【完全マニュアル】離職票が届かないときの3つの対処法を弁護士が解説

監修者

弁護士法人QUEST法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

【完全マニュアル】離職票が届かないときの3つの対処法を弁護士が解説
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 離職票は14日で届く
  • 離職票が届かない場合の3つの対処法
  • 離職票を交付しないことは違法

あなたは、退職したのに、

・離職票が届かない!なぜ?
・離職票が届かないとどうなるの?
・離職票が届かないなら、どうやって手続きすれば良いの?

などと悩んでいませんか?

離職票は、たいてい10日から2週間以内には届くものです。

そのため、退職から2週間以上経っているのにまだ届かないという場合は、これから紹介する行動方法を読み、すぐに実践する必要があります。

ただし、一つ注意点があります。

それは、離職票が必要になるのは「失業保険を受給する場合」のみであるということです。

そのため、すぐに転職する場合や独立・起業する場合には離職票をもらう必要もありません。

「いやいや、失業保険を受給したいのにもらえていないんです」

という場合は、これから離職票が届かない原因と、届かない場合の対処法について詳しく解説しますので、読みながら行動をはじめてください。

今すぐ行動方法が知りたい場合は、2章からお読みください。

未払い残業代を取り返したいというあなたへ、まずはお気軽にご相談ください
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1章:離職票は14日で届く

離職票とは、再就職するまでに無収入の期間ができてしまう場合に、失業保険を受給するために必要な書類です。

そこでまずは、

  • 離職票が届くまでの流れ
  • 14日経っても離職票が届かない場合の原因

について解説します。

※失業保険の受給条件や受給の流れについて知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

失業保険とは?受給までの手続きと失業保険額・受給期間を弁護士が解説

1-1:離職票が届くまでの流れ

離職票は、以下の流れであなたの手元まで届きます。

【離職票が届く流れ】
会社がハローワークに資料を提出
ハローワークが会社に離職票を交付
会社があなたに離職票を送付

上記のように、会社とハローワークとの間でのやり取りが発生するため、退職後数日で届くということはありませんし、間に土日祝日を挟むとその分届くまでの日数は伸びます。

そのため、あなたの手元に離職票が届くまでに10日間〜2週間程度かかるのが一般的なのです。

ただし、離職票が届かないからと退職から何ヶ月も何もしないでいると、失業保険を受給できなくなるため注意してください。

なぜなら、失業保険は、

  • 給付日数が150日の人・・・退職から3ヶ月以内の手続きが必要
  • 給付日数が90日の人・・・退職から5ヶ月以内の手続きが必要

と決められているからです。

1-2:14日経っても離職票が届かない場合の原因

2週間経っても離職票が届かないという場合、以下の理由が考えられます。

【離職票が届かない理由】
① 会社で手続きしていない
② 会社が忙しいorミスしている
③ 会社から嫌がらせを受けている
④ ハローワークで手続きが止まっている

順番に解説します。

① 会社で手続きをしていない
一般的に、退職時には離職票が必要かどうかを聞かれます。

そのため、その時に「離職票がいる」と言っていなければ、もらえない可能性があります。

会社によっては、自分から「離職票がいる」と言わなければ、手続きをしてくれないこともあり得ます。

② 会社が忙しいorミスしている
小さな会社で、人事の担当者が少なかったり、手続きを経営者本人が行っている場合、会社が忙しくて手続きをしていなかったり、手続き上のミスをしている場合もあります。

③ 会社から嫌がらせを受けている
可能性としては少ないですが、小さな会社やブラック企業の場合は、退職した人への嫌がらせとして離職票を交付していない、ということもあります。

ただし、このような行為は「雇用保険法」違反の違法行為です。

理由なく離職票の交付を拒んだ場合は、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金の罰則の対象になる。
(雇用保険法第83条4項)

そのため、しかるべき対処法を取ることで、会社に離職票を交付させることができます。

④ ハローワークで手続きが止まっている
退職した時期が3月や9月頃である場合、退職する人が多いためハローワークが繁忙期に入ります。

そのため、会社側が手続きを行っていても、ハローワークからの離職票の交付が遅れていることもあります。

2章:離職票が届かない場合の3つの対処法

退職から14日以上経つのに離職票が届かないという場合、

  • 会社、ハローワークに問い合わせる
  • 離職票なしで失業保険の仮手続きを進める
  • 弁護士に相談する

という方法で対処できます。

順番に解説します。

2-1:会社、ハローワークに問い合わせる

離職票が届かない場合まず行うべきなのが、会社への確認です。

まずは、会社に対して離職票が必要であることや、離職票が届いていない旨を伝え、

「離職票交付の手続きは開始されているのか
「離職票交付の手続きはどこまで進められているのか」

を確認しましょう。

離職票は退職の翌日から10日以内にハローワークに提出しなければならず、提出していなければ、会社は「雇用保険法」に違反していることになります。

そのため、会社の手続きの進捗を確認、催促することについて、会社に遠慮する必要はありません。

会社に問い合わせることで、手続きが先に進んだり、現状どこで手続きがストップしているのか、いつまでに送付できるのか、といったことが確認できるはずです。

離職票について会社側の手続きが終わっているという場合、ハローワーク側で手続きが止まっていることになります。

その場合は、会社を管轄しているハローワークに問い合わせてみましょう。

ハローワークが繁忙期で、離職票の交付が遅れている可能性があります。

※ハローワークに問い合わせるため、会社に問い合わせる時に管轄のハローワークがどこなのか聞いておきましょう。

また、会社に問い合わせ、催促しても離職票を送ってくれないというケースもあります。

この場合は、ハローワークに「会社が離職票交付手続きを行ってくれない」ことを相談しましょう。

相談すれば、ハローワークが離職票の交付手続きを行うことを、会社に対して催促してくれるはずです。

2-2:離職票なしで失業保険の仮手続きを進める

離職票が届かないからといって、いつまでも待つわけにもいきません。

待った時間だけ、失業保険の受給が遅れてしまい、無収入の期間は金銭的に苦しくなってしまうからです。

そのため、失業保険は離職票がなくても手続きができるようになっています。

これを「仮手続き」と言います。

① 退職後12日で仮手続きが可能
退職日から12日が経過しても離職票が届かない場合、ハローワークで失業保険受給の仮手続きを行うことが可能です。

仮手続きを行うことで、離職票が届かなくても、早めに申請、受給することが可能になります。

失業保険は申請から7日の待機期間の後に受給が可能になります(会社都合退職の場合)ので、仮手続きを行えば最短で、退職日から19日後には失業保険を受給できます。

※自己都合退職の場合は、失業保険の手続き後3ヶ月の待機期間がありますが、退職理由によっては、自己都合退職を会社都合退職に変更できることがあります。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

失業保険とは?受給までの手続きと失業保険額・受給期間を弁護士が解説

② 仮手続きの方法
仮手続きは、ハローワークで求職登録をした上で「離職日が分かる書類(退職証明書や社会保険資格喪失証など)」をハローワークに持参すれば、可能です。

この時点では離職票がなくても手続き可能なのですが、仮手続きから4週間後の「認定日」までに離職票を提出する必要はあります。

もし「認定日」までに離職票が提出できなければ、失業保険の受給は保留されます。

2-3:弁護士に相談する

離職票が届かない原因が会社にある場合には、弁護士に相談する方法もあります。

解雇原因や残業代の問題で弁護士に相談している場合には、離職票が届かない問題についても弁護士に相談すると良いでしょう。

弁護士から会社に対して、雇用保険法違反の問題がある旨を伝えてもらうと、会社としても対応せざるを得ない状況になります。

3章:離職票を交付しないことは違法

会社が離職票を交付しないことは違法です。

離職票の交付について会社と争う場合には、未払いとなっている残業代がないかも確認してみましょう。

順番に解説します。

3-1:離職票を交付しないことは違法になる

先に説明したとおり、会社は労働者が退職した翌日から10日以内にハローワークに離職票を提出しなければなりません。

会社が正当な理由なしに手続きを進めず、離職票を交付しない場合には、雇用保険法第83条4項による罰則の対象となります。

また、労働者が離職票を受け取る権利は、雇用保険法第76条3項や労働基準法22条でも保障されています。

離職票を交付しないことは、これらの法律にも違反する違法行為です。

3-2:前職で未払いとなっている残業代がないか確認する

離職票の交付について会社と争う場合には、未払いとなっている残業代がないかも確認してみましょう。

労働者には、会社に対して残業代を請求する権利が認められます。

在職中や会社との関係が良好なときには、残業代の請求をためらう気持ちもわかりますが、会社と争うのであれば、残業代請求についても検討すべきです。

残業代は3年で時効になります。

離職票を求める退職のタイミングでは、時効も成立していませんし、残業についての証拠集めもしやすいです。

残業代請求には絶好のタイミングなので、請求を検討してみても損はないでしょう。

まとめ:離職票が届かない場合の対処法は3種類

最後に今回の内容を振り返ってみましょう。

【離職票が届く流れ】
① 会社がハローワークに資料を提出
② ハローワークが会社に離職票を交付
③ 会社があなたに離職票を送付

【離職票が届かない原因】
① 会社で手続きしていない
② 会社が忙しいorミスしている
③ 会社から嫌がらせを受けている
④ ハローワークで手続きが止まっている

【離職票が届かない場合の対処法】
  • 会社、ハローワークに問い合わせる
  • 離職票なしで失業保険の仮手続きを進める
  • 弁護士に相談する

まずは、手続きの現状を確認することが大事です。
焦らず確実にできることからはじめていきましょう。

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