- 2018.10.22
- 2024.12.10
- #職場ストレス
【職場のストレス】ありがちな8つのケースと違法行為の対処法を徹底解説
この記事を読んで理解できること
- 職場でのストレスをチェックしよう
- ありがちな職場でのストレス
- 職場でのストレスが会社の違法行為にある場合の対処法
あなたは、
「職場でのストレスが大きくて辛い」
「職場でのストレスをなんとかしたい」
と思っていませんか?
職場で過ごす時間は長いので、職場にストレスの原因があると毎日が辛いですよね。
そんなあなたに必要なのは、まずはあなたが感じているストレスのレベルとその原因を知り、次にそれに対する適切な対処法を知ることです。
そこでこの記事では、まずは職場でのストレスの原因・解消法について詳しく解説します。
さらに、あなたの職場でのストレスの原因が「異常な長時間労働」「サービス残業」「パワハラ」などの、会社の違法行為にある場合もあります。
その場合は法律にのっとった適切な対処法を取るべきですので、現役の弁護士が詳しく解説します。
最後までしっかり読んで、少しでもストレスを減らして働く方法を見つけてくださいね。
【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】
■職場でありがちなストレス
- 上司との関係が悪い職場に苦手な人がいる
- パワハラ、セクハラ、いじめがある
- 長時間残業
- 低賃金
- 厳しいノルマ
- 多すぎる仕事量
- 昇進・配置転換・役割の変化
ストレスが多い職場のある会社では、会社が「残業代未払い」など何らかの違法行為を行っている場合もありますので、その場合は下記の対処方法を参考にしてください。
■会社が違法行為をしている場合の対処法
- 上司や担当部署への相談
- 労働基準監督署
- 労働問題に強い弁護士
- 転職する
目次
1章:職場でのストレスをチェックしよう
それではさっそく、あなたの職場でのストレスをチェックしてみましょう。
職場でのストレスをチェックするには、厚生労働省が作成している以下のページがとても参考になりますので、ぜひやってみてください。
診断した後に、こちらの記事に戻って続きを読んでくださいね。
※ストレスチェックより先に、職場でのストレスの原因や解消法を知りたい場合は、2章からお読みください。
出典:厚生労働省「5分でできる職場のストレスセルフチェック」
いかがでしたか?
ストレスチェックができたら、次に職場でありがちなストレスとその原因について解説します。
2章:ありがちな職場でのストレス
私が現役弁護士として見聞きしてきた中では、職場でありがちなストレスには以下のものが多いようです。
【職場でありがちなストレス】
- 上司との関係が悪い
- 職場に苦手な人がいる
- パワハラ、セクハラ、いじめがある
- 長時間残業
- 低賃金
- 厳しいノルマ
- 多すぎる仕事量
- 昇進・配置転換・役割の変化
それでは、これから順番に解説しますので、あなたに該当しそうなところから読んでみてください。
2-1:上司との関係が悪い
職場でのストレスで特によく見受けられるのが「上司との関係が悪い」ということです。
具体的には、
- 上司が高圧的で怖い
- 上司からは怒られることばかりで嫌だ
- 上司に言いたいことが言えず、フラストレーションを溜めている
などのことが多いようです。
直属の上司とは、毎日のように顔を合わせると思いますので、上司との関係が悪くなると、大きなストレスになりますよね。
上司との関係が悪くなりがちなのは、上司は、
「あなたより立場が上で、あなたの行動や言動を監督・指導するのが役割」
だからです。
上下関係が生まれるため、他の人間関係よりもストレスになりやすいのです。
上司との関係の悪くなる原因には、大きく3つのものがありますので、その対処法を解説します。
①上司個人の性格や能力の問題
上司との関係が悪化する原因が、上司個人の性格や能力の問題である場合、あなたにできる対処法は、仕事の関係として割り切って、適度に距離を取ることです。
上司の性格や能力をあなたの力で変えるのは困難ですので、変えられないことを受け入れて、適度に距離を取った方がストレスになりにくいです。
②あなた個人の性格や能力の問題
あなたの態度が悪かったり、求められる能力を持っていないために、上司があなたに厳しい態度を取っている可能性もあります。
この場合は、問題はあなた自身にありますので、あなたが自分の態度を変えたり、自分の能力を高める努力をすることで、上司が態度を変えて関係が良好になる可能性があります。
ただし、上司から「態度が悪い」「能力が低い」などと言われていても、それが事実だとは限りません。
また、たとえ事実だったとしても、上司の行動・言動が指導の範囲を超えたものなら、それはパワハラです。
この場合の対処法について、詳しくは3章で解説しています。
③あなたと上司との関係の問題
上司との関係の悪さの原因は、あなたと上司のコミュニケーション不足にある場合もあります。
上司も人間ですので、忙しかったり、部下との関係の築き方が分からず、あなたと十分なコミュニケーションが取れていないことがあります。
その場合、あなたから積極的に上司に話しかけ、コミュニケーションを取ってみることで、上司との関係が良好になり、ストレスが減る可能性がありますので、ぜひ試してみてください。
2-2:職場に苦手な人がいる
職場のストレスの多くは人間関係から生まれるようですが、職場に苦手な人がいるというのも、ストレスの原因として多く見受けられます。
具体的には、
- 同僚との関係が悪い
- 職場に長くいる人が幅をきかせている
- 仕事上対立ばかりしてしまう人がいる
などがあるようです。
こうした「職場に苦手な人がいる」という悩みの原因は、以下のものがありますので、順番に解説します。
①相手との距離が近すぎる
職場の人と対立してしまったり、相手の態度が気になってしまう場合、その人との関係の距離が近すぎる可能性があります。
職場の人間関係は、あくまで業務を円滑に遂行するために必要なものです。
もちろん仲良くなれるに超したことはありませんが、無理をしてわざわざ仲良くする必要はありません。業務の遂行上、最低限のコミュニケーションが取れれば十分です。
そのため「仕事上の人間関係」と割り切って、適度に距離を取ることで、ストレスを減らせる可能性があります。
②相手が人間的に問題がある
相手に人間的な問題があるために、あなたのストレスの原因になっている可能性もあります。
この場合、職場の多くの人があなたと同じように感じている可能性がありますので、同僚や上司と一度話し合ってみてはいかがでしょうか。
話してみるだけで、あなたのストレスが和らぐ可能性もあります。
上記の対処法はもうやった、それでは解決できないと思う場合は、3章をお読みください。
また、同僚に問題があって大きなストレスになっているなら、それは「モラハラ」である可能性もあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
【職場モラハラとは】ありがちな5つのケースと今すぐできる対処法
2-3:パワハラ、セクハラ、いじめがある
職場で、
- 暴力や暴言などを受けている(パワハラ)
- 身体を触られたり、性的な不快なことを言われたり、わいせつなポスターが貼られていたりする(セクハラ)
- 陰口や無視、人間関係からの切り離しなどをうけている(いじめ)
ということが、ストレスの原因になっている場合もあると思います。
このような状況にある場合、その原因はパワハラ、セクハラ、いじめを行う相手にあります。
そして、パワハラ、セクハラ、いじめをあなた一人で解決することは困難です。外部の人や専門家の力を借りて解決しなければなりません。
これらの詳しい解決方法は、3章でお伝えします。
2-4:長時間残業
残業時間が長くなりがちで、会社にいる時間が長い、帰りが深夜になるというのもストレスになりますよね。
こうした「長時間残業」には以下の原因がありますので、それぞれの対処法を解説します。
①あなたの業務量が多すぎる
長時間残業の原因の一つは、業務量が多すぎて時間内に終わらないというものです。
この場合、あなたが自分の能力を高め、仕事のスピードをアップさせるか、業務量を減らすことで対処できます。
とは言え、能力は簡単には高まりませんので、まずは上司にあなたの業務量について相談してみることをおすすめします。
それができない場合は、3章で解説する対処法を読んでみてください。
②職場で早く帰れない雰囲気がある
一部のブラック企業では「上司より早く帰るわけにはいかない」「定時に帰れる雰囲気ではない」などのことが、長時間残業の原因になっていることがあります。
この場合、原因は会社の社風にありますので、あなた個人で対処することは難しいです。
そのため、対処法については3章をお読みください。
③あなたの能力が求められるレベルにない
あなたの能力が求められるレベルに達していないために、長時間残業が発生している可能性もあります。
この場合、あなたの能力を高めるか、いっそあなたに合った職場に転職することをおすすめします。
ただし、業務量が多すぎることや、能力が求められるレベルにはないことは、会社からとても無理な量の仕事を押しつけられていることが原因である可能性もあります。
その結果、異常な長時間残業が生まれているなら、それは会社の違法行為である可能性がありますので、3章の解決方法を実践することをおすすめします。
2-5:残業代が未払い
残業しているのに、残業代が支払われない、もしくは残業代の金額が不当に少なく支払われている場合、それが職場でのストレスの原因になっていることもあります。
この場合、以下の2つの原因がありますので、それぞれの対処法を解説します。
①経営者や担当者が正しい知識を持っていない
残業代が未払いである場合、あなたの会社の経営者や担当者が、正しい労働基準法の知識を持っていない可能性があります。
この場合、あなたが経営者、担当者に相談し、正しい金額ではないことを伝えることで現状が変えられる可能性もあります。
ただし、私の弁護士としての経験上、ほとんどのケースでは、原因は②です。
②会社が意図的に残業代をごまかしている
一部のブラック企業は、労働基準法上のルールを知りながら、人件費を減らすために、意図的に残業代をごまかしています。
このような会社の行為は違法ですので、3章の方法を実践してください。
2-6:違法な低賃金
あなたが「生活ギリギリの給料しかない」ことから職場でストレスを抱えているという場合、原因は明らかです。
しかし、給料の金額は都道府県ごとに決められており、あなたの時給がそれ以下の場合は「最低賃金法」違反になります。
たとえば、東京都の2018年10月1日以降の最低賃金は「985円」です。
月給制の人の場合も「基礎時給」を計算することで、1時間当たりの給料の金額を計算することができます。
※基礎時給の計算方法について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【図解】残業代の時給の計算方法と損しないために注意すべきポイント
また、給料が違法な低賃金の場合の対処法について、詳しくは3章で解説します。
2-7:厳しいノルマ
職場で、
- ノルマが厳しすぎる
- ノルマがクリアできないとペナルティがある、厳しく叱責される
などの場合、ストレスになって会社に行く気もなくなっていきますよね。
職場でのノルマを厳しいと感じる原因には、以下のものがありますので、それぞれの対処法を解説します。
①実力至上主義な会社である
職場でのノルマが厳しすぎる場合、会社が実食至上主義で「ノルマを達成すること」を最重要視しているという可能性があります。
その場合、あなたはその会社にいる限り、厳しいノルマに対応し続けなければならないでしょう。
ノルマのストレスから逃れるためには、ノルマとは関係がない一般職に異動を希望するか、ノルマに厳しすぎない別の会社に転職するしかありません。
②人手不足
ノルマが厳しすぎる原因は、会社の人手不足にある可能性もあります。
その場合、その会社にいる限りノルマのストレスから逃れられないため、その会社から転職することをおすすめします。
ただし、一部のブラック企業では、人手不足を理由に無理な量の仕事を従業員に押しつけ、安い賃金でこき使おうと考えているケースがあります。
この場合は、会社の違法行為が疑われますので、3章の解決方法を実践してください。
2-9:昇進・配置転換・役割の変化
職場でのストレスが、昇進や配置転換、役割の変化によって、あなたの仕事内容や求められることが変わったことからきていることもあると思います。
この場合、ストレスの原因には以下のものが考えられます。
①環境の変化
昇進、配置転換、役割の変化で、環境が変わったために、それをストレスに感じていることがあります。
この場合、ストレスを感じることは当たり前ですし、たいていの場合一時的なものです。
そのため、無理に対処しようと考える必要はありません。仕事に慣れるまでは、仕事以外のところでストレスを発散しながら続けてみましょう。
②業務内容があなたに合っていない
昇進、配置転換、役割の変化であなたの仕事が変わり、その内容自体があなたにまったく合っていないために、それがストレスの原因になっている可能性もあります。
この場合、あなたが努力して仕事に慣れるか、職場を変えるかしか対処法はありません。
今抱えているストレスが強すぎる場合は、異動の申請か、もしくは転職をして現状を変えることをおすすめします。
3章:職場でのストレスが会社の違法行為にある場合の対処法
あなたの職場のストレスの原因が、
- パワハラ、セクハラ、いじめ
- 異常な長時間残業
- 残業代の未払い
- 給料が低すぎる
という場合、それは違法行為である可能性が高いです。
あなた一人で解決することは難しいため、これから紹介する、
- 上司や担当部署への相談
- 労働基準監督署への申告
- 労働問題に強い弁護士への依頼
- 転職
という方法を実戦してください。
3-1:上司や担当部署への相談
あなたが、職場に何らかの違法行為がある場合、上司や社内の担当部署に相談することで、現状を解決できる可能性があります。
なぜなら、職場での違法行為について、上司や担当部署は把握しておらず、相談することで解決してくれる可能性もあるからです。
しかし、
- 上司も違法行為に加担している
- 担当部署があるほど大きな会社ではない
- 会社全体で違法行為をしている
などという場合、相談しても解決しませんので、別の方法を実践してください。
3-2:労働基準監督署
あなたの会社が違法行為をしている場合、労働基準監督署に相談することで解決する可能性もあります。
労働基準監督署とは、労働基準法にのっとって全国の会社を指導・監督する行政機関のことです。労働者なら、誰でも無料で相談することができます。
しかし、労働基準監督署はすべての相談に対して、具体的な行動が取れるわけではありません。
なぜなら、会社は全国に400万もあるのに対し、労働基準監督官は3000名しかおらず、慢性的な人手不足だからです。
より確実に問題を解決したい場合は、次に紹介する方法をおすすめします。
※労働基準監督署に相談する流れや、動いてもらうためのポイントについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
【労働基準監督署にできること】相談の流れとより確実に解決するコツ
3-3:労働問題に強い弁護士
会社が何らかの違法行為をしている場合、労働問題に強い弁護士に相談することで、解決できる可能性が高いです。
労働問題に強い弁護士に相談することは、
- 問題解決のための豊富なノウハウを持っている
- より速く、確実に解決するための方法を探してくれる
- 場合によっては、ほとんど費用がかからない
というメリットがあります。
労働問題に強い弁護士の選び方や依頼するポイントについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【保存版】手間、時間、お金をかけずに労働問題を解決するための全知識
3-4:転職する
職場のストレスから逃れる最も確実な方法が、転職することです。
今の職場が違法行為をするほどの問題がある職場なら、その職場から離れ、しっかり労働基準法を守る会社を探して転職しましょう。
「ストレス程度で転職なんて、、」
と思われるかもしれませんが、ストレスが蓄積すると重大な健康障害の原因になりかねません。
特に、今耐えられないほどのストレスを抱えているなら、すぐに転職のための準備をすることが大事です。
【職場でパワハラを受けている場合】
【職場でセクハラを受けている場合】
【職場でいじめにあっている場合】
【長時間残業に悩んでいる場合】
【残業代未払いで悩んでいる場合】
まとめ
職場でのストレスの原因や解消法について理解できたでしょうか?
最後に今回の内容をまとめます。
【職場でありがちなストレス】
- 上司との関係が悪い職場に苦手な人がいる
- パワハラ、セクハラ、いじめがある
- 長時間残業
- 低賃金
- 厳しいノルマ
- 多すぎる仕事量
- 昇進・配置転換・役割の変化
【会社が違法行為をしている場合の対処法】
- 上司や担当部署への相談
- 労働基準監督署
- 労働問題に強い弁護士
- 転職する
しっかり対処法を覚えて、ストレスなく働けるように行動してみてください。
【参考記事一覧】
職場でのモラハラについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
【職場モラハラとは】ありがちな5つのケースと今すぐできる対処法
「基礎時給」の計算方法について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【図解】残業代の時給の計算方法と損しないために注意すべきポイント
労働基準監督署に相談する流れやポイントについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【労働基準監督署にできること】相談の流れとより確実に解決するコツ
労働問題の解決を弁護士に依頼する方法や費用、弁護士の選び方などについて、以下の記事で詳しく解説しています。