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【トラック運転手向け】残業代請求の全手順と正しい残業代の計算方法

QUEST法律事務所

代表弁護士住川 佳祐

残業代を貰っていないトラック運転手

あなたは、以下のような疑問悩みを持っていませんか?

トラック運転手にありがちな悩み

「残業代が出ない」「残業代が少ない」というのは、トラック運転手にありがちな悩みですが、「会社から出ないと言われいるから」と諦めるのは早いです。

なぜなら、トラック運転手にも、会社は残業代を支払わなければならないことが、法律で決められているからです。

そのため、支払われていない残業代は、会社に請求することで取り返せる可能性が高いです。

請求できる金額はあなたが予想しているよりずっと高額になる可能性があります。たとえば、月給20万円で、月100時間分の残業代が未払いとみなされた場合、請求できる残業代は、352万8000円にもなります。

ただし、残業代請求を成功させるためには“正しい行動方法”を知っておくことがとても大事です。

そこで、この記事では、

  • 自分の残業代も不当に少なくされていないかチェックするポイント
  • 残業代が請求できる期間(時効)について
  • 残業代の請求方法
  • 残業代の請求方法と集めておくと有利になる証拠

などについて解説します。

長文ですので、まずはブックマークして、記事を参照しながら行動をしてみることをおすすめします。

トラック運転手の残業代請求の方法を解説する記事の流れ

目次


1章:あなたの残業代もごまかされている?チェックシートとありがちな会社の手口

社員
会社からもらっている残業代が少ない気がするのですが、給与体系が複雑で、自分が全額ちゃんともらえているのかよく分かりません。
弁護士
トラック運転手によくあるケースですね。他にも、様々な手段で残業代がごまかされていることがありますので、残業代が適正か自分で判断するための知識を持っておくことが大事です。
 たとえ会社から「残業代はしっかり支払っている」と言われているとしても、会社から騙されないためには、本当に全額支払われているか自分で判断しなければなりません。

自分で判断するためには、「労働時間がカウントされる仕組みを知ること」「残業代がごまかされる仕組みを知ること」が大事です。

それでは、順番に解説していきましょう。

1-1:トラック運転手でも残業代が出る!労働時間がカウントされる仕組みとは

トラック運転手の場合、

  • 渋滞に巻き込まれて運転していた時間が長くかかった
  • 荷待ち時間が長引いてしまった

などの理由で残業することが多いと思います。これらの時間も、実は残業時間になるのです。

そもそも「1日8時間・週40時間」のどちらか一方でも超えて働いた時間は、すべて残業時間になります。

1日8時間・週40時間を超えたら残業

トラック運転手の場合は、どこが休憩でどこが労働時間なのかが問題になることが多いですが、原則として「使用者の指揮命令下に置かれている時間」はすべて労働時間としてカウントされます。その労働時間分も含めた賃金が支払われなければ違法です。

社員
つまりどういうことでしょうか?
弁護士
会社から明確に「この時間働きなさい」と業務命令されていた時間や、明確に言われて命令されていなくても、業務上、その時間働かざるを得なかった場合は、その時間のすべてが労働時間としてカウントされるのです。
 つまり、トラック運転手でも、

  • 渋滞に巻き込まれて配送時間が長くなった
  • 荷待ち時間があった

などの場合で、上記の条件に当てはまるなら、残業代が出なければ違法なのです。

1-2:残業代が未払いになっているかチェックしよう

それでは、次に、あなたの残業代がごまかされていないか判断してみる必要があります。

正確に判断するためには専門知識が必要になりますので、まずはおおまかにチェックしてみましょう。

以下のチェックリストの項目に1つでも当てはまるものがあれば、あなたの会社は違法行為をしており、請求することで残業代を取り返すことができる可能性が高いです。

【チェックリスト】

□残業代が固定給で、どれだけ働いても金額が変わらない

□歩合給を導入していることを理由に残業代が一切払われていない

□いろいろな名目の天引きがあり、残業代と相殺されている

いかがでしょうか?1つでも当てはまるものがあるならば、ぜひ会社に残業代を請求することをおすすめします。

社員
私も当てはまるものがあります。これらのことを言われていたら騙されているということなんですか?
弁護士
騙されている可能性が高いです。特に「歩合給だから」などの理由で残業代が出ないことは、よく使われる手口です。
 それでは、ブラック企業がトラック運転手によく使う、残業代をごまかす手口についてご紹介します。

1-3:トラック運転手の残業代をごまかすブラック企業の手口

ブラック企業がトラック運転手の残業代をごまかす手口には、以下のものがあります。

  • 荷待ち時間は労働時間ではない」と主張する
  • 歩合制だから残業代は出ない」と主張する
  • 請負だから残業代は出ない」と主張する
  • 複雑な給与体系にしてごまかす

順番に解説します。

1-3-1:「荷待ち時間は労働時間ではない」と主張する

荷待ちするトラック運転手

経営者
荷待ちしている時間は運転していないんだから、労働時間としてカウントするわけがないだろう。
経営者
荷待ち時間は休憩時間なんだから、その分の賃金は発生しなくて当然だ。
トラック運転手の仕事をしている限り、どれだけ工夫しても、どうしても荷主の都合で「荷待ち時間」が発生します。この時間を、会社から「労働時間じゃないから賃金は発生しない」と言われている場合、それは違法です。

なぜなら、過去の判例から、荷待ち時間は休憩時間ではなく、労働時間としてカウントされることになっているからです。

そのため、残業代を請求するときには、この荷待ち時間も労働時間としてカウントして計算する必要があります。荷待ち時間も入れると、残業代が大幅にアップする可能性があります。

1-3-2:「歩合給制だから残業代は出ない」と主張する

経営者
うちの会社では歩合給制を導入しているから、残業代は発生しないんだよ。
ブラック企業に多いのが「歩合給制」を理由に「残業代が出ない」と主張する手口です。

歩合給制は残業代の計算方法が特殊なだけで、残業代が出ない制度ではありません。そのため、あなたの会社がこのようなことを主張し、残業しても残業代を出さないのだとしたら違法です。

この場合も、残業代を請求して取り返すことができる可能性が高いです。

また、「歩合給」に残業代が含まれていると説明されて残業代が支払われないことも多くあります。

この場合も、歩合給のうち、いくらが残業代なのか社員にとって明確でないのならば、過去の最高裁判例にのっとって、「残業代が含まれる」ことが無効となります。

ただ漠然と「歩合給に残業代が含まれている」と言われたとしても、いくらが残業代なのかわかりませんよね。

なのでこの場合、残業代が含まれると会社が説明していたとしても、無効ということになります。

つまり、結局残業代は一銭も支払われていないことになるのです。

このような判断は、非常に難しいため、弁護士などの専門家に問い合わせるとよいでしょう。

1-3-3:「請負だから残業代は出ない」と主張する

経営者(本音)
あなたは請負契約だから、うちの社員ではない。社員じゃないから残業代は出ないに決まっている。
トラック運転手に多いのが、会社との間で、雇用契約ではなく「請負契約」を締結しているケースです。しかし、請負契約だったとしても、

  • 仕事を選ぶ自由がない
  • 車両は会社が所有している
  • 自分の裁量で業務を行う自由がない
  • 給料が源泉徴収されている

などの場合は、実態としては雇用契約と変わらないため、残業代を請求できる可能性が高いです。

1-3-4:複雑な給与体系にしてごまかす

社員
給与体系が複雑すぎて残業代が正しく支払われているかよく分からない・・・
運送会社に多いのが、給与体系が非常に複雑になっていることです。これは、トラック運転手という職種が、特殊な勤務形態が必要とされるため、という理由もあります。

しかし、残業代の支払いを免れるためにわざと複雑にしているケースもあり、社員は自分の残業代が適正な金額支払われているのか分からない、ということも多いです。

このような会社の場合は、残業代を不当に少なく支払っている可能性も高いです。ただし、自分で残業代を計算するのは困難ですので、弁護士に依頼して計算してもらい、会社に請求することをおすすめします。

社員
当たり前のように信じていましたが、うちの会社でも同じようなことが言われています。
弁護士
ブラック企業は、社員が無知であることを利用して、少しでも安い賃金で長時間働かせようとします。あなたも、長時間残業している場合は、請求すると高額の残業代を取り返せる可能性があります。
 会社に請求できる金額は、あなたが思っているよりもずっと高額になることが多いです。

(例)

  • 固定給20万円+歩合給10万円
  • 残業時間100時間+一月平均所定労働時間170時間=総労働時間270時間

※一月平均所定労働時間とは、会社が定めた1ヶ月の労働時間のことで、170時間前後であることが多い。

以上の条件の場合、1ヶ月の残業代は15万6250円になります。

詳しい計算方法については、3章で解説します。

残業代は2年分さかのぼって請求できるため、トータルで375万円にもなります。これほどの金額を取り返すことができる可能性があるのですから、請求しなければ大きな損なのです。

社員
思っていたより大きな金額になるようなので驚きました。私も請求したいです。
弁護士
そうですよね。請求方法について解説する前に知っておくべき点があります。それは、残業代請求には2年の時効があり、それを過ぎると取り返すことができなくなるということです。
 


2章:毎月残業代が消滅する!残業代請求の時効

弁護士
残業代は、いつまでも請求できるわけではありません。給料日から2年がたつと時効が成立し、二度と取り返すことができなくなってしまいます。
 残業代請求には「2年」の時効があります。

時効の基準となるとは「給料日」で、2年前の給料日に支払われる予定だった残業代が、その2年後の日付で時効が成立し、請求できなくなるのです。

そのため、毎月給料日がくるたびに、1ヶ月分の残業代が消滅していきます。したがって、少しでも多くの残業代を取り返すために、できるだけ早く行動を開始する必要があります。

残業代請求の時効については、以下の記事で詳しく解説しています。

残業代請求の時効は2年!時効を止める3つの手段と具体的な手続きの流れ

社員
早く行動しないといけないのですね!でも、行動する前に、自分がどのくらいの残業代を請求できるのか知りたいです。
弁護士
それでは、次に残業代の計算方法について解説しましょう。
 計算方法よりも、先に残業代を請求する方法について知りたいという場合は、「4章:弁護士に依頼するのがおすすめ!残業代の請求方法を徹底解説」に進んでください。


3章:本来の残業代を把握しよう!トラック運転手の場合の残業代の計算方法

あなたの残業代が適正な金額かどうか判断するためには、実際にあなたの残業代を計算してみる必要があります。

ただし、トラック運転手の場合は、残業代の計算方法が複雑になることが多いです。その場合、自分だけで計算することは難しく、間違えてしまう可能性もあります。

そのため、できるだけ弁護士に依頼して、正しく計算してもらうことをおすすめします。

「それでも自分で計算してみたい」という人もいるかもしれませんので、これから計算方法について解説します。

3-1:残業代の計算式

トラック運転手の場合、

  • 固定給のみ
  • 固定給+歩合給制

のどちらかの給与体系になっていることが多いです。

そこで、残業代の計算方法について、

  • 固定給のみの場合の計算(固定給部分の計算)
  • 固定給+歩合給の場合の計算

に分けて解説します。

【固定給のみの場合の計算式】

給与が固定給のみで歩合給が支払われていない場合、残業代は以下の計算式で計算できます。

残業手当の計算式

①基礎時給を計算する

基礎時給とは、1時間当たりの賃金のことで、以下の式で計算できます。

基礎時給の計算式

※一月平均所定労働時間とは、会社で決められている1ヶ月の労働時間のことで、170時間前後であることが多いです。

(例)月給20万円、一月平均所定労働時間170時間

20万円÷170時間=基礎時給1176円

②割増率をかける

割増率には、以下の種類があります。

  • 通常の残業:1.25
  • 法定休日の労働:1.35
  • 深夜労働:割増率+0.25

深夜労働とは、「22時〜翌朝5時」の中で働いた時間のことです。

深夜労働をした場合の割増率

(例)基礎時給が1176円の場合、

通常の残業:1176円×1.25倍=1470

深夜労働:1176円×(1.0倍+0.25倍)=1470

深夜残業:1176円×(1.25倍+0.25倍)=1764

法定休日の労働:1176円×1.35倍=1587

③残業時間をかける

残業時間は、先ほどの触れたように、「18時間・週40時間」を超えて働いたすべての時間のことです。

(例)基礎時給1176円、残業100時間の場合(うち深夜残業20時間の場合)

1176円×1.25倍×80時間=117600

1176円×1.5倍×20時間=35280

11万7600円+35280円=152880

給与体系が固定給のみの人の場合は、上記の例では、残業代は1ヶ月で152880円になることが分かります。

残業代を請求する場合、2年分さかのぼって請求できるため、最大で、

15万2880円×24ヶ月=366万9120円

にもなります。

【固定給+歩合給の場合の残業代の計算方法】

給与体系に歩合給の部分がある場合、基礎時給の計算方法が異なります。

①基礎時給を計算する

歩合給制の場合の基礎時給の計算方法は以下です。

(例)歩合給10万円、総労働時間270時間(一月平均所定労働時間170時間+残業100時間)の場合

10万円÷270時間=370円

②割増率をかける

次に、基礎時給に割増率をかけますが、歩合給の場合は「1.25倍」ではなく「0.25倍」をかけます。深夜残業の場合は「0.5倍」になります。

(例)歩合給の基礎時給が370円の場合

370円×0.25倍=92.5円

③残業時間をかける

最後に、上記で計算したものに残業時間をかけます。

(例)残業100時間の場合

92.5円×100時間=9250

固定給+歩合給で残業代が支払われている場合は、

  • 固定給部分の残業代を計算
  • 歩合給部分の残業代を計算
  • それぞれの残業代の金額を足す

という計算で、あなたが本来もらうべき残業代を計算することができます。

(例)

  • 固定給20万円
  • 歩合給10万円
  • 月の残業時間100時間(うち深夜残業20時間)

固定給部分の残業代:152880

歩合給部分の残業代:9250

15万2880円+9250円=16万2130円

2年分で、389万1120円にもなります。

3-2:荷待ち時間も残業!カウントすると残業代が増える

さらに、「荷待ち時間」も労働時間にカウントすることで、残業代計算に算入できる「残業時間」も増えて、請求できる残業代の金額が大きくアップする可能性があります。

荷待ち時間をカウントすると、残業時間が30時間アップしたとして、実際に以下の例で計算してみましょう。

(例)

  • 固定給20万円
  • 歩合給10万円
  • 月の残業時間130時間(うち深夜残業20時間)

固定給部分の残業代:196980

歩合給部分の残業代:1833

10万6980円+1833円=20万7813円

2年分で、498万7512円にもなります。

このように、荷待ち時間も労働時間としてカウントすることで、請求できる残業代は大幅にアップする可能性が高いです。

社員
残業代の計算方法はなんだか難しいですね・
弁護士
そうですね。特に歩合給も導入されている人の場合は、計算が複雑になります。間違った金額で請求すると交渉が失敗するかもしれないので、弁護士に依頼するのがおすすめなのです。
 
社員
そうなんですね!それでは、実際にどうしたら請求することができるんでしょうか?
それでは、これから残業代の請求方法について詳しく解説します。


4章:弁護士に依頼するのがおすすめ!残業代の請求方法を徹底解説

会社に残業代を請求する方法には、

  • 自分で直接請求する方法
  • 弁護士に依頼する方法

2つがあります。

これらの方法では手続きの流れが異なり、それぞれ以下のような流れで進められていきます。

未払い給料を会社に請求する流れ

結論としては、これらの方法には以下のようなメリット・デメリットがあるため、弁護士に依頼することがもっともおすすめです。

なぜなら、自分で行う方法では大きな「手間」「時間」「心理的負担」が余計にかかるだけでなく、弁護士に頼む方が取り返すことができる金額が大きくなる可能性が高いからです。

残業代請求を自分でやる場合と弁護士に依頼する場合の違い

とはいえ、「まずは自分で請求したい」という場合もあると思いますので、自分で請求する方法からご紹介します。

弁護士に依頼する方法が早く知りたい、という場合は「4-2:より多く取り戻すために弁護士に依頼しよう」をご覧ください。

41:自分でできる2つの方法の流れとポイント

弁護士
自分で請求する方法には、
・自分で直接会社に請求する
労働基準監督署に申告して解決を図る
という2つのものがあります。
 それぞれの方法の流れについて解説します。

4-1-1:自分で会社に「配達証明付き内容証明郵便」を送って直接請求する

自分で会社に直接残業代を請求する場合、以下のように4つのステップで手続きを進めることになります。

①未払いの残業代が存在することを証明できる証拠を集める

②請求する残業代の金額を計算する

③会社に「配達証明付き内容証明郵便」を送って、時効を止める

④自分で会社と直接交渉する

ステップ③で内容証明を送ったところから会社との交渉がスタートします。運が良ければ、内容証明が届いた時点で支払いに応じる会社もあるかもしれません。

しかし、多くのブラック企業は、あなたになるべく残業代を払いたくないため、顧問弁護士等を介して減額の交渉をしてくるでしょう。

どの金額で折り合いがつくかは、あなた次第ですが、相手は、法律のプロである弁護士なので

  • 本来もらえるはずの金額よりも少ない額で妥協しなければならない
  • そもそも配達証明付き内容証明郵便を送ったことすら無視され、会社から相手にして貰えない

という可能性があります。

そんな場合は、次に紹介する「労働基準監督署」に相談するのも一つの選択肢です。

4-1-2:労働基準監督署に申告する

弁護士
労働基準監督署」とは、厚生労働省の出先機関で、労働基準法に基づいて会社を監督するところです。給料の未払いは労働基準法違反のため、労働基準法に相談することで解決にいたる可能性もあります。
 労働基準監督署への申告は、以下のような流れで可能です。

労働基準監督署に申告する流れ

このような流れで労働基準監督署に申告することができるのですが、この方法は「残業代を請求したい場合」は、あまりおすすめではありません。

弁護士
労働基準監督署は、労働基準法に違反している会社の行為を「正す」機関であり、あなたの残業代を取り返してくれる機関ではありません。そのため、残業代を請求したいというあなたのために積極的に動いてくれる可能性は低いのです。
 また、労働基準監督署は、労働者からのすべての申告で動くわけではありません。それは、全国には400万を超える法人があるにもかかわらず、日本の労働基準監督署の人員は、非常勤の職員を含めても約2400人しかおらず、明らかに人員不足だからです。そのため、危険作業や労働災害などの「人命に関わる問題」などが優先して処理されるため、「残業代の未払い」では、動いてもらえない可能性が高いのです。
弁護士
実際、2016年の11月から2017年の10月までの1年間で、東京都内で、残業代の未払いで書類送検されたのはたったの4件のみです。
 そこで、残業代を取り返す場合には、最初から弁護士に依頼することをおすすめします。

残業代請求を自分で行う方法について、詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧になってください。

自分で残業代を請求する3つの方法と専門弁護士が教える請求額を増やすコツ

4-2:より多く取り戻すために弁護士に依頼しよう

弁護士
残業代請求の成功する確率を上げるために、弁護士に依頼することをおすすめします。なぜなら、残業代の計算や交渉は、専門的な知識が必要なため、1人で戦っては会社側の弁護士に負けてしまうからです。
 

残業代請求を弁護士に依頼する流れ

社員
弁護士に依頼して裁判みたいな大事にするのはちょっと・・・
弁護士
実は、弁護士に依頼すると言っても「訴訟(裁判)」になることは少ないです。ほとんどが交渉や労働審判という、訴訟(裁判)よりも簡単な手続きで解決します。
 
社員
でも、弁護士に依頼すると高いお金を払わないといけないイメージがあるんだけど・・・
弁護士
実はそうとも限りません。残業代請求を専門にしている「完全成功報酬制」の弁護士に依頼すれば、「相談料」や「着手金」ゼロで依頼することができます。
 弁護士に依頼した場合、

  • 交渉
  • 労働審判
  • 訴訟(裁判)

という流れで、解決に向けて手続きが進められていきます。その内容について順番に解説します。

4-2-1:ほとんどこれで解決!弁護士と会社の「交渉」

弁護士
交渉とは、弁護士が会社との間に入って、電話・書面・対面で直接会社と交渉してトラブルの解決を図るものです。
 
社員
また会社の人と会ったりするのは怖いなあ。
弁護士
弁護士があなたからヒアリングした内容をもとに交渉しますので、あなたが会社に出向く必要はありません。
 交渉ではあなたが会社の人と会う必要はありません。

また、あなたが在職中で、これから退職を考えている場合、実際に交渉を開始する時期については相談可能です。つまり、会社にばれないようにこっそり準備を進め、退職と同時に残業代を請求し、交渉を開始するということも可能です。

交渉で合意に至らなかった場合に、労働審判や訴訟に進むことになります。

弁護士が会社と交渉

4-2-2:交渉で解決しなかった場合は「労働審判」

弁護士
交渉で決着が付かなかった場合、労働審判を行います。
 
社員
それって裁判とは違うの?
弁護士
労働審判とは、裁判所に行き、会社・あなた・裁判官などの専門家で問題の内容を確認し、解決の方法を探す方法です。裁判よりも手続きが簡単で、費用も少なく、解決までの期間も短いのが特徴です。
 
社員
解決するまで何度も裁判所に行かなきゃいけないのかな?
弁護士
最初の1回のみはあなたも行く必要がありますが、それ以降は参加の必要がない場合もありますよ。また、1回目で決着するパターンも多いです。
 労働審判は以下のような流れで、解決まで進められます。

労働審判の流れ

1回労働審判で解決されれば、申立てから1〜2ヶ月程度、第2回、第3回まで延びれば1ヶ月〜2ヶ月程度期間も延びることになります。

労働審判は、最大3回までと決められているため、裁判のように何回も裁判所に行ったり、長期化することがないのが特徴です。

多くの場合、「交渉」か「労働審判」で決着が付きますが、労働審判において決定されたことに不服がある場合は、訴訟(裁判)へ移行します。

4-2-3:最後の手段が訴訟(裁判)

弁護士
訴訟(裁判)は労働審判と違い、何回までという制限がなく、長期に渡り争い続ける可能性があります。ただし、あなたはほとんど出廷する必要がありません。行く必要があるのは本人尋問のときだけです
 訴訟(裁判)では、裁判所で「原告(あなたもしくは、あなたが依頼した弁護士)」と「被告(会社)」が主張し合い、裁判官が判決を下します。

訴訟の流れはこのようになっています。

訴訟(裁判)の流れ

最高裁まで行くことはほとんどないため、多くは地方裁判所までの12年程度で終わるようです。

裁判所で「原告(あなたもしくは、あなたが依頼した弁護士)」と「被告(会社)」が主張し合い、裁判官が判決を下します。

裁判になると数年単位で争うこともありますが、先ほどお伝えした通りで裁判まで行くことはほとんどなく労働審判で決着がつきます。

弁護士
このように、弁護士を利用して訴えれば、あなたが思うよりも手間・時間・お金をかけずに、残業代を請求することができるのです。
 最後に、残業代請求を成功させるために必要な、集めるべき証拠について解説します。


5章:自分で集めておくと有利になる証拠

弁護士
証拠集めは、まずは自分で行うことをおすすめします。証拠集めも弁護士に依頼することは可能です。しかし、弁護士が証拠を要求しても提出しない悪質な会社もあるため、会社に在籍しているうちに、自分で証拠を集めておくことがより確実なのです。
 集めるべき証拠には、「残業代が未払いであることを示す証拠」と「残業時間を示す証拠」を集める必要があります。

【残業代が未払いであることを示す証拠】

  • 雇用契約書
  • 就業規則
  • 賃金規定
  • シフト表
  • 給与明細
  • 賃金台帳

【残業時間を示す証拠】

勤怠管理している会社で有効な証拠

  • タイムカード
  • タコグラフ
  • 業務日報
  • 運転日報
  • メール・FAXの送信記録

トラック運転手の場合、タコグラフがもっとも集めやすい証拠です。平成29331日までに、車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上のすべての事業用トラックに、タコグラフを装着することが義務づけられているからです。

また、運転日報などの日報がある場合はそれもできるだけ在職中にコピーをとっておくとよいでしょう。

勤怠管理していない会社で有効な証拠

 

  • 手書きの勤務時間・業務内容の記録(最もおすすめ)
  • 残業時間の計測アプリ
  • 家族に帰宅を知らせるメール(証拠能力は低い)

証拠として一番良いのは①です。毎日手書きで、1分単位で時間を書きましょう。具体的な業務についても書くのがベストです。のメールは、裁判になると証拠としては弱いので、できるだけ手書きでメモを取りましょう。

証拠は、できれば2年分の証拠があることが望ましいですが、なければ半月分でもかまいません。できるだけ毎日の記録を集めておきましょう。

ただし、手書きの場合絶対に「ウソ」の内容のことを書いてはいけません。証拠の中にウソの内容があると、その証拠の信用性が疑われ、証拠として利用できなくなり、残業していた事実を証明できなくなる可能性があります。

そのため、証拠は「1930分」ではなく、「1927分」のように、1分単位で記録するようにし、正確に記録していることをアピールできるようにしておきましょう。


まとめ

いかがでしたか?

最後にもう一度、今回の内容を振り返ってみましょう。

まず、多くのトラック運転手は、会社から以下のようなことを言われて、残業代をごまかされていることがあります。

  • 「荷待ち時間は労働時間ではない」と主張する
  • 「歩合制だから残業代は出ない」と主張する
  • 「請負だから残業代は出ない」と主張する
  • 複雑な給与体系にしてごまかす

ただし、適切な手段で請求することで、残業代は取り貸せる可能性が高いです。

【残業代の請求方法】

  • 自分で直接会社に「配達証明付き内容証明郵便」を送る
  • 労働基準監督署に申告して解決を図る
  • 弁護士に依頼して請求してもらう

【自分で集めておくべき証拠】

残業代が未払いであることを示す証拠

・雇用契約書

・就業規則

・賃金規定

・シフト表

・給与明細

・賃金台帳

残業時間を示す証拠

  • タイムカード
  • タコグラフ
  • 業務日報
  • 運転日報
  • メール・FAXの送信記録
  • 手書きの勤務時間・業務内容の記録(最もおすすめ)
  • 残業時間の計測アプリ
  • 家族に帰宅を知らせるメール(証拠能力は低い)

トラック運転手は「荷待ち時間」も労働時間にカウントされるため、残業代は高額になる可能性があります。時効が成立してしまう前に行動を開始することをおすすめします。

【参考記事一覧】

残業代請求の時効について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

残業代請求の時効は2年!時効を止める3つの手段と具体的な手続きの流れ

残業代請求を自分でやりたい、という人は、以下の記事をご覧ください。

自分で残業代を請求する3つの方法と専門弁護士が教える請求額を増やすコツ