- 更新日:2024.09.13
- #交通事故弁護士
【保存版】交通事故に強い弁護士の選び方と0円で依頼する方法を解説
この記事を読んで理解できること
- 交通事故トラブルを弁護士に依頼するメリット
- 交通事故に強い弁護士の7つの特徴と避けるべき弁護士
- 弁護士費用特約を使えば負担ゼロで依頼も可能
- 交通事故の弁護士費用の相場
- 弁護士費用は「裁判」の場合のみ相手に請求可能
- 交通事故を弁護士に依頼した場合の流れ
- 弁護士に依頼する前にやるべきこと
あなたは、
「交通事故にあったため、弁護士に依頼したい」
「交通事故に強い弁護士を選びたい」
「弁護士に依頼するメリットが知りたい」
「弁護士費用や特約について知りたい」
などの悩み、疑問をお持ちではありませんか?
結論から言えば、交通事故の被害にあった場合、非常に重要なのが「交通事故に強い弁護士」に依頼することです。
なぜなら、交通事故に強い弁護士に依頼することには、
- 妥当な「過失割合」にできる
- 妥当な「後遺障害等級」にできる
- 「裁判基準」を適用して、最大限の示談金を請求できる
- 迅速かつ最適な対応で、手間、時間、ストレスを最小限にして解決できる
というメリットがあるからです。
実際、交通事故に強い弁護士に依頼すると、以下のように示談金額が大幅に増額できることもあります。
しかも、弁護士特約が使えれば原則0円で、仮に弁護士特約が使えなくてもあなた自身の負担はほとんどない法律事務所もあるのです。
弁護士に依頼する場合、示談の流れは以下の通りです。
また、弁護士に依頼してより高額の示談金をもらうためのポイントは以下の通りです。
※流れとポイントについて、詳しくは6章で解説します。
そこでこの記事では、まずは交通事故トラブルを弁護士に依頼するメリットと交通事故に強い弁護士の選び方を紹介します。
そして、弁護士に依頼した場合にかかる費用や弁護士特約、相手に費用を負担させる方法についても説明し、さらに弁護士に依頼する流れや依頼前にやっておくべきことを紹介します。
知りたいところから読んで、すぐに行動をはじめていきましょう。
目次
1章:交通事故トラブルを弁護士に依頼するメリット
あなたもこのように思われているかもしれませんので、まずは交通事故トラブルを弁護士に依頼するメリットから紹介します。
【交通事故トラブルを弁護士に依頼するメリット】
- 示談金の基準が変わり最大限の金額になる。
- 妥当な後遺障害等級になる
- 妥当な過失割合になる
- 手間、時間、心理的ストレスが最小限になる
順番に見ていきましょう。
1-1:示談金の基準が変わり最大限の金額になる
交通事故トラブルを弁護士に依頼する最大のメリットは、示談金の基準が変わり最大限の金額になるということです。
そもそも、示談金の金額が決まる基準には以下の3つがあります。
【示談金を決める3つの基準】
- 自賠責基準・・・法律で定められた最低限の補償。
- 任意保険基準・・・自動車の保険会社が独自に定めている基準で、多くの場合自賠責基準に近い金額になる。自分だけで保険会社と対応した場合、任意保険基準になる傾向がある。
- 裁判基準・・・裁判例を参考にした基準で、示談金が最も高額になる。弁護士に依頼した場合に適用される基準。
注意して頂きたいのが、自分だけで示談金を請求すると、ほぼ確実に自賠責基準や任意保険基準になるということです。
その場合、本来もらえるはずの示談金額よりずっと少なくなってしまうことが多いのです。
それぞれの慰謝料の基準を比べると、以下の通り金額が大きく異なるのです。
示談金の詳しい基準を知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
【交通事故の示談金相場】1円でも多く請求する方法を弁護士が解説
1-2:妥当な後遺障害等級になる
示談金の金額は、「後遺障害等級」によっても変わってきます。
【後遺障害等級とは】
後遺障害等級とは、交通事故の被害で「痛み」「しびれ」などの後遺障害が残った場合に、その後遺障害の度合いに応じて認定されるものです。
最も重い後遺障害が1級で、最も軽い等級が14級です(等級が認められないこともあります)。
後遺障害等級によって以下のように示談金が決まっているため、「妥当な後遺障害等級を認定してもらうこと」がとても大事なのです。
注意して頂きたいのが、保険会社は示談金を安く抑えるために、不当に低い後遺障害等級を認定することがあるということです。
あなただけでは、「本当に妥当な後遺障害等級なのか」「より妥当な等級を認定してもらうためにはどうしたら良いか」分からないと思いますので、弁護士に依頼することが大事なのです。
※後遺障害等級について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【部位別・後遺障害等級表】交通事故で損しないための方法を弁護士が解説
1-3:妥当な過失割合になる
交通事故の示談金は、過失割合によっても大幅に変わってきます。
【過失割合とは】
交通事故では、被害者側にも一定の過失(悪かったこと)がある場合があります。
被害者にも過失がある場合「80:20」「90:10」などのように、状況によって過失割合が決められています。
簡単に言うと、過失割合が「80:20」で示談金が1000万円の場合、200万円が引かれて、実際に振り込まれる示談金は800万円になる、というイメージです。
大事なのは、保険会社は示談金を抑えるために、過失割合をあなたに不利にする可能性もあるということです。
上記の通り、過失割合が「10」違うだけで、示談金は大幅に増減します。
弁護士依頼すれば、適切な過失割合を認定してもらうことが可能ですので、この点でも弁護士に依頼するメリットがあるのです。
1-4:手間、時間、心理的ストレスが最小限になる
ここまで金銭面のメリットを紹介しましたが、弁護士に依頼するメリットはそれだけではありません。
弁護士に依頼すると、交通事故トラブルに関する手間や時間、ストレスを最小限にすることができるのです。
治療を受けながら示談金を請求するために保険会社の対応をしたり、必要な資料を集めて郵送したりするのは大きな負担になります。
手間や時間もかかりますし、何より心理的ストレスも大きいのです。
示談金請求を弁護士に依頼すると、依頼後の手続きをほぼ丸投げできるため、示談金請求にかかる手間や時間、心理的ストレスが最小限になります。
あなたは治療や生活への復帰に専念することができるのです。
2章:交通事故に強い弁護士の7つの特徴と避けるべき弁護士
交通事故の加害者や保険会社との対応は、交通事故の被害者救済に強い弁護士に依頼することが大事です。
弁護士にも「労働問題」「不倫・離婚」「交通事故」などの得意分野があるため、交通事故が苦手な弁護士に依頼してしまうと、示談金請求に失敗する可能性があるからです。
そこで最後に、交通事故の示談金請求に強い弁護士の特徴と、避けるべき弁護士の特徴を紹介します。
【交通事故に強い弁護士の特徴】
- 依頼前に請求可能な示談金額を教えてくれる
- 医師と提携
- 保険会社の手口を熟知している
- 返金保証や後払いなどの仕組みを導入している
【避けるべき法律事務所】
- 大手の法律事務所
- 自宅から近いだけの法律事務所
- 顧問医師と連携していない法律事務所
順番に解説します。
2-1:交通事故に強い弁護士の特徴
まずは、交通事故に強い弁護士の特徴から説明します。
2-1-1:依頼前に請求可能な示談金額を教えてくれる
交通事故の慰謝料金額は、この記事でも紹介したように、ほとんどが基準や計算式から決められています。
そのため、交通事故の被害者救済に慣れた弁護士なら、あなたの場合の慰謝料金額がいくらになるのか、すぐに判断することが可能です。
そのため、交通事故に強い弁護士か判断したい場合は、問い合わせ時に「自分の場合は、慰謝料が大体いくらくらいになるのか」聞いてみてください。
また、その他にも疑問に思っていることを相談し、丁寧に説明してくれるか確認してみましょう。
交通事故に強い弁護士なら、大体の金額、その金額になる理由、相談した疑問について、丁寧に説明してくれるはずです。
そこで答えてもらうことができれば、その弁護士は交通事故の被害者救済に強い弁護士であると判断できるでしょう。
逆に相談してから、返答があるまでに時間がかかる(例えば1週間など)場合は、交通事故に慣れていない弁護士である可能性が高いので注意してください。
2-1-2:医師と提携
交通事故に強い弁護士を選ぶポイントとして、医師と連携していることも重要です。
示談金を最大限もらうためには、1章でもお伝えしたように妥当な後遺障害等級を認定してもらうことが大事です。
そのためには、より認定されやすい「後遺障害診断書」を作成してもらうことが大事です。
なぜなら、後遺障害等級が認定される上で、最も重視されるのが「後遺障害診断書に書かれていること」であるからです。
しかし、普通の医師は後遺障害診断書を書き慣れておらず、あなたにとって不利になることを、そうとは知らずに書いてしまうこともあります。
そうなると、後遺障害等級が認定されず、後遺障害慰謝料や逸失利益を一切もらえない、ということにもなりかねません。
医師と連携している弁護士に依頼すれば、
- 後遺障害診断書作成時に、医師に指示ができる
- 治療中から、後遺障害等級認定をより有利に進めるためのアドバイスをくれる
ということができます。
交通事故に強い弁護士を探すなら、医師と連携しているかどうかを判断基準の一つにすることをおすすめします。
HPに医師と連携していると記載している事務所を選びましょう。
2-1-3:保険会社の手口を熟知している
交通事故に強い弁護士を選ぶ上で、保険会社側の手口を熟知しているというのも大事です。
なぜなら、保険会社は示談金を少しでも少なく抑えるノウハウを持っており、しかも膨大な件数の経験があるからです。
素人ではもちろん、交通事故の経験が少ない弁護士では、保険会社の手口に対応できず、不当に安い示談金で泣き寝入りすることになりかねません。
そのため、交通事故に強い弁護士を選ぶ上で、法律事務所のHPなどに保険会社の手口について書かれているかどうかを判断基準にすることをおすすめします。
2-1-4:返金保障や後払いなどの仕組みを導入している
交通事故に強い弁護士は、高額の示談金請求に自信があるため、
- 示談金の返金保障:示談金より弁護士費用が上回る場合に、差額を返金し依頼者が損しないようにする仕組み
- 後払い制度:示談金が振り込まれてから弁護士費用を支払えば良いという仕組み
を導入していることが多いです。
特に①については、示談金請求に失敗すれば、弁護士の報酬は「0円」になり、弁護士はタダ働きすることになってしまいます。
そのため、交通事故に強い弁護士しか導入できないのです。
したがって、弁護士を選ぶ上で、返金保障や後払い制度を導入しているかどうかを判断基準の一つにすることをおすすめします。
【コラム:電話、メール、郵送だけで解決できる法律事務所なら、あなたの負担が最小限になる】
交通事故の被害に遭って、慰謝料の請求や交渉がしたいとお考えの方の多くは、
- 法律事務所に相談に行かなければならない
- 請求する相手に会わなければならない
と考えているようです。
しかし、交通事故の被害者請求に強い法律事務所なら、依頼者の負担を最小限にするために、
「電話やメール、郵送のみで解決可能」
「事務所に一度も行く必要がない」
という仕組みを導入していることがあります。
そのため、弁護士を選ぶ上では「全国対応」「相手に会う必要がない」とHPに書かれていることを、基準の一つとして使うことをおすすめします。
2-2:避けるべき法律事務所
これから紹介するような法律事務所は、避けることをおすすめします。
2-2-1:大手の法律事務所
あなたは、「大手の法律事務所の方が信頼できそう」と考えているかもしれませんが、実は大手だからと言って信頼することはおすすめできません。
なぜなら、大手の法律事務所は、事務所の利益重視で、
- 交通事故に慣れていない弁護士が対応する
- 利益が少ない依頼は後回しにする
といった対応をする事務所が多いからです。
大手であることだけを理由に依頼すると、
- 対応が雑、連絡が遅い
- 本来もらえるはずの金額より、ずっと少ない示談金になる
- いつまでも示談金が振り込まれない
といったことも起こりうるのです。
そのため、HPをしっかり読んで、交通事故に強い弁護士が対応する事務所を探すようにしましょう。
2-2-2:自宅から近いだけの法律事務所
法律事務所は、「自宅に近い方が依頼しやすい」とお考えの方もたまにいらっしゃいます。
しかし、先ほどもお伝えしたように、交通事故は法律事務所に行くことなく「郵送・電話・メール」だけで解決することが可能です。
そのため、家からの近さで選ぶのではなく、全国対応で実力がある事務所を探すべきです。
2-2-3:顧問医師と連携していない法律事務所
2-1-2でも解説しましたが、交通事故の対応は、高度な医学的知識が必要な場面が多々あります。
そのため、法律の専門家である弁護士と、医学の専門家である医師の両方の力が必要なのです。
したがって、顧問医師と連携していない法律事務所はおすすめできません。
医師と連携していない法律事務所に依頼した場合、
「妥当な後遺障害等級が認められず、後遺障害慰謝料が少なくなる(もしくはもらえない)」
といったことも起こりえます。
そのため、依頼し時にはHPを見て、顧問医師と連携しているかどうかしっかりチェックしましょう。
3章:弁護士費用特約を使えば負担ゼロで依頼も可能
弁護士費用についてまず知っておいて欲しいのが、
- 弁護士費用特約がある場合
- 弁護士費用特約がない場合
で費用の相場が大きく異なるということです。
弁護士費用特約と、特約が利用できる範囲について説明します。
3-1:弁護士費用特約とは
弁護士費用特約とは、あなたやあなたのご家族が加入している保険に付いている「弁護士費用をカバーする」という特約のことです。
多くの保険に付いており、特約がある場合は弁護士費用の負担が0円になることが多いです。
※保険会社の条件によっては、まれに本人負担が生じる場合もあります。
弁護士費用特約が使える場合、あなたの弁護士費用は保険会社が支払ってくれるため、原則0円になるのです。
3-2:弁護士費用特約は家族のものも利用可能
弁護士費用特約は、あなた自身が加入している保険に付いていなくても、ご家族の保険に付いていれば利用できることがあります。。
同居のご家族であれば、「6親等以内の血族、3親等以内の婚族」の方の弁護士費用特約が利用できます。
つまり、祖父、祖母、いとこの保険も利用できるのです。
あなたが未婚の場合は、別居しているご両親の保険の弁護士費用特約も利用することができます。
弁護士費用特約について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
「弁護士費用特約」
4章:交通事故の弁護士費用の相場
弁護士費用特約があれば、あなたの弁護士費用の負担は基本的に0円です。
そのため、弁護士費用について知っておく必要は特にありません。
しかし、弁護士費用特約を利用できない場合もあると思いますので、
- 弁護士費用の相場
- 弁護士費用の内訳
について解説します。
4-1:事例別の弁護士費用の相場
代表例として、
- むちうち
- 骨折
- 脳の後遺障害
- 目に見える大きな傷跡
の費用相場を紹介します。
4-1-1:むちうち
以下の条件での示談金と弁護士費用の相場を紹介します。
- 通院した期間:通院した期間:6ヶ月(実通院日数80日)
- むちうちの後遺障害が残った(後遺障害等級14級9号)
- 弁護士費用:成功報酬制で、報酬金が20万円+回収額の10%の場合
上記の場合、弁護士に依頼すれば、
入通院慰謝料・・・67万2000円
後遺障害慰謝料・・・110万円
となるため、弁護士費用と振り込まれる金額は以下のようになります。
※示談金は慰謝料以外にも項目があるため、実際の金額はさらに高額になることもあります。
※弁護士費用は、他にも「実費」が数万円程度かかることがあります。
4-1-2:骨折
以下の条件での示談金と弁護士費用の相場を紹介します。
- 入院日数:1ヶ月(30日)
- 通院期間:8ヶ月(実通院日数100日)
- 骨折した部分に痛みが残った(後遺障害等級14級)
- 弁護士費用:成功報酬制で、報酬金が20万円+回収額の10%の場合
上記の場合、弁護士に依頼すれば、
入通院慰謝料・・・164万円
後遺障害慰謝料・・・110万円
となるため、弁護士費用と振り込まれる金額は以下のようになります。
※示談金は慰謝料以外にも項目があるため、実際の金額はさらに高額になることもあります。
※弁護士費用は、他にも「実費」が数万円程度かかることがあります。
4-1-3:脳の後遺障害
交通事故で脳に重い障害を負ってしまい、常に介護が必要になったという場合の示談金と弁護士費用の相場を紹介します。
- 入院期間6ヶ月(180日)
- 通院期間1年(実通院日数200日)
- 後遺障害等級:1級(介護が必要)
- 弁護士費用:成功報酬制で、報酬金が20万円+回収額の10%の場合
上記の場合、弁護士に依頼すれば、
入通院慰謝料・・・298万円
後遺障害慰謝料・・・2800万円
となるため、弁護士費用と振り込まれる金額は以下のようになります。
※示談金は慰謝料以外にも項目があるため、実際の金額はさらに高額になることもあります。
※弁護士費用は、他にも「実費」が数万円程度かかることがあります。
4-1-4:目に見える大きな傷跡
交通事故の怪我で、見える所に大きな傷跡が残ってしまったという場合の示談金相場は以下の通りです。
- 入院:2ヶ月
- 通院:9ヶ月(実通院日数120日)
- 後遺障害等級12級
- 弁護士費用:成功報酬制で、報酬金が20万円+回収額の10%の場合
上記の場合、弁護士に依頼すれば、
入通院慰謝料・・・199万円
後遺障害慰謝料・・・290万円
となるため、弁護士費用と振り込まれる金額は以下のようになります。
※示談金は慰謝料以外にも項目があるため、実際の金額はさらに高額になることもあります。
※弁護士費用は、他にも「実費」が数万円程度かかることがあります。
4-2:弁護士費用の内訳
弁護士費用には以下のものがあります。
【弁護士費用の内訳(特約が使えない場合)】
- 相談料・・・相談時にかかる費用。0〜1万円程度。
- 着手金・・・依頼時にかかる費用。0〜30万円程度。
- 報酬金・・・示談金がもらえた場合にかかる費用。20万円+示談金の10%程度であるのが一般的。
- 実費(事務所分)・・・郵送、印刷、弁護士の交通費などで、1〜3万円程度。
- 日当・・・裁判所や警察署などに弁護士が行く必要がある場合の費用。
それぞれの費用がかかるタイミングと費用体系の相場は以下の通りです。
弁護士費用について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【事例別】交通事故の弁護士費用を最大限安くおさえる方法を徹底解説
5章:弁護士費用は「裁判」の場合のみ相手に請求可能
弁護士費用を相手に支払ってもらうことが可能なのは、ほとんど、裁判(訴訟)で判決が出た場合に限られます。
交通事故で示談金を請求する場合、
- 裁判外交渉で示談する
- 裁判以外の手続(紛争処理センター等)で和解する
- 裁判(訴訟)で和解する
- 裁判(訴訟)で判決を受ける
など様々な段階・方法がありますが、最後の④の場合のみ支払わせることができるとお考えください。
■相手に負担させられる弁護士費用の金額
加害者に支払わせることができる弁護士費用は、「認容された金額の1割」とされることがほとんどです。
たとえば、示談金を1000万円請求したが、最終的に相手が支払う示談金が800万円になったという場合、
800万円×10%=80万円
となり、80万円の弁護士費用を相手に請求可能ということです。
この場合、最終的に相手が支払う金額は、
800万円+80万円=880万円
となります。
6章:交通事故を弁護士に依頼した場合の流れ
交通事故を弁護士に依頼した場合、以下の流れで手続きが進められます。
■弁護士に依頼するタイミング
上記の流れを見れば分かる通り、治療中のできるだけ早い段階で弁護士に依頼するのがベストです。
なぜなら、より高額の示談金を請求するためには、
- 治療中から適切な行動をする
- 後遺障害等級認定時に、適切な方法で手続きをする
- 示談金が最大になる可能性が高い「裁判基準」で請求する
ということが大事だからです。
弁護士に依頼すれば、やるべきことについてアドバイスがもらえ、しかも示談交渉時には自動的に「裁判基準」が適用されるのです。
7章:弁護士に依頼する前にやるべきこと
弁護士に依頼する前に、以下のことをやっておきましょう。
【弁護士に依頼する前にやっておくべきこと】
- 弁護士費用特約が使えるか調べておく
- 領収書や診断書をもらっておく
また、以下のことをやってしまうと示談金が減額する可能性があるため、避けるようにしてください。
【弁護士に依頼する前に避けるべきこと】
- 保険会社の言うままに示談書にサインし郵送する
- 病院ではなく整骨院だけに通う
- 医師に対して症状についてウソをつく
順番に解説します。
7-1:弁護士に依頼する前にやっておくべきこと
以下のことは、弁護士に依頼する前に行っておきましょう。
7-1-1:弁護士費用特約が使えるか調べておく
交通事故を弁護士に依頼する前に、まずは弁護士費用特約が使えるかどうか調べておくことが大事です。
■弁護士費用特約が付いているか確認する方法
弁護士費用特約が使えるかどうか、まずはあなたが加入している自動車保険会社に連絡をとって確認してみましょう。
もしくは、契約時の「保険証書」や「約款」が手元にあれば、それを見れば確認できます。
あなたの保険に付いていなければ、ご家族に相談して、弁護士費用特約が付いていないか確認することを依頼してください。
■弁護士費用特約を利用するタイミング
弁護士費用特約が付いていることが分かったら、次に交通事故に強い弁護士を探し、依頼しましょう。
弁護士に依頼したら、それから保険会社に連絡を取り、弁護士費用特約を使う旨を伝えましょう。
保険会社は、弁護士費用特約の利用に消極的なことがありますが、特約の利用を断られるということはほぼありません。
保険会社からの同意を得られたら、弁護士費用特約を使うことを依頼する弁護士にも伝えます。
これも、特約の利用を断られることはほぼないはずです。
7-1-2:領収書や診断書をもらっておく
交通事故の示談金としては、治療費をかかった金額(実費)で保険会社に負担してもらうことができます。
弁護士に依頼する前から治療を受け始めた場合は、その間の、
- 医療機関の領収書(レシート)
- 医療機関からもらった診断書
- 入通院にかかった交通費の領収書
などを集めて保管しておきましょう。
これらは、保険会社に治療費を請求する場合に、治療費の根拠として必要になるからです。
7-2:弁護士に依頼する前に避けるべきこと
妥当な示談金をもらうためには、これから紹介することは避けるようにしてください。
7-2-1:保険会社の言うままに示談書にサインし郵送する
繰り返しになりますが、保険会社は「少しでも示談金を少なくすませたい」と考えて、自社の基準で示談金を提示してきます。
しかも、その示談書にサインして郵送してしまうと、それ以降示談金について再交渉することはできなくなります。
そのため、保険会社から示談を提示されたら、サインせずにすぐに弁護士に相談するようにしてください。
7-2-2:病院ではなく整骨院だけに通う
交通事故で妥当な示談金をもらうためには、適切な後遺障害等級を認定してもらうことが大事です。
適切な後遺障害等級を認定してもらうためには、整形外科医などの医師がいる、医療機関にかかることが大事です。
交通事故の被害で怪我をしても、症状が軽い場合、「仕事で忙しいから」「予約が取りやすいから」と言った理由で、整骨院に通われる方もいらっしゃいます。
しかし、整骨院だけでは妥当な後遺障害等級が認定されにくいです。
なぜなら、整骨院で治る程度の軽い症状なのだろう、と判断されてしまうからです。
そのため、しっかり医療機関に入通院する、もしくは医師の判断のもとで整骨院も併用する、という使い方をしてください。
7-2-3:医師に症状についてウソをつく
稀に、示談金をより多くもらいたいがために、医師に対して症状をわざと重く伝える方がいらっしゃいます。
しかし、後遺障害等級の認定では、症状に虚偽があったり、虚偽ではなくても一貫性がない(途中で症状が変わる、など)場合は、妥当な等級がもらえない可能性が高いです。
ウソを言ってしまうと、それがカルテや後遺障害診断書に記載され、後遺障害等級の認定時にマイナスに働くことがあるのです。
そのため、医師に対しては、
- 症状をすべて丁寧に伝える
- 症状を重く言ったり、ありもしない症状を言ったりしない
ということが重要です。
適切な後遺障害診断書を作成してもらうためのポイントについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【後遺障害診断書とは】有利に等級認定してもらうための流れとポイント
まとめ
いかがでしたか?
最後に今回の内容をまとめます。
【交通事故に強い弁護士の特徴】
- 依頼前に請求可能な示談金額を教えてくれる
- 医師と提携
- 保険会社の手口を熟知している
- 返金保証や後払いなどの仕組みを導入している
【避けるべき法律事務所】
- 大手の法律事務所
- 自宅から近いだけの法律事務所
- 顧問医師と連携していない法律事務所
【弁護士費用の内訳(特約がない場合)】
- 相談料・・・相談時にかかる費用。0〜1万円程度。
- 着手金・・・依頼時にかかる費用。0〜30万円程度。
- 報酬金・・・示談金がもらえた場合にかかる費用。20万円+示談金の10%程度であるのが一般的。
- 実費(事務所分)・・・郵送、印刷、弁護士の交通費などで、1〜3万円程度。
- 日当・・・裁判所や警察署などに弁護士が行く必要がある場合の費用。
【弁護士に依頼する前にやっておくべきこと】
- 弁護士費用特約が使えるか調べておく
- 領収書や診断書をもらっておく
【弁護士に依頼する前に避けるべきこと】
- 保険会社の言うままに示談書にサインし郵送する
- 病院ではなく整骨院だけに通う
- 医師に対して症状についてウソをつく
この記事の内容を参考に、できるだけ早めに行動を開始してください。