠損」の後遺障害について、
- 認定される等級と状態
- 慰謝料相場
をてそれぞれ解説します。
5-1:手首の欠損の後遺障害等級と認定される症状
自賠責保険(※)の基準では、手首の欠損障害について以下のように基準を決めています。
後遺障害等級 |
後遺障害の内容 |
2級3号 |
両方の手首の欠損 |
5級4号 |
片方の手首の欠損 |
ここでの欠損とは、腕を手首関節よりも先で失ってしまった場合のことを意味しています。
具体的には、治療不能の怪我で肘関節と手首の関節の間で切断した場合などです。
つまり、完全に手首から先を失ってしまった場合の後遺障害のことです。
5-2:手首の欠損の慰謝料相場
手首の欠損の後遺障害の場合、2級3号、5級4号の後遺障害等級が認定されますので、後遺障害慰謝料の相場は以下の通りです。
後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ってしまったことに対する精神的損害への補償です。
示談金の中でも高額になる項目ですので、必ず後遺障害等級を申請して、認定してもらうことが大事です。
詳しい方法は7章で解説します。
他にも入通院慰謝料や逸失利益といった示談金をもらうこともできますので、より詳しく示談金の相場が知りたい場合は以下の記事をご覧ください。
【交通事故の示談金相場】1円でも多く請求する方法を弁護士が解説
6章:手首を骨折して後遺障害が残った場合にやるべきこととポイント
手首の骨折で後遺障害が残った場合、以下のポイントを押さえて行動することが大事です。
特に重要なのが、保険会社の言うままに行動しないということです。
保険会社は、
「そろそろ治療費を打ち切ります」
「そろそろ症状固定にしましょう」
などと一方的に言ってくることがあります。
しかし、保険会社の言うままに行動すると、あなたに本来もらえるはずの金額より、ずっと少ない示談金しかもらえなくなる可能性があります。
そのため、保険会社の言うままに行動せず、連絡が来たら弁護士に相談することをおすすめします。
後遺障害が残ってしまった場合のやるべきことについて、以下の記事で流れとポイントを詳しく説明しています。
7章:手首の骨折で後遺症が残る場合は弁護士に相談しよう
交通事故の被害にあった場合、できるだけ早い段階で弁護士に依頼することをおすすめします。
7-1:弁護士に依頼すべき理由
弁護士に依頼すべきなのは、
-
弁護士の指示のもと、適切な内容の後遺障害診断書を作成してもらえる
-
面倒な手続きを任せられ、手間、時間、ストレスが最小限になる
-
慰謝料の金額が「裁判基準」で計算され、慰謝料が高額になる
といったメリットがあるからです。
特に重要なのが、慰謝料の計算基準が「裁判基準」になるという点です。
慰謝料の計算基準には、3つのものがあるのですが、弁護士に依頼した場合に適用される「裁判基準」が最も高額になります。
しかし、あなたが自分で請求しても、「裁判基準」が適用されることはほぼあり得ません。
そのため、より高額の慰謝料を請求したい場合は、弁護士への依頼が重要なのです。
慰謝料の基準や相場について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【症状別一覧つき】交通事故の慰謝料相場と金額アップのポイント
さらに、交通事故に強い弁護士の選び方については、こちらの記事を参考にしてみてください。
【保存版】交通事故に強い弁護士の選び方と0円で依頼する方法を解説
7-2:弁護士費用の負担は0円になる場合もある
弁護士に依頼するといっても「弁護士費用の負担が大きいなら依頼できない」とお考えかもしれません。
しかし、実は「弁護士費用特約」が利用できれば、あなたの弁護士費用は保険会社が負担してくれるため、あなたの負担は原則0円で依頼可能です。
詳しくは以下の記事で説明しています。
【事例別】交通事故の弁護士費用を最大限安くおさえる方法を徹底解説
まとめ
いかがでしたか?
最後に今回の内容をまとめます。
【手首の後遺障害】
- 欠損(5級4号):手首の関節以上の部位を、交通事故によって失ったもの
- 機能障害(8級~12級):関節が動かない、麻痺した、可動域が狭くなったというもの
- 動揺障害(10~12級):関節が異常に広くうごいてしまったり、安定せず脱臼が習慣化したもの
- 変形障害(7級~12級):骨が正常につながらず固定器具が必要になったり、骨が変形してしまったもの
この記事の内容を参考に、順番に行動を開始してみてくださいね。
【弁護士が解説】交通事故の示談金を最大限UPさせるためのポイント
【部位別・後遺障害等級表】交通事故で損しないための方法を弁護士が解説
【交通事故の示談金相場】1円でも多く請求する方法を弁護士が解説
【症状別一覧つき】交通事故の慰謝料相場と金額アップのポイント