- 2018.02.28
- 2024.12.23
- #残業無能
残業は無能?わざと無能扱いする会社の手口と無能扱いへの3つの対処方法
この記事を読んで理解できること
- 残業が多いのは無能?残業が無能と言えるケース・そうでないケース
- 残業を無能扱いして残業代を出さないのは違法
- 残業が無能扱いされる場合の3つの対処方法
あなたは会社の上司などから「残業するやつは無能だ」という扱いを受けて、
「残業することって本当に無能なの?」
「無能扱いされたら、どう対処したら良いんだろう?」
「残業せずに早く帰れるようになりたい」
などと思っていませんか?
仕事が終わらず仕方なく会社に残っているとしたら、それを無能扱いされると辛いですよね。
無意味な残業や、残業代稼ぎのための残業をする人は、確かに「無能」扱いされてもしょうがないかもしれません。しかし、一人で終わらない量や納期の残業があるのだとしたら、一概にあなたが「無能」だとは言えず、むしろ問題があるのはあなたの会社や上司である可能性があります。
さらに、あまりにもひどく無能扱いされているのだとしたら、それはパワハラにもなり得ます。
そこでこの記事では、まずはあなたが「無能扱い」されるのはしょうがないのかどうか「残業が無能と言えるケース」と「無能とは言えないケース」からチェックしてみましょう。
そして、悪質な会社で行われることがある「残業を無能扱いすることで支払うべき残業代を不当にごまかす手口」について、さらに、無能扱いされる場合の対処方法についてお伝えします。
最後までしっかり読んで、正しい判断のポイントや対処方法を学んでください。
【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】
■残業が無能と言えるケース
- だらだらと仕事をしている
- その日に必要のない仕事をして残業
- 仕事を効率的に終わらせる努力をしていない
- 人の仕事の手伝いが多い
- 残業代を貰うためにわざと残業している
■残業が無能とは言えないケース
- 一人でできる量や納期を大きく上回った仕事がある
- 入社したばかりでスキルや知識が追いついていない
■残業を無能扱いされていても残業代が出る理由
無能扱いされていたとしても、法律上、「1日8時間・週40時間」を超えて働いた時間で、かつ「使用者の指揮命令下に置かれている」時間は、残業時間としてカウントされ、残業代が発生するため
■残業が無能扱いされている場合の3つの対処法
- 自分で残業を削減する努力をする
- 退職して未払い残業代を請求する
- 無能扱いがあまりにひどければパワハラで訴える
1章:残業が多いのは無能?残業が無能と言えるケース・そうでないケース
あなたが上司から残業することを無能扱いされる場合、それは、
- あなたの仕事の仕方が悪いため
- 仕事を管理する上司が無能であるため
というどちらかの原因が考えられます。
あなたが残業しているからといって無能扱いされていても、あなたが無能だとは限らないのです。
あなたの上司の仕事の管理が悪い場合は、むしろ無能なのはあなたの上司です。
さらに、たとえ残業の原因があなたにある場合でも、残業を無能扱いしてあなたに精神的なダメージを与えることは、パワハラになることもあります。
具体的なシチュエーション別に解説しますので、あなたの場合はどれに当てはまるか、チェックしてみてください。
無能扱いとパワハラについては、コラムで解説しています。
1-1:残業が多いことが無能と言えるケース
まずは残業が無能扱いされる原因が、あなたにあるケースから紹介します。
1-1-1:だらだらと仕事をしている
あなたがだらだらと仕事をしていて、結果的に残業になってしまった場合は、残業の原因は効率よく仕事を終わらせないあなたにあります。
会社としては、あなたがだらだら仕事をしたために残業代を支払わないといけなくなるのですから、会社から無能扱いされても仕方ないですね。
残業する必要がないなら、効率的に仕事を終わらせて、定時になったら早く帰るようにしましょう。
1-1-2:仕事を効率的に終わらせる努力をしていない
仕事が定時に終わらないのに、定時内に終わらせるために効率的に仕事をする工夫などをしていないなら、会社から無能扱いされる原因はあなたにあります。
ただし、努力しているのに、会社から
「残業しないと仕事が終わらないのは無能だ」
「まだ努力が足りないんだ」
と言われ、自分のことを無能だと思い込んでいる可能性もあります。
そのような場合は、原因はあなたにあるとは言えず、会社が意図的に無能扱いしている場合もあります。詳しくは2章で解説します。
1-1-3:人の仕事の手伝いが多い
人の仕事を手伝って残業することが日常化している場合は、無能扱いされる原因はあなたにあります。
会社員として働いていれば、確かに協力しあって仕事を終わらせなければならないこともあると思います。
しかし、それが日常化し、人の仕事のために残業せざるを得ない状況が続いている場合は、あなたの仕事のやり方に問題があると考えられます。
人の仕事を手伝うとしても、それは自分のできる範囲で行うべきです。
たとえ「人の仕事を手伝う」という善意からの残業だったとしても、会社から見れば、「自分の本来の業務外のことをやって、勝手に残業している」と見られ、「無駄な仕事をやる無能な社員」と疑われる可能性があります。
人の手伝いのために残業せざるを得ないならば、一度自分の仕事のやり方を、再検討した方が良いでしょう。
1-1-4:残業代を貰うためにわざと残業している
どうしても残業しなければならない理由がないのに、残業代ほしさに残業しているなら、会社から無能扱いされるのも当然です。
会社からすれば、「他の人と同じ仕事量なのに残業しなければ終わらないやつ」なのですから、無能扱いされてしまうのです。
以上の理由が、残業が無能扱いされる原因があなたにあるケースです。
ただし、原因があなたにあるとは言っても、会社から度を超えて無能扱いされているのだとしたら、それはパワハラです。
【コラム:残業を無能扱いするのはパワハラになる可能性もある】
パワハラとは、同じ職場で働く人に対して、会社での地位や人間関係などの優位性を利用して、精神的・身体的苦痛を与えたり、職場の環境を悪化させる行為のことです。
参考:「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」(平成24年1月30日)
業務上適正な範囲での注意・指導はパワハラにはなりませんが、度を超えて社員に苦痛を与える行為は、パワハラになる可能性があります。
そのため、あなたが日常的に残業を無能扱いされているのだとしたら、それはパワハラになる可能性が高いです。パワハラになる場合は、会社に対して精神的な苦痛を与えられたことを、損害賠償請求することもできます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
1-2:残業が多いことが無能とは言えないケース
次に、残業が多くても無能とは言えないケースをご紹介します。
1-2-1:一人でできる量や納期を大きく上回った仕事がある
- 一人では終わらないような量の残業を押し付けられている。
- 無理なスケジュールの仕事を命令されている
このような場合は、あなたの残業が多くても無能扱いされるいわれはありません。
無能なのは、そのようなずさんな仕事の振り方をする上司です。
1-2-2:入社したばかりでスキルや知識が追いついていない
あなたが会社に入社したばかりで、必要なスキルや経験が仕事に追いついていない場合、あなたが残業しても、無能扱いされる理由にはなりません。
むしろこの場合も、入社したばかりの社員に、その社員のスキル・経験では無理な仕事を振っている、あなたの上司に問題がある可能性が高いです。
以上の理由で残業が無能扱いされているなら、あなたは自分を「仕事ができないやつなんだ」と責める必要はありません。
2章: 残業を無能扱いして残業代を出さないのは違法
あなたが、残業を改善する努力をしているのに残業せざるを得ず、それを無能扱いされている場合、それは、会社の残業代をごまかす手口である可能性があります。
あなたにも該当する可能性がありますので、よく読んで考えてみてください。
2-1:残業を無能扱いして残業代をごまかす手口
多くの会社では、人件費を削減するために、適正な金額の残業代を支払っていなません。
しかし、残業代を支払わないと社員が不満を持つため、会社は、残業代が出ないことを正当化する必要があります。
そこで、以下のようにして「残業するやつは無能だ」と社員に思い込ませる手口が使われることがあるのです。
あなたもこのようなことを言われたことがありませんか?
もしこのようなことが言われていたとしても、残業の事実があるなら、あなたには残業代をもらう権利があります。
詳しく解説します。
2-2:残業した事実があるなら残業代をもらう権利がある
たとえ上司から残業を無能扱いされていても、
- 仕事量が変わらず、残業しなければ終わらない
- 納期がひっぱくしているため残業せざるを得ない
などの場合は、残業代が出ないことは違法になる可能性が高いです。
法律上、
「1日8時間・週40時間」を超えて働いた時間で、かつ
「使用者の指揮命令下に置かれている」時間
は残業時間としてカウントされることになっています。
これは、明確に「残業しろ」という指示がない場合でも、残業せざるを得ない状況であれば、残業としてカウントされるということです。
そのため、こんな場合で残業代が出なければ「違法」です。
3章:残業が無能扱いされる場合の3つの対処方法
残業が無能扱いされて、適正な金額の残業代が出ていない、もしくは残業代がまったく出ていないという場合は、
- 自分で残業を削減する努力をする
- 転職を機に未払い残業代を請求する
- 会社をパワハラで訴える
などの対処方法があります。
それぞれ順番に解説します。
3-1:自分で残業を削減する努力をする
会社から残業が無能扱いされている場合、もし可能なら、まずは自分で残業を削減する工夫をしてみることをおすすめします。
具体的な方法としては、
- 自分で仕事を効率化する
- 周囲の協力を得て仕事を早く終わらせる
- 平日の夜に予定を入れて自分にプレッシャーをかける
などの方法があります。
詳しい方法については、以下の記事を参考にしてください。
残業が多いあなたに!違法性の3つの基準とすぐにできる改善方法
しかし、
- そんなことはもう試した!
- そんなことが言える職場じゃない
などの場合は、これから紹介するような抜本的な解決方法が必要です。
3-2:退職して未払い残業代を請求する
あなたが残業を無能扱いされている場合、もっとも抜本的な解決策は、今の会社を辞めて別の会社に転職してしまうことです。
たとえあなたに残業の原因があったとしても、それを無能扱いするような上司がいる会社はブラック企業です。
そのため、あなたが努力して残業を改善しても、さらに仕事を押し付けてくる可能性もあります。
そのため、より仕事のしやすい会社を探して転職してしまうのがもっとも抜本的な解決策になるのです。
さらに、未払い残業代は会社に請求することで取り返せる可能性が高いです。
未払い残業代は、実はかなりの高額になることがあります。
(例)
- 月給:25万円
- 一月平均所定労働時間:170時間
- 1ヶ月の残業時間:100時間
※一月平均所定労働時間とは、会社から決められた月の平均労働時間のことで、170時間前後であることが多いです。
(20万円÷170時間)×1.25倍×100時間=18万3750円
未払い残業代は3年分までさかのぼって請求できるため、
18万3750円×36ヶ月=661万5000円
もの金額になります。
実は、最近では多くの人が弁護士に依頼して、退職後に残業代を請求しています。残業代請求について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
失敗したら残業代ゼロ?弁護士選びの8つのポイントと請求にかかる費用
3-3:無能扱いがあまりにひどければパワハラで訴える
残業を無能扱いされて、どうしても会社になんらかのダメージを与えてやりたいと考えている場合、パワハラによって精神的な苦痛を受けたと、会社に損害賠償請求することも可能です。
ただし、パワハラで会社を訴えても、
- パワハラの証拠を集めることが難しい
- そもそもパワハラの定義が曖昧
という理由で、賠償金をもらうことは難しいことが多いです。
そのため、パワハラで訴えるよりも、より成功確率の高い未払い残業代の請求によって、会社に経済的なダメージを与える方がおすすめです。
まとめ:残業は無能?
いかがでしたか?
最後に今回の内容を振り返ってみましょう。
【残業が無能と言えるケース】
- だらだらと仕事をしている
- その日に必要のない仕事をして残業
- 仕事を効率的に終わらせる努力をしていない
- 人の仕事の手伝いが多い
- 残業代を貰うためにわざと残業している
【残業が無能とは言えないケース】
- 一人でできる量や納期を大きく上回った仕事がある
- 入社したばかりでスキルや知識が追いついていない
【残業を無能扱いされていても残業代が出る理由】
無能扱いされていたとしても、法律上、「1日8時間・週40時間」を超えて働いた時間で、かつ「使用者の指揮命令下に置かれている」時間は、残業時間としてカウントされ、残業代が発生するため
【残業が無能扱いされている場合の3つの対処法】
- 自分で残業を削減する努力をする
- 退職して未払い残業代を請求する
- 無能扱いがあまりにひどければパワハラで訴える
正しい対処方法をとって、会社からの無能扱いに負けないようにしましょう。
【参考記事一覧】
会社からの「無能扱い」はパワハラになることがありますので、以下の記事でチェックしてみてください。
残業の多さをまずは自分で改善したいという場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
残業が多いあなたに!違法性の3つの基準とすぐにできる改善方法
無能扱いする会社を退職してしまいたいという場合は、退職を機に残業代が請求できます。詳しくは以下の記事をご覧ください。