- 更新日:2024.09.06
- #職場いじめ退職
【職場のいじめ】退職すべき2つの理由とトラブルを防ぐ対処法を解説
この記事を読んで理解できること
- 職場でいじめられているなら退職するべき!
- 職場でのいじめを理由に退職する場合の手続き
- 職場いじめの退職時によくあるトラブルと対処方法
- 職場いじめで退職したら損害賠償請求できる?
- 職場いじめで退職する前にやっておくべきこと
あなたは、職場でいじめ(パワハラ)にあい、
などと思ってはいませんか?
職場では毎日多くの時間を過ごすと思いますので、そこでいじめ(パワハラ)に合うと、辛く苦しい毎日になりますよね。
そこで「退職したい」と思うのは当然のことです。
結論から言えば、現在の職場でいじめられているなら、できるだけ早く退職してしまうことをおすすめします。
なぜなら、いじめ(パワハラ)による心理的な負担が溜まっていくと、自分でも気づかないうちに心を病み、重い精神疾患にかかってしまう可能性もあるからです。
職場の環境は自分の力だけでは変えることは難しく、放っておくとより陰湿になることもあるため、いっそ環境を変えて、気持ちも入れ替えて働いた方が自分のためになるでしょう。
ただし、いじめ(パワハラ)が起こるような職場なら、退職時にも「退職拒否」「嫌がらせ」などのトラブルが発生する可能性があります。
そのため、円滑かつ確実に、あなたが損しないように退職する手続きの流れを知っておくことが大事です。
そこでこの記事では、まずはあなたが職場を退職すべき理由と、不利にならないように退職する手続きの流れとポイントについて解説します。
さらに、退職時にありがちなトラブルへの対処方法や、いじめ(パワハラ)加害者への「損害賠償請求」についてもご紹介します。
目次
1章:職場でいじめられているなら退職するべき!
職場でいじめられて、
「毎日仕事に行くのが辛い」
「会社を辞めようかな」
「でも辞めてしまうのは逃げになるのかな」
と思っているあなたは、すぐに退職の準備をはじめ、できるだけ早く退職することをおすすめします。
その理由は、
- いじめ(パワハラ)によるストレスが蓄積されると精神疾患発症のリスクがあるため
- 職場の環境や人間関係を自力で変えるのは難しいため
の2つです。
それぞれについて解説します。
それより先に、具体的な退職の手続きの流れが知りたい場合は、2章から読んでください。
1-1:いじめが続くと精神疾患などのリスクがある
職場でのいじめ(パワハラ)は、あなたの心を大きく傷つけるもので、その環境で働き続けることは大変大きなストレスになります。
職場でのいじめ(パワハラ)に耐え続けるほどあなたの心には負荷が蓄積されていき、以下のような精神疾患を発症し、最悪の場合は自殺に至るリスクすらあります。
①ストレス反応
②適応障害
③パニック障害
④気分障害(うつ病など)
⑤自殺
①ストレス反応
ストレス反応とは、誰もが感じる職場のストレスによる「イライラする」「眠らない」「頭痛・腹痛」「吐き気」「食欲低下」「集中力低下」などのことです。
こういった症状が出始めたら、精神疾患発症の一歩手前まできている可能性があります。
②適応障害
適応障害とは、特定の状況・出来事をとても辛く感じる精神疾患のことで、たとえば
「職場に行くと憂鬱な気分になる」
「不安でいっぱいになる」
などの場合は、適応障害になっている可能性があります。
普通の生活ができないほどの抑うつ気分・不安などがあり、職場を無断欠席してしまうなどの行動にも影響が出て来ます。
③パニック障害
パニック障害とは、突然胸の苦しさ、吐き気、手足の震えなどの発作が起こり、発作への恐れから通常の生活が送れなくなる精神障害のことです。
適応障害のように特定の状況で症状が出るのではなく、理由なく突然発作が起こるため、普段通りの生活を送ることがより難しくなります。
④気分障害
気分障害とは「うつ病」「双極性障害」などのことです。
うつ病とは、眠れない、食欲がない、何ごとも否定的に捉えてしまう、といった症状の精神疾患で、脳の機能に障害が起こっている状態です。
双極性障害とは、うつ病の「うつ状態」に加えて、その対極である「躁状態」という症状を繰り返す精神疾患のことです。
うつ状態や躁状態になると、感情によって生活が大きく左右されてしまい、家族や友人などの周囲の人も、自分の行動に巻き込んでしまうことがあります。
薬物治療が必要になることも多いようです。
⑤自殺
職場でのいじめ(パワハラ)に耐える生活を続けると、こうした精神疾患のリスクが高まり、気づかないうちに発症・悪化していく可能性があります。
精神疾患の悪化は、最悪の場合自殺にもつながることがあります。
【精神障害・自殺の件数】
厚生労働省発表では、精神障害に関する請求件数は、平成28年度の1年間で1586件、支給決定件数は498件もありました。
さらに、このうち自殺(未遂を含む)の件数は84件もありました。
いじめ(パワハラ)のストレスは、その職場でのいじめ(パワハラ)の激しさや、その環境にいる期間が長いほど、あなたの心を破壊していきます。
1-2:職場の環境や人間関係を変えるのは難しい
人間関係を変えるのは大変大きなエネルギーのいることです。
ましてや、あなたをいじめる(パワハラする)人がいる環境で、ただでさえストレスを抱えているのに、そこでの人間関係を変えるのは至難の技です。
仮に一時的にいじめ(パワハラ)を止めさせることができたとしても、そう簡単にあなたをいじめていた人の「考え方」は変わりません。
その職場に居続ければ、再びいじめに合うようになる可能性は大きいでしょう。
そのため、職場でいじめ(パワハラ)にあっている場合の最も確実な対処方法は、職場を変えて、人間関係も一から築いて行くことなのです。
2章:職場でのいじめを理由に退職する場合の手続き
たとえいじめられていたとしても、「突然勝手に会社に行かなくなる」といったことは、やってはいけません。
きちんとした手続きを取らなければ、あなた自身が不利益を被る可能性があるからです。
そこで、退職する場合は以下の流れに従って手続きを進めてください。
それでは、それぞれの手続きについて詳しく解説します。
2-1:退職届を提出する
【退職意思を伝える時期】
まず、退職時はできるだけ1ヶ月以上前に退職の意思を伝えることが必要です。
普通の会社ならば、1ヶ月では期間が短いため、2ヶ月以上前に伝えておくとよりよいです。
ただし、あなたの受けているいじめ(パワハラ)に上司なども加担している場合、退職の意思を早くから伝えておくと嫌がらせを受ける可能性もありますので注意してください。
嫌がらせなどの対処方法については、3章で詳しく解説しています。
【退職意思を伝えるときのポイント】
退職の意思を伝えると、まず引き止められる可能性があります。
そのため、以下のポイントを覚えておいてください。
- 上司と2人で話す場を設ける
- 話を中断されないために、忙しくない時間帯を選ぶ
- 「辞めたいと思っている」などではなく、はっきり「辞めます」と伝える
- 「いじめられているから」などネガティブな理由ではなく、ウソでも「やりたいことが見つかった」などポジティブな理由を伝える
それでも、退職を拒否されてしまった場合の対応方法については、後ほど解説します。
【退職届を書く】
退職届には、詳しい退職の事情などを書く必要はありません。
会社によってフォーマットが用意されていることもありますが、なければ以下のものを参考にしてください。
《退職届フォーマット》
退職届
私事、一身上の都合により、来る平成○○年○月○日をもって退職致します。
平成○○年○月○日
○○事業部○課 退職太郎 印
○○株式会社 代表取締役○○殿
2-2:引き継ぎ・挨拶回りを行う
退職届けを提出したら、
- 具体的な退職時期の決定
- 有給消化の時期
- 引き継ぎの計画
などを、上司との間で決めて、計画的に行動していきましょう。
また、引き継ぎの業務などと並行して、これまでにお世話になった社内の人に、挨拶回りをしましょう。
このとき、職場でのいじめの加害者にも、建前上は挨拶するべきです。
なぜなら、その人に退職することを伝えなくても、必ず耳に入ることになりますし、完全に会社を退職するまでは、下手に感情を逆撫でして、いじめが過激になるようなことを避けるべきだからです。
ただし、あなたのいじめ(パワハラ)の上司も加担している場合、退職手続き提出後において、
「退職時期を決めてくれない」
「有給休暇を消化させてくれない」
などの可能性がありますので、このケースの対応方法については後ほど解説します。
2-3:有給休暇を消化する
あなたは、有給休暇について、「会社からの許可がないと取得できない」と勘違いをしていませんか?
しかし、実は、法律上有給休暇は社員が申請すれば、無条件で取得することができます。
社員は会社に理由をいう必要もありません。
法律上、社員には以下の日数の有給休暇が付与されます。
退職時に残っている日数があれば、会社に申請してすべて消化しておくことをおすすめします。
ただし、有給休暇を取得できるのは、以下の条件を満たす場合のみです。
【有給休暇取得の条件】
雇い入れの日から6ヶ月以上勤務
全労働日の8割以上出勤
有給休暇は、以下の流れに沿って申請することが可能です。
直属の上司からいじめられている場合、退職時に有給休暇の消化を拒否される可能性もあります。
しかし、有給休暇の申請を会社は原則断ることができませんので、堂々と申請してすべての日数を消化して、退職しましょう。
2-4:会社都合退職扱いにして失業保険を受給する
会社で退職手続きを進める中で、会社から「離職票」を受け取ります。
会社からいじめ(パワハラ)を受けていた場合、離職票に「自己都合退職」と書かれていても、「会社都合退職」扱いにして、失業保険を有利に受給することができます。
失業保険とは、次の会社に入社するまでの一定の期間、一定額のお金を国からもらうことができる制度です。
失業保険は、自己都合で退職した場合は「自己都合退職」、会社都合で退職を余儀なくされた場合は「会社都合退職」として扱われます。
そして、このどちらの扱いになるかによって、失業保険の受給できる条件や期間などが変わってきます。
- 自己都合退職・・・失業保険の優遇なし
- 会社都合退職・・・失業保険の優遇あり
実は、自分から会社を辞め、離職票に「自己都合退職」と記載されていた場合であっても、いじめ(パワハラ)を理由に退職した場合は「会社都合退職」扱いにできるケースがあります。
この場合、会社都合退職の場合と同様、失業保険の制度上大きなメリットがあるのです。
ただし、会社都合退職扱いにするためには、いじめ(パワハラ)の証拠をハローワークで提示する必要があります。
- メールの文面
- ICレコーダーやスマホでの音声の録音
- スマホ等で撮影した動画
- 病院にかかった場合の診断書
- 不当解雇の場合の解雇通知書
失業保険の優遇の内容や条件、手続きなどについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
2-5:いじめを理由に労災認定してもらう
もしあなたが職場でのいじめ(パワハラ)で、精神疾患を発症してしまっている場合、労災認定してもらえる可能性もあります。
労災認定されると「療養給付」「休業補償給付」などを受けることができます。
精神疾患による労災認定については、厚生労働省が定める「精神疾患に関する過労自殺の認定基準」で定められています。
精神疾患に関する過労自殺の認定基準とは、なんらかの精神疾患を発症した場合に、一定の基準を満たしていれば、労災認定されやすくなる基準のことです。
この基準によると、「ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」という場合に、心理的負荷の強度を「強」「中」「弱」の中で、「強」と判断して良いとされています。
精神疾患の場合、
- ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた
- 業務以外の心理的負荷になるような出来事がなかった
という場合に、いじめ(パワハラ)が原因でも労災認定を受けることができるケースがあります。
ただし、この労災認定を受けるためには、よほど激しいいじめ(パワハラ)を長期間に渡って継続的に受けていたことを証明する必要があります。
実際に認定を受けることができる可能性は低いようです。
3章:職場いじめの退職時によくあるトラブルと対処方法
退職時に会社との間で発生するトラブルとしては、
- 退職を拒否される
- 辞めるなら損害賠償請求すると言われた
- いやがらせをされる
の3つがよくあるものです。
これらのケースの対応方法について、詳しく解説します。
3-1:退職を拒否される
退職することを拒否された場合でも、あなたには「会社を辞める権利」があります。そのため、会社に対して事前に退職の意思表示をすることで、法律上あなたは退職することが可能です。
退職の意思表示は、証拠を残しておく必要があるため、
- 直属の上司や人事課長へメールを送る
- 退職届を「配達証明付き内容証明郵便」で会社に送る
などの方法で行いましょう。
これらの方法で証拠を残しておくことで、後から、会社から「退職することなんて聞いていない」などと言われても、意思表示したことを証明できるのです。
3-2:損害賠償請求すると言われた
あなたのいじめ(パワハラ)に上司も加担している場合や、そもそもあなたの会社がブラック企業である場合、退職すると言ったら、「損害賠償請求する」と言われるケースがあります。
しかし、会社は基本的に、社員に対して損害賠償請求できません。
また、仮に請求できたとしても相当な減額がされます。
たとえば、以下のようなケースがよくあります。
【「お前の代わりがいないから辞めさせない」と言われるケース】
「お前が辞めたら会社が忙しくなるから辞めさせない」「お前がやっていた仕事は誰がやることになるんだ」などと言われ、会社を辞められないというケースがあります。
しかし、そもそも雇用契約に盛り込まれていない理由で、社員に損害賠償請求することはできません。また、そもそも社員の都合で退職することに対して、違約金や損害賠償を求める契約を締結することは、法律上禁止されています。
このような理由で退職が拒否された場合も、「3-1」の対処方法と同様、1ヶ月前をめどに退職届を内容証明で会社に送り、引き継ぎをすれば、退職することが可能です。
【会社の備品を壊してしまったため損害賠償請求されるケース】
「会社の備品(運送業のトラックなどに多い)を壊したから、辞めるなら損害賠償請求する」と言われて、会社を辞められない、というのもよくあるケースです。
ただし、あなたが備品を壊してしまったとしても、通常は会社が保険に入っているため、あなた個人に請求されることはありません。
会社が保険に入っていない場合は請求されることがありますが、労働者の業務上のミスに基づく損害賠償請求は、以下のように、過去の判例では制限されています。
①労働者に故意または重過失がなければならないこと
②故意または重過失があったとしても、すべての損害を賠償する必要はないこと
以上のように、退職時に会社から損害賠償請求されても、多額の賠償が必要になることは、ほとんどないのです。
3-3:いやがらせされる
職場であなたが退職することを伝えると、
- 必要のない残業を強要される
- 大量の仕事を押し付けられる
- 人間関係から疎外される
- 悪口、いやみを言われる
などのように、さらにいじめ(パワハラ)が過激になる可能性もあります。
しかし、このようないじめ(パワハラ)を受けても、きちんと退職手続きを行い、引き継ぎ作業も行なえば大丈夫です。あなたには一切非はありません。
あまりにも激しいいじめ(パワハラ)を受けているようでしたら、2章でお伝えした「失業保険の優遇」「労災認定の証拠」などに使えるように、全て証拠として記録しておきましょう。
4章:職場いじめで退職したら損害賠償請求できる?
「いじめ(パワハラ)の加害者に法的な制裁を与えたい!」
これまでいじめ(パワハラ)で辛い思いをしてきたなら、このように考えることもあると思います。
しかし、実はいじめ(パワハラ)で賠償金を取ることは難しいのです。
その理由と、かわりに会社に残業代請求することでお金を取り戻す方法を解説します。
4-1:損害賠償請求が難しい理由
職場でのいじめ=パワハラでは賠償金がもらえない理由は、
①証拠を集めるのが難しい
②いじめ(パワハラ)の定義が曖昧
という2つです。
- 「君のためを思って説教しているんだ」という内容をICレコーダーで録音した
→一回の説教内容だけでは、本当に叱られているだけにも思える - 「一人だけ飲み会に呼ばれなかった」と日記に書いた
→一人だけ呼ばれなかったことを客観的に裏付ける証拠がない
いじめ(パワハラ)があったことを証明するためには、誰が見てもいじめ(パワハラ)だとわかる証拠が必要です。
一回説教されただけや、単に飲み会に呼ばれなかっただけだと証拠として弱く、長期間にわたってこのようなことが行われないと、いじめ(パワハラ)があったと認定するのは難しいのです。
②いじめ(パワハラ)の定義が曖昧
もう一つの理由が、「いじめ(パワハラ)」という言葉がぼんやりしているということです。
例えば、このような行為はいじめ(パワハラ)にあたるか微妙になってきます。
- スキルアップのため、難しい業務を与えた
- 次の業務に生かすため、ミスするたびに始末書を書かせた
- 雑談しているときに、家族についての話になった
いじめ(パワハラ)には大きな類型があるだけで、「これをしたらいじめ(パワハラ)」というはっきりとした基準があるわけではありません。
そのため、裁判でいじめ(パワハラ)があったと認定することは難しいのです。
4-2:退職を機に残業代請求も可能
会社でいじめ(パワハラ)を受けている場合、同時に会社でサービス残業させられていることもよくあります。
そこで、退職後に会社に対して未払い残業代を請求してお金をもらうという方法もあるのです。
未払い残業代は、実はかなりの高額になることがあります。
(例)
- 月給:25万円
- 一月平均所定労働時間:170時間
※一月平均所定労働時間とは、会社から決められた月の平均労働時間のことで、170時間前後であることが多いです。
- 1ヶ月の残業時間:100時間
(20万円÷170時間)×1.25倍×100時間=18万3750円
未払い残業代を3年分さかのぼって請求するとすれば、
18万3750円×36ヶ月=661万5000円
もの金額になります。
実は、最近では多くの人が弁護士に依頼して、退職後に残業代を請求しています。
残業代請求について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
【残業代請求】弁護士選びの8つのポイントと解決までの流れや費用を解説
5章:職場いじめで退職する前にやっておくべきこと
5-1:転職先を探しておく
在職中のうちから次の転職先を探しておくことをおすすめします。
転職に有利な資格などがあればベストですが、退職を急いでいる場合は、今持ち合わせているスキルや資格で勝負するしかありません。
休日出勤や残業などが続いて転職活動する暇がないという方でも、忙しい合間を縫って、転職活動を続けるべきでしょう。
なお、転職活動をしていることを会社の人にバレないように注意が必要です。
いじめの被害に遭っている社員が転職活動をしていると知った社員が引き止めたり、「逃げるな!」とさらにいじめがヒートアップしたりする可能性もあります。
転職先が決まってから退職の意思を告げるようにしましょう。
5-2:社会保険給付金申請を行う
職場でのいじめが原因で休職中の場合は、傷病手当金を受給することができます。
傷病手当金とは病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障する制度です。
下記の4つの条件を満たし人が傷病手当金を受け取れます。
・業務外の事由による病気やけがの療養のための休業であること
・仕事に就くことができないこと
・連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
・休業した期間について給与の支払いがないこと
職場でのいじめが原因で体調不良となり休職していて、尚且つ給与の支払いがない場合、これらすべてに該当し受給資格があります。
なお、傷病手当金の1日あたりの支給額は下記の通りに計算します。
傷病手当金の支給開始以前の継続した12カ月の各月の標準報酬月額×3分の2
例えば、月27万円の給与の支給を受けていた社員が3ヶ月休んだ場合、1日当たりの支給額は27万円÷30日×3分の2=6,000円。
3ヶ月分の合計支給額は6,000円×90日=54万円になります。
5-3:可能な限り貯金しておく
退職前に転職が成功するのが理想ですが、希望通りの仕事が見つからず、転職活動が何ヶ月も続いてしまう可能性もあります。
転職先が決まっていなくてもいずれは退職したいという方は、まずは貯金をしておきましょう。
退職して無職になっても、食費や家賃、光熱費はもちろん、年金、保険の支払いもあります。
それらを踏まえて1ヶ月あたりにかかる出費を計算し、最低でも3~4ヶ月分は貯金しておくことをおすすめします。
なお、退職金や失業手当に期待するのはあまりお勧めしません。
退職金は退職金制度がある場合にしか支給されませんし、自己都合退職なら失業手当を受給するのに90~120日間の待機期間があり、退職後すぐの受給ができないためです。
在職中に貯金しておくことが望ましいと言えます。
まとめ:職場のいじめと退職
いかがでしたか?
最後に今回の内容をまとめます。
- いじめ(パワハラ)によるストレスが蓄積されると精神疾患発症のリスクがあるため
- 職場の環境や人間関係を自力で変えるのは難しいため
【円滑・確実に会社を退職する流れ】
- 退職を拒否される
→メールや配達証明付き内容証明郵便で、1ヶ月前までに退職届を提出していれば退職できる。 - 損害賠償請求すると言われた
→会社が社員に損害賠償請求できることは少ない - いやがらせされる
→失業保険や労災認定のためにいじめの証拠として記録しておく
いじめには無理して耐える必要はありません。
この記事の内容を参考に、現状を変える第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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