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【弁護士が解説】ひと目でわかるブラック企業の特徴12個と対処法

QUEST法律事務所

代表弁護士住川 佳祐

特徴的なブラック企業で働く社員

あなたは、今の会社が

「もしかしてブラックなんじゃないか…?」

なんて不安に思ったことはありませんか?あるいは、一度ブラックな職場を経験して「次は絶対にブラック企業には転職したくない」と考えている人もいると思います。

もちろん、最初からブラック企業だと分かっていれば、その会社に入社する人は誰もいません。しかし、ニュースになって世の中を騒がせるような悪名高い会社は、表向きは社員に優しいふりをして実際には巧妙な手口で社員をこき使うといったケースも珍しくありません。

そのため、ある会社がブラックかどうかを知るためには、社内の細かなルールや雰囲気などからブラック企業の特徴を見抜く必要があります。

この記事を読むことで、あなたは自分の会社のブラックな特徴に気づくことができるようになるでしょう。

また、ブラック企業だった場合の選択肢として

・労基署や労働組合に相談する
・退職する
・慰謝料や残業代を請求する

といった対処法についても解説します。自分に関係がある箇所にはしっかりと目を通して、ぜひ役立ててください。


1章:こんな会社に注意!ブラック企業の特徴12個

ブラック企業は、社員を替えのきく駒のように考え、できるだけお金を支払わずに長い時間こき使おうとします。

多くの会社は、ブラック企業に特徴的な行動パターンを持っており、あらかじめそうしたポイントを知っておけば、働いている時に会社のブラックさに気づくことができるようになります。

今回は、

労働時間にかかわる特徴
賃金にかかわる特徴
社風、体質にかかわる特徴

の3つに分けて、それぞれ詳しく解説します。

特徴だけでなく、法律に基づいた基準を知ることは自分の身を守ることにもつながるので、しっかりと読んでみてください。

1-1:労働時間にかかわる特徴

まずは労働時間にかかわる特徴について解説します。

ブラック企業は、利益のために社員を都合の良く働かせて使い潰す会社です。そのため、労働時間に関して理不尽なルールを設けたり、社員に無理な働かせ方をさせたりします。

代表的な特徴を順番に見ていきましょう。

1-1-1:長時間残業を強いる

ブラック企業の特徴で最も頻繁に見られるのが、会社が社員に長時間残業させることです。

法律では、労働時間は「1日8時間、週40時間」を超えてはいけないと定められています。ただし、会社と社員の間であらかじめ働く時間についての協定(36協定※)が締結されている場合は、会社は「1日8時間、週40時間」を超えて社員を働かせることができます。

 1日8時間を超えた労働は残業

週40時間を超えた労働は残業

※労働基準法36条で定められた協定で、会社が1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて社員を働かせる場合に必要になります。

しかし、この協定が結ばれていても残業時間が1週間に「15時間」、1ヶ月に「45時間」を超えていたら違法になります。

このラインを超えて社員を働かせる会社は、ブラック企業だと疑ってかかる必要があります。残業時間からブラック企業を判断するには、次のような3つの基準が参考になります。

・1ヶ月の残業時間が45時間以上

会社と社員の間で36協定を結んでいても、下記の時間を超えて残業させられていた場合は違法です。

・1週間に15時間
・1ヶ月に45時間

ただし「特別な事情」がある場合は、会社はこの時間以上に働かせても良いという条項があり、実際には「1ヶ月45時間」という限度をはるかに超えて働かせている会社がたくさんあるのです。

45時間の基準については以下の記事をご参照ください。

残業45時間って長い?残業の違法性の判断基準と会社都合退職になる条件

・1ヶ月の残業時間が80時間以上

45時間の次に目安になるのが「過労死ライン」と言われる「80時間」の残業です。

「過労死ライン」とは、厚生労働省の通達に基づいて目安とされる基準で、あなたの会社の1ヶ月の残業時間が「80時間」を超えていたら、ブラック企業である可能性がかなり高いと言えるでしょう。

過労死ラインについては以下の記事が参考になりますので、興味がある方はご確認ください。

命の危険があります!80時間の過労死基準と現状を変えるたった1つの方法

・1ヶ月の残業時間が100時間以上

もし、あなたが1ヶ月で「100時間」以上残業をしていた場合は、その時点であなたの会社はブラック企業です

この「100時間」も「過労死ライン」で設定されている基準で、もしも過労死につながる脳や心臓の疾患が発症する前の1ヶ月間に100時間を超える残業があった場合、労災として認められる可能性が高くなります。

100時間ラインについては以下の記事をご参照ください。

残業100時間は超危険!過労死基準と100時間残業した場合の心身への影響

1-1-2:休日も出勤させる

ブラック企業には、社員を休みなく働かせるという特徴もあります。

多くの場合は、社員に休日を与えずに出社させるばかりか、働いた分の「割増賃金(※)」も支払おうとしません。

※会社側が、社員に残業、休日出勤、深夜勤務をさせた場合に支払わなければいけない賃金。

労働基準法では、会社は社員に対して週1日以上の休日を与えなければいけないと決められています。また、社員に休日出社させた場合には、その分の賃金も支払う必要があります。

そのため、休日も出勤させられることが続き、その分の賃金も上乗せされていない場合は、ブラック企業である可能性が高いと言えます。

1-1-3:有給休暇が取れない

休んだ分の給料が支払われる「有給休暇」は、法律で決められた労働者の権利です。しかし、働く人の頭数を減らさないために、この権利を簡単に使わせないブラック企業も多くあります。

法律上、会社側は有給休暇の申請を受け、都合が悪ければ日程の変更を求めることができますが、理由を提出させたり有休を拒否したりすることはできません。

会社によっては、以下のようなルールが定められていることがありますが、これらは全て違法になります。一例を確認してみましょう。

・事前に予告しなければ有休が取れない
・休む理由を書いて上司に提出する
・有給取得に際し上司や会社の許可が必要
・正社員以外は有給休暇が取れない
・取得日数は成果に応じて会社が決める

原則的に、有休は理由なく、社員が自由に取ることができます。有休取得に厳しい制限を設けている会社はブラック企業の疑いがあります。

有給休暇から見るブラック企業については、以下の記事をご覧ください。

有給が取れない方必見!今日からできるカンタン有給取得対策

1-2:賃金にかかわる特徴

次は賃金にかかわるブラック企業の特徴です。

ブラック企業は社員のことよりも会社の利益を優先して行動するため、社員の賃金を少しでも支払わずに済むよう、次で説明するような様々な手口を使います。

会社側に騙されず、正しい給料を受け取るためにしっかりと確認しましょう。

1-2-1:給料や残業代の未払いがある

ブラック企業は、手っ取り早く会社の利益を増やすために、社員の給料を減らそうとすることがあります。

例えば、

・給料の全部、もしくは一部を未払いにする
最低賃金以下の給料しか支払わない
・残業代をごまかす、あるいは払わない
・裁量労働制を不当に適用して残業代をごまかす
・みなし残業代を悪用して長時間残業させる

といった手口を使います。

給料や残業代の未払いは違法となりますので、こうした会社は明らかにブラック企業と言えるでしょう。

1-2-2:勤務時間にカウントされない時間がある

1日の労働時間は8時間と決まっていても、その前後や休憩など何かと理由をつけて社員を働かせようとするのもブラック企業の特徴です。

社員を働かせるだけでなく、会社の指示ではなく社員が自主的に行った作業だという主張することもあります。ブラック企業は、この時間の賃金を支払わなくて済むようにこうした建前を使うのです。

よく見られる勤務時間とカウントされない時間としては、次のようなものがあります。

・掃除:始業前や就業後の掃除時間
・ 着替え:制服、作業服、防護服などに着替える時間
・休憩時間:休憩中の電話番や来客対応などを依頼された場合
・仕込み時間:ランチとディナーの間の仕込み時間
・準備時間:店舗などで開店前の準備をする時間
・待機時間:トラックの荷待ちの時間
・仮眠時間:警報や緊急事態に備えた仮眠の時間(特に警備や医療従事者など)
・研修:会社からの指示で参加した研修

こうした時間は、本来は労働時間としてカウントされるべき時間であることが多いので、当てはまる人はチェックしてみましょう。

また、30分未満の時間は切り捨てる、ある時間に一度タイムカードを切る、など勤務時間についての独自のルールを持っている会社にも注意が必要です。

1-2-3:給料の減額がある

社員に責任のない一方的な理由をつけて給料を減額するというのもブラック企業の特徴です。例えば、次のような理由での減額があったら要注意です。

・ガソリン代の高騰
・経営状態の悪化
・営業成績が良くない

社員の給料は入社時に、会社側と労働契約書や就業規則で定められています。これは社員と会社の約束事なので、会社が一方的に給料を下げることはできません。

また、社員の同意を得ず、変更の告知もせずに勝手に就業規則を変えて給料を減額するブラック企業もありますが、こうした行為も無効になります。

1-2-4:不明瞭な名目で天引きがある

また、社員の同意を得ずに色々な名目で細かく天引きを行うのもブラック企業の特徴です。

税金(所得税、住民税)や社会保険料、雇用保険料といった法律で定められている費用は、社員が了解しなくても給料から天引きできますが、それ以外の名目で勝手に天引きすることはできません

ブラック企業がよく使う手口ですが、以下のような費用が社員の同意なしに天引きされていたら違法の可能性が高くなります。

社員の合意なく天引きされていいもの・ダメなもの

運送業や飲食業など業務上のミスが起きやすい業種では、社員が起こしたミスによって生まれた損失を給料から差し引くことがあります。

こうした会社はブラックな体質を持った会社だと言うことができるので注意しましょう。

1-3:社風、体質にかかわる特徴

労働時間や給料以外にも、ブラック企業に共通する特徴的な社風、体質があります。

ブラック企業では、幹部社員が経営者に似たブラックな考え方を持つようになり、法律への意識が甘くなりがちです。一般常識や法律よりも理不尽な社内の論理が優先され、理由もなく社員を追い詰める場面がよく見られます。

1-3-1:パワハラが横行している

ブラック企業では、売上のアップのためや、社員を洗脳したり退職に追い込んだりするためにパワハラが日常化することが多くなります。

厚生労働省はパワハラを6つの類型に分けていますが、暴言や暴力だけでなく精神的な攻撃や人間関係の破壊もパワハラになります。

会社内でこうしたことが行われている会社はブラック企業である可能性が高いので、しっかりと身を守りましょう。

こんな行動はパワハラ

1-3-2:名ばかり管理職にされる

ブラック企業は、本来は管理職ではない社員を管理職として扱い、負う必要のない責任を押し付けたり、残業代を支払わなかったりすることがあります。

会社の中で持っている肩書きと、法律上の管理職である「管理監督者」は重ならないことが多くあります。「管理監督者」として認められるには、会社の経営陣と一体的に行動していることなど厳しいルールがあり、課長などの役職がついているだけでは認められるわけではありません。

肩書きや待遇を利用して社員を不利な立場に追い込む行動も、ブラック企業の特徴と言えるでしょう。

1-3-3:社員を退職させない

会社のために限界まで働かせるために、社員が退職を希望しても辞めさせないというのもブラック企業の特徴です。

しかし、退職することを拒否された場合でも社員には「会社を辞める権利」があります。法律上は、退職の1ヶ月以上前に意思を伝えることで、退職することができます。

会社の退職拒否や嫌がらせに負けず、そうしたブラック企業からはいち早く抜け出せるようにしましょう。

1-3-4:社内で精神論が多い

社員をギリギリまで使い潰すために、精神論や壮大なビジョンを語ることが多いのもブラック企業の特徴です。

例えば

・「やる気」「情熱」といった言葉で社員を盛り上げようとする
・「世界」「平和」など壮大なビジョンを語りたがる
・「夢」「自己実現」など仕事を自分の頑張りに結びつけようとする

といった会社がそれに当たります。

これらは、到底こなすことのできない仕事量を、気合いとやる気の精神論で納得させたり、大きなビジョンと結びつけることで意義を感じさせたりするための手口です。

また、こうしたブラック企業では、

・朝礼で社訓を大声で読ませる
・体力的に辛いだけの訓練がある

などの特徴もよく見られます。精神論や根性論が持ち出される会社では、無理な働かせ方や過大なノルマが日常化していることがあるので注意が必要です。


2章:今いる会社がブラックだとわかった時の対処法

もし、あなたがこうした特徴を持つブラック企業で働いている場合、どのような対処法を取れば良いでしょうか。

会社に使い潰されないよう身を守るためには、

・労基署や労働組合に相談する
・すぐに退職する
・慰謝料や残業代を請求する

といった方法をとることができます。次から、順番に解説していきます。

2-1:労基署や労働組合に相談する

ブラックな体質や制度があっても、そうした部分が解消されるなら今のまま会社で働き続けたい、という人もいるのではないでしょうか。

そうした場合は、会社に改善を要求する必要があるので、労働基準監督署や労働組合に相談しましょう。

労働基準監督署と労働組合

労働基準監督署は労働者からの相談によって会社を調査することも可能です。ブラック企業には指導が入ることになっていますが、慢性的な人員不足のためその効果は限定的だと言えるかもしれません。

2-2:すぐに退職する

働いているブラック企業にこれ以上いたくないという人は、退職して新たな職場で働き始めるステップを踏み出す時期なのかもしれません。

先ほど少し説明しましたが、社員には「辞める権利」があるため、会社に拒否されても確実に辞めることできます。

退職は社内で

退職の流れ

といったステップで進める必要があります。退職時期や会社のスタンスを見定めて、取るべき行動を考えましょう。

2-3:慰謝料や残業代を請求する

これまで働いていたブラックな会社から未払いの賃金や残業代を取り戻すためには、

自分で請求する方法
弁護士に依頼する方法

という2つの方法が考えられます。

それぞれのメリットとデメリットは次の通りです。

残業代請求を自分でやる場合と弁護士に依頼する場合の違い

証拠集めや残業代計算には手間がかかり、会社側との摩擦も自身へのストレスとなるため、「弁護士への依頼」を検討してみても良いのではないでしょうか。


まとめ

いかがでしたか?

最後に今回の内容をもう一度簡単に振り返ってみましょう。

利益のために社員を好き勝手に働かせようとするブラック企業には、共通する特徴的な行動パターンがあります。

そうした特徴は性質ごとに大きく以下の3つに分けられます。

労働時間にかかわる特徴
賃金にかかわる特徴
社風、体質にかかわる特徴

ブラック企業は、会社の利益のために社員を都合の良く働かせようとするため、

・長時間残業を強いる
・休日も出勤させる
・有給休暇が取れない
・勤務時間にカウントされない時間がある

といった行動をとることが多くなります。

また、社員に支払う給料を少しでも減らそうとするため、

・給料や残業代の未払いがある
・給料の減額がある
・不明瞭な名目で天引きがある

などの特徴が目立ちます。

それ以外にも、ブラック企業はブラックな体質が会社内にはびこっているため、

・パワハラが横行している
・名ばかり管理職にされる
・社員を退職させない
・指示に精神論が多い

といった言動が非常に多くなるようです。

こうしたブラック企業に使い潰されないようにするためには、

・労基署や労働組合に相談する
・すぐに退職する
・慰謝料や残業代を請求する

といった対処法をとって自分の身を守りましょう。ブラック企業の特徴を見逃さず、次の行動を取るのが遅れないようにしましょう。