【図解】未払い残業代を請求するための完全マニュアル(弁護士監修)

監修者

弁護士法人新橋第一法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

【図解】未払い残業代を請求するための完全マニュアル(弁護士監修)
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チェック
この記事を読んで理解できること
  • あなたの残業代が未払いにされていないか判断しよう
  • 残業代請求の手続き
  • 残業代請求の時効は3年!時効が過ぎると1ヶ月分の残業代が消滅
  • まずは自分で集めてみよう!残業代請求に必要な証拠一覧

あなたは、以下のような悩みをお持ちではありませんか?

未払い残業代に関する疑問

頑張って遅くまで残業しているのに、残業代が出ないとがっかりしますよね。

残業代の未払いは、労働基準法に違反する違法行為です。

しかしこれまで多くの労働問題に関わる裁判に関わってきた経験上、非常に多くの会社で以下のような誤った知識が使われ、社員の残業代が未払いにされている現状を何度も見てきました。

「管理職には残業代が出ない」

「○○手当が残業代の代わりだから、それ以上の残業代は一切出ない」

「残業の指示なく残業している場合は、残業代が出ない」

多くの方が誤解していますが、上記のような場合も残業代が発生することがあり、後から会社に未払いの残業代を請求することが可能です。

ただし、そのためには以下の2つのポイントを押さえておくことが大事です。

  1. 正しい残業代を把握すること
  2. 労働していた事実を証明すること(タイムカードなどの証拠を準備)

残業代は、正しく計算すると、あなたが思っているより高額になる可能性が高いです。

そのため、請求しなければ大きな損になることも。

そこでこの記事では、残業代を取り返すための3つの手段と請求のポイント、残業代請求の「3年の時効」について解説し、あなたが集めておくとより残業代請求の成功確率が高まる「証拠」についても詳しくお伝えします。

正しい残業代をもらうことは、会社の大きさや正社員、派遣社員、パートなどに関係なく、すべての労働者が持つ権利です。

まずはこの記事をきっかけに未払い残業代請求のポイントを抑えてみてください。

【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】

会社に残業代を請求する2つの方法

  • 自分で直接請求する
  • 弁護士に依頼する

■残業代請求に有効な証拠

【残業代が未払いであることを示す証拠】

  • 雇用契約書
  • 就業規則
  • 賃金規定
  • 給与明細

【残業時間を示す証拠】

まず集めておきたい証拠

  1. タイムカード
  2. シフト表
  3. 業務日報
  4. 運転日報
  5. タコグラフ(ドライバーなどの場合)

■下記のものも残業の証拠にできる

  1. 手書きの勤務時間・業務内容の記録(最もおすすめ)
  2. 残業時間の計測アプリ
  3. 家族に帰宅を知らせるメール(証拠能力は低い)
  4. 会社のパソコンの利用履歴
  5. メール・FAXの送信記録
未払い残業代を取り返したいというあなたへ、まずはお気軽にご相談ください
未払い残業代を取り返したいというあなたへ、まずはお気軽にご相談ください

1章:あなたの残業代が未払いにされていないか判断しよう

あなたは、どのような場合に残業代が支払われるのかご存知ですか?

あなたの残業代が未払いになっている状況にあるか、正しく判断するには、

  • 残業時間の定義
  • 労働時間としてカウントされる条件
  • 労働時間がごまかされるケース

などについて知っておくことが大事です。

これらの正しい知識を持っておくことで、あなたは「自分の残業代が未払いになっている状況にあるか」判断できるでしょう。

そして、2章で解説する残業代の請求方法についても、より深く理解することができるはずです。

それよりも、早く具体的な請求方法が知りたい、という場合は、「2章:残業代請求の手続き」を読んでください。

それでは解説します。

【残業時間の定義】

残業時間とは、

1日8時間・週40時間を超えて労働した時間」

のことです。

あなたが、「1日8時間・週40時間」のどちらか一方でも超えて労働していたら、残業代をもらう権利があります。1日8時間・週40時間を超えたら残業

ただし、「労働していた時間」としてカウントされるには、条件があります。

【労働時間としてカウントされる条件】

「労働時間」としてカウントされるのは、以下の時間です。

「労働時間とは『使用者の指揮命令下に置かれていた』時間」

使用者とは、簡単には会社の経営者や上司のことです。

  • 会社の業務命令に従って働いている時間
  • 「ムリな納期がある」「1人では終わらないような仕事量がある」などの理由で残業せざるを得ない時間

などは、「使用者の指揮命令下におかれている」時間であり、労働時間としてカウントされると考えられます。

使用者の指揮命令下に置かれていた時間

つまり、1日8時間・週40時間を超えて、使用者からの指示で働いていた時間は、すべて残業時間です。

しかし、私のこれまでの経験上、多くの会社では「労働時間」をごまかして、残業代の未払いを正当化している実情があるようです。

たとえば、以下のような時間は労働時間としてカウントされず、その分の残業代が未払いにされていることが、これまでの経験上非常に多く見受けられます。

【ごまかされやすい8つの時間】

  1. 準備時間:制服、作業服、防護服などに着替える時間、始業前の朝礼・体操の時間など
  2. 後始末時間:着替え、掃除、清身
  3. 休憩時間:休憩中の電話番や来客対応などを依頼された場合
  4. 仕込み時間:開店前の準備やランチとディナーの間の仕込み時間
  5. 待機時間:トラックの荷待ちの時間
  6. 仮眠時間:警報や緊急事態に備えた仮眠の時間(特に警備や医療従事者など)
  7. 研修:会社からの指示で参加した研修
  8. 自宅の作業:仕事が終わらず自宅に持ち帰って仕事した時間

これらの時間について、あなたの会社で労働時間としてカウントされていない場合、あなたには未払いの残業代がある可能性が高いです。

2章:残業代請求の手続き

会社から残業代を取り返すための方法には、

  • 自分で直接会社に請求する方法
  • 弁護士に依頼する方法

という2つの方法があります。

これらの方法では手続きの流れが異なり、それぞれ以下のような流れで進められていきます。

残業代請求を自分でやる流れ・弁護士に依頼する流れ

これらの方法には以下のようなメリット・デメリットがあります。

残業代請求を自分でやる場合と弁護士に依頼する場合の違い

弁護士に依頼する方法が早く知りたい、という場合は「2-2:弁護士への依頼」をご覧ください。まずは自分で請求する方法からご紹介します。

2-1:自分で残業代を請求する方法はこの2つ!

自分で請求する方法には、

・自分で直接会社に請求する
労働基準監督署に申告して解決を図る

という2つがあります。


それぞれの方法の流れについて、詳しく解説します。

2-1-1:自分で会社に内容証明を送って直接請求する

残業代請求の流れは、以下の4つのステップからなります。 

①証拠を収集する

②残業代を計算する

③時効を止める

④会社と交渉する

【①証拠を収集する】
 

残業代を請求するにおいて、最も重要なポイントは、「あなたの勤務時間を証明すること」です。

そのため、働いていたことを示す「証拠」が必要となります。

タイムカードや日報など、できるだけ多くの証拠を集めておきましょう。

また、タイムカードなどが無い、又は改ざんされている場合、「手書きのメモ」などでも残業の証拠となります。「タイムカードが無いから」と諦める必要はありません。

ただし、その場合、毎日その都度一分単位で、出退勤時刻のメモをとってください。

残業代の証拠について、詳しくは3章ご覧ください。

【②残業代を計算する】

①で集めた証拠をもとに、残業代を計算します。

残業代は、

残業代の計算式

という計算式で算出します。

基礎時給とは、あなたの月給を時給に換算した金額のことであり、割増率は残業の時間帯等によって「1.25~1.6倍」で変動します。

詳しい計算方法については、以下の記事で解説しています。

【図解で分かる】残業代の正しい計算3ステップを弁護士が解説

【③時効を止める】

残業代請求の時効は、法律で3年と定められています。そのため、もし時効を止めなければ、毎月の給料日が来るたびに、請求できる残業代が1ヶ月分消滅してしまいます。

ただし、「配達証明付き内容証明」を会社に郵送することで時効を半年間止めることが可能です。

そのため、手続きをはじめる最初に「内証証明」を送って、時効を止めておくことが重要です。

内容証明とは、差し出した日付、差出人の住所・氏名、宛先の住所・氏名、文書に書かれた内容を、日本郵便が証明してくれる手紙の一種です。

配達証明とは、配達した日付を証明してくれる郵便の制度です。

つまり、「配達証明付き内容証明」で会社に請求書を送ることで、会社は「そんなもの届いていない」としらばっくれることができなくなります。 

<内容証明ひな形>――――――――――

私は○○年○○月○○日,貴社に入社し,○○年○○月○○日に退社した者です

私は,平成○○年○○月○○日から平成○○年○○月○○日(以下「請求期間」とします。)まで,貴社に対し,合計■時間の時間外労働を提供いたしましたが,貴社からは,一切,割増賃金のお支払いただいておりません。

よって,私は,貴社に対し,請求期間内の未払割増賃金の合計額である★円の支払を請求いたしますので,本書面到達後1週間以内に,以下の口座に振り込む方法によるお支払をお願いいたします。

○○銀行○○支店 

○○預金(普通・定期などの別) 

口座番号○○ 

口座名義人○○

なお,本書面到達後を1週間を過ぎても貴社から何らご連絡いただけない場合は,やむを得ず労働基準監督署への申告,訴訟の手段をとらせていただくことをあらかじめ申し添えます。

【④会社と交渉する】

未払い残業代請求の方法(交渉)

ステップ③で内容証明を送ったところから会社との交渉がスタートします。運が良ければ、内容証明が届いた時点で支払いに応じる会社もあるかもしれません。

もし会社が減額の交渉を行なった場合、どのくらいの金額で折り合いがつくかはあなた次第です。ただ相手は、法律のプロである弁護士なので、

  • 本来もらえるはずの金額よりも少ない額で妥協しなければならない
  • そもそも内容証明すら無視され、会社から相手にして貰えない

ということも可能性としてはありえます。

そんな場合は、次に紹介する「労働基準監督署」に相談するのも一つの選択肢です。

2-1-2:労働基準監督署に申告する

労働基準監督署」とは、厚生労働省の出先機関で、労働基準法に基づいて会社を監督するところです。
 
給料の未払いは労働基準法違反のため、労働基準法に相談することで解決にいたる可能性もあります。 

労働基準監督署への申告は、以下のような流れで可能です。

労働基準監督署に相談したときの流れ

このような流れで労働基準監督署に申告することができるのですが、この方法は「残業代を請求したい場合」は、あまりおすすめではありません。

労働基準監督署は、労働基準法に違反している会社の行為を「正す」機関であり、あなたの残業代を取り返してくれる機関ではありません。

そのため、残業代を請求したいという相談で、積極的に動いてくれないことも多いのです。 
 

また、労働基準監督署は、労働者からのすべての申告で動くわけではありません。

それは、全国には400万を超える法人があるにもかかわらず、日本の労働基準監督署の人員は、非常勤の職員を含めても約2400人しかおらず、明らかに人員不足だからです。

そのため、危険作業や労働災害などの「人命に関わる問題」などが優先して処理されるため、「残業代の未払い」では、解決に至らないことが多いです。

そこで、弁護士に依頼して残業代請求を行う、というのも一つの選択肢です。

2-2:弁護士への依頼

残業代請求の手続きには専門的な知識が必要ですが、弁護士等の専門家に依頼すると、あなたの代わりに手続きを行ってもらうことができます。 

残業代請求を弁護士に依頼する流れ

「弁護士に依頼して裁判みたいな大事にするのはちょっと・・・」
 
「実は、私の経験上、「訴訟(裁判)」になることは少ないです。ほとんどが交渉や労働審判という、訴訟(裁判)よりも簡単な手続きで解決します。」
 
「でも、弁護士に依頼すると高いお金を払わないといけないイメージがあるんだけど・・・」
 
「実はそうとも限りません。「完全成功報酬制」を採用している事務所も増えており、そういった事務所なら相談料や着手金ゼロでの依頼が可能です。」

 

弁護士に依頼した場合、

弁護士に依頼した場合のステップ

という流れで、解決に向けて手続きが進められていきます。その内容について順番に解説します。

2-2-1:ほとんどこれで解決!弁護士と会社の「交渉」

弁護士に依頼した場合の流れ(交渉)

交渉とは、弁護士が会社との間に入って、電話・書面・対面で直接会社と交渉してトラブルの解決を図るものです。
 

交渉では、あなたが会社の人と会う必要はありません。

また、あなたが在職中で、これから退職を考えている場合、実際に交渉を開始する時期については相談可能です。

つまり、会社にばれないようにこっそり準備を進め、退職と同時に残業代を請求し、交渉を開始するということも可能です。

交渉で合意に至らなかった場合に、労働審判や訴訟という手続きに進むことになります。

2-2-2:交渉で解決しなかった場合は「労働審判」

弁護士に依頼した場合の流れ(労働審判)

交渉で決着が付かなかった場合、労働審判を行います。
 
「それって裁判とは違うの?」
 
「労働審判とは、裁判所に行き、会社・あなた・裁判官などの専門家で問題の内容を確認し、解決の方法を探す方法です。裁判よりも手続きが簡単で、費用も少なく、解決までの期間も短いのが特徴です。」
 
「解決するまで何度も裁判所に行かなきゃいけないのかな?」
 
「最初の1回のみはあなたも行く必要がありますが、それ以降は参加の必要がない場合もありますよ。また、1回目で決着するパターンも多いです。 」
 

労働審判は以下のような流れで、解決まで進められます。

労働審判の流れ

第1回労働審判で解決されれば、申立てから1〜2ヶ月程度、第2回、第3回まで延びれば1ヶ月〜2ヶ月程度期間も延びることになります。

労働審判は、最大3回までと決められているため、裁判のように何回も裁判所に行ったり、長期化することがないのが特徴です。

多くの場合、「交渉」か「労働審判」で決着が付きますが、労働審判において決定されたことに不服がある場合は、訴訟(裁判)へ移行します。

2-2-3:最後の手段が訴訟(裁判)

未払い給料請求の流れ(訴訟・裁判)

 
訴訟(裁判)は労働審判と違い、何回までという制限がなく、長期に渡り争い続ける可能性があります。
 
ただし、あなたはほとんど出廷する必要がありません。行く必要があるのは本人尋問のときだけです。
 
訴訟(裁判)では、裁判所で「原告(あなたもしくは、あなたが依頼した弁護士)」と「被告(会社)」が主張し合い、裁判官が判決を下します。訴訟の流れはこのようになっています。
 

訴訟(裁判)の流れ

最高裁まで行くことはほとんどないため、多くは地方裁判所までの1〜2年程度で終わるようです。

裁判所で「原告(あなたもしくは、あなたが依頼した弁護士)」と「被告(会社)」が主張し合い、裁判官が判決を下します。

裁判になると数年単位で争うこともありますが、先ほどお伝えした通りで裁判まで行くことはほとんどなく、多くが交渉・労働審判で決着がつきます。

2-3:残業代請求に強い弁護士に依頼することが重要!

未払い残業代の請求方法について、理解することはできたでしょうか?

弁護士に依頼して請求する場合は、一つ注意点があります。それは、「残業代請求に強い弁護士」を選ぶということです。

「弁護士はみんな法律の知識があるのだから、誰でも良いのでは?」
 
「実はそうとも言えません。法律の知識は広い範囲に及ぶため、弁護士はみな自分の専門分野を持っており、「専門外の分野は苦手」という人も多く見られます。そのため、残業代請求を依頼するなら、残業代請求に強い弁護士の方が良いのです。」
 

弁護士の選び方や相談の流れ、かかる費用については、こちらの記事で詳しく解説しています。


【残業代請求】弁護士選びの8つのポイントと解決までの流れや費用を解説

自分で請求するにしても、弁護士に依頼して請求するにしても、必ず知っておくべきことがあります。

それが、残業代が請求できるのは「3年の時効が成立するまで」ということです。

時効の詳しい期間について解説しましょう。

3章:残業代請求の時効は3年!時効が過ぎると1ヶ月分の残業代が消滅

未払いの残業代は、いつまでも請求できるわけではありません。退職から3年が経つと二度と請求できなくなります。
 

時効の基準となるのは、「毎月の給料日」です。

【給料の支払日が「15日締め・翌月末払い」の場合】

たとえば、給料の支払日が「15日締め・翌月末払い」の場合、2020年2月16日から3月15日までの給料は、2020年4月30日に支払われます。そのため、2020年3月15日締めの給料は、2023年の4月30日経過時に時効を迎えます。

そこで、2020年3月15日締めの給料の時効を止めるためには、2023年の4月末までに「時効を止める」手続きを行う必要があります。

残業代請求の3年の時効

毎月の給料日がくるたびに時効が成立し、1ヶ月分の残業代が消滅してしまいます。
 
少しでも多くの残業代を取り返すために、できるだけ早く行動を開始しましょう。
 

最後に、未払いの残業代を請求するために必要な証拠についてご紹介します。

4章:まずは自分で集めてみよう!残業代請求に必要な証拠一覧

未払いの残業代を請求するときに、まずやるべきなのが「証拠集め」です。

証拠集めは、まずは自分で行うことをおすすめします。
 
証拠集めも弁護士に依頼することは可能です。
 
しかし、弁護士が証拠を要求しても提出しない悪質な会社もあるため、会社に在籍しているうちに、自分で証拠を集めておくことが、残業代請求を成功させる鍵なのです。
 

残業代請求の証拠として有効なのは、以下のようなものです。

【残業代が未払いであることを示す証拠】

  • 雇用契約書
  • 就業規則
  • 賃金規定
  • 給与明細

【残業時間を示す証拠】

まず集めておきたい証拠

  1. タイムカード
  2. シフト表
  3. 業務日報
  4. 運転日報
  5. タコグラフ(ドライバーなどの場合)

【ポイント】

日報などは、正確に書いていないことも多いと思います。正確ではない記録が残っていると、交渉になったときに不利になりやすいです。また、タイムカードやシフト表は会社側が都合良く改ざんしている可能性もあります。

会社で、タイムカードなどの勤怠管理がなされていない場合や、タイムカードなどはあるけれども会社によって改ざんされているような場合は、以下のような証拠を集めるとよいでしょう。

証拠になるようなものがない場合でも証拠にできるもの

  1. 手書きの勤務時間・業務内容の記録(最もおすすめ)
  2. 残業時間の計測アプリ
  3. 家族に帰宅を知らせるメール(証拠能力は低い)
  4. 会社のパソコンの利用履歴
  5. メール・FAXの送信記録

【ポイント】

会社が勤怠管理をしていない場合に証拠として以外におススメなのは①です。毎日手書きで、1分単位で時間を書きましょう。具体的な業務についても書くのがベストです。③のメールは、裁判になると証拠としては弱いので、できるだけ手書きでメモを取りましょう。

証拠集めは、以下の点に注意して行ってみてください。

【証拠集めの注意点】

  1. できるだけ多くの証拠を集める。
    証拠は、できれば3年分の証拠があることが望ましいですが、なければ半月分でも請求は可能です。できるだけ毎日の記録を集めておくと良いでしょう。
  2. ウソの内容を書かない
    「手書きのメモ」や「日報」など、残業時間を手書きで記録しておく方法もご紹介しましたが、その場合絶対に「ウソ」の内容のことを書いてはいけません。
    証拠の中にウソの内容があると、その証拠の信用性が疑われ、裁判官の心証が悪くなり、有効な証拠として認められない可能性があります。
    そのため、証拠は「19時30分」ではなく、「19時27分」のように、1分単位で記録するようにし、正確に記録していることを示せるようにしておきましょう。

手書きで証拠を記録する場合の注意点

まとめ:残業代の未払い

いかがでしたか?

最後にもう一度今回の内容をまとめます。

会社に残業代を請求する方法には、

  • 自分で直接請求する
  • 弁護士に依頼する

という2つの選択肢があります。

残業代請求に有効な証拠は以下のものです。

【残業代が未払いであることを示す証拠】

  • 雇用契約書
  • 就業規則
  • 賃金規定
  • 給与明細

【残業時間を示す証拠】

まず集めておきたい証拠

  1. タイムカード
  2. シフト表
  3. 業務日報
  4. 運転日報
  5. タコグラフ(ドライバーなどの場合)

証拠になるようなものがない場合でも証拠にできるもの

  1. 手書きの勤務時間・業務内容の記録(最もおすすめ)
  2. 残業時間の計測アプリ
  3. 家族に帰宅を知らせるメール(証拠能力は低い)
  4. 会社のパソコンの利用履歴
  5. メール・FAXの送信記録

残業代請求には「3年」の時効があるため、すぐにでも行動を開始することをおすすめします。

『残業代請求に強い弁護士』があなたの悩みを解決します

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弁護士法人新橋第一法律事務所へのご相談は無料です。当事務所では、電話・メール・郵送のみで残業代請求できます。ですので、全国どちらにお住まいの方でも対応可能です。お1人で悩まずに、まずは以下よりお気軽にご相談ください。

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