中小企業のブラックな実態と特徴!見分け方から対処法まで弁護士が解説

監修者

弁護士法人新橋第一法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

中小企業のブラックな実態と特徴!見分け方から対処法まで弁護士が解説
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 中小企業はブラックな会社ばかり?その実態を解説
  • 中小企業におけるブラックな会社の特徴と見分け方
  • ブラックな中小企業で働くあなたが今すぐできること

中小企業で働いているあなたは、こんな悩みをお持ちではないでしょうか。

「うちの会社はどうしてこんなにブラックなんだろうか」
「中小企業はどこもブラック企業なのか」
「ホワイトな会社に転職したいけど見分け方がわからない」

あるいは、これから自分に合った会社に転職したいと考えている人の中にも、中小企業=ブラック企業というイメージを持っていて、心配している人がいるのではないかと思います。

確かに中小企業は、大きな会社と比べて経営に余裕がないことやコンプライアンス違反をしてもダメージが少ないことから、ブラック企業になりやすい一面を持っています。

しかし、中小企業の中にもホワイトな会社はもちろん存在します

社員を大切にする空気があり、勤務体系や労働環境が整っており、社員が気持ちよく働けるような会社です。

ブラック企業=会社の利益のためなら社員を使い潰す

ホワイト企業=働く環境を整え社員を大切に考える

この記事では、現場の実情やブラック企業が増える背景にもふれつつ、ブラックな中小企業の特徴や見分け方、ブラックな中小企業で働くあなたが今すぐできることなどをわかりやすく解説します。

あなたが働いている会社よりも社員を大切にする会社は多くあります。

内容をしっかりと理解して次につながる行動の第一歩につなげてください。

【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】

■ブラックな中小企業で見られるもの

  • 長時間労働の常態化
  • 過大な業務量
  • 低賃金、未払いがある

■ブラックな会社が中小企業に多くなる理由

  • 法律違反をしても会社への影響が小さい
  • 経営に余裕がない
  • 経営者が労働基準法を理解していない
  • オーナーのワンマン経営
  • 大手の下請けで仕事を受注

■ブラックな中小企業の特徴

  • 長時間残業を強いる
  • 休日も出勤させる
  • 給料や残業代の未払いがある
  • 管理職の人数が多い
  • 給与体系がおかしい
  • 経営者に意見が言える社員がいない
  • 社内で精神論が多い
  • パワハラ・セクハラが横行している
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1章:中小企業はブラックな会社ばかり?その実態を解説

中小企業と聞くと、会社の規模が小さい分、仕事が大変でブラックな会社が多いというイメージを持っている人は多いと思います。

しかし、実際には全ての中小企業=ブラックではなく、小さな規模の会社でも社員を大切にするホワイトな会社は存在します。

この章ではまず、中小企業の労働環境の実態を解説した上で、ブラックな会社が中小企業に多い背景についても考えてみます。

1-1:中小企業におけるブラックな会社の実態

中小企業白書によると、世の中に存在する会社の99.7%、数字にして380万を超えるが会社が「中小企業」にあたります。

中小企業がほとんどであるためブラック企業も多い

このすべてがブラック企業ではありませんが、良い評判よりは悪い評判が話題になりやすく、そうしたブラックな会社はメディアにも取り上げられやすくなります。

中小企業と聞くとブラック企業が多い印象を持ってしまうのは、こういった理由によります。

ブラック企業は、会社の利益のために社員に無理な働かせ方をさせたり、支払う給料を少しでも減らしたりしようとします。中小企業の場合も、次のような側面がしばしば見られます。

・長時間労働の常態化
・過大な業務量
・低賃金、未払いがある

順番に見ていきましょう。

1-1-1:長時間労働の常態化

ブラックな中小企業でよく見られるのが、社員の長時間労働が常態化しているというケースです。

厚生労働省は平成28年4月の半年間、長時間労働が疑われる約1万の事業所に指導を行なった結果、405を超える職場で違法な長時間労働があったことを公表しています。

社名は公開されていませんが、このうちの大きな割合を中小企業が占めているとする見方もあります。

1-1-2:過大な業務量

長時間労働とも関係しますが、中小企業は利益や売り上げを伸ばすために、受けられる仕事は全て受けてしまうことがあります。

エンジャパンが行った「中小事業の残業実態」に関する調査では、残業の理由として「取引先からの要望」「常に仕事量が多い」「人員不足」「時期的な業務がある」といった回答が挙げられています。

会社の規模上、中小企業からはこうした点が切り離せませんが、ブラックな場合は極端に業務量が多くなるようです。

1-1-3:低賃金、未払いがある

中小企業は大企業と比べると給与水準が低くなりがちですが、ブラックな会社の場合はそこからさらに天引きがあったり、残業代の未払いがあったりするケースが目立ちます。

ブラック業界の実態については、以下の記事にも詳しい記載がありますのでご確認ください。

すぐ分かる!ブラック業界の実態とブラック企業の見極め方10個

次節では、ブラックな会社がどうして中小企業に多いかという点について解説していきます。

1-2:ブラックな会社が中小企業に多い背景

中小規模の会社にブラック企業が多い要因としては、次のようなものが考えられます。

・法律違反をしても会社への影響が小さい

・経営に余裕がない

・経営者が労働基準法を理解していない

・オーナーのワンマン経営

・大手の下請けで仕事を受注

上から順番に見ていきましょう。

1-2-1:法律違反をしても会社への影響が小さい

大きな企業であれば、長時間労働やセクハラ・パワハラなどが問題になり「あの会社はブラック企業だ」という評判が立てば、株価などにも影響することが考えられます

実際に「ブラック企業大賞」が発表されメディアでも大きく報じられた際に、ノミネートされた企業の株価が値下がりすることが立て続けに起こりました。

中小企業がブラックになる背景

一方で、株式を上場しておらず、社会的な影響力もそれほど大きくない中小企業の場合は、会社の評判が株価の値下がりや信用問題に発展することがそれほどありません。

そのためブラックな会社の経営者は、社員を使い潰したり過酷な労働環境を作ったりすることに対する気持ち的なブレーキが働きにくくなるとも言えます。

1-2-2:経営に余裕がない

中小企業のほとんどは規模が小さいため、経営資金状況に余裕がない会社も少なくありません。

会社が生き残るためには、極力コストを削り、社員に多少の無理をさせてでも利益を出す必要があります。

こうした厳しい環境が、長時間労働や低賃金労働といった手口で社員を使い潰す、ブラックな中小企業の生まれるきっかけになっているという見方もあります。

1-2-3:オーナーのワンマン経営

ワンマン経営自体がすぐさま問題というわけではありませんが、経営者に対して意見を言える社員がいないような会社では、理不尽な指示や命令も従わざるを得ない空気が生まれることがあります。

創業時に当たり前だった長時間労働、休みなし、残業代なしといった働き方を同じように社員に求め、外から見れば過酷でブラックな中小企業そのものというケースもあるようです。

1-2-4:経営者が労働基準法を理解していない

ワンマン経営の点とも重なる点ですが、会社のトップが労働基準法を理解していないこともあります。

自分の体一つで創業した経営者や、仕事に納得するまでとことん取り組む職人的な気質の上司によく見られる例ですが、労働法よりも仕事の質を優先することで、働く社員にとって大変な労働環境が生まれる場合があるのです。

1-2-5:大手の下請けで仕事を受注

製造業の中小企業の場合は、大手企業の下請けの仕事が働く社員を苦しめることがあるようです。

下請けの仕事を受注することができれば、中小企業にとって金額が大きく安定した収入源になります。

その一方で、そうした仕事は納期を守ることや厳しい品質管理が求められ、社員を酷使しなければ達成できないケースも珍しくありません。

発注する会社の生産計画によって仕事量にもムラがあるため、暇な時期は会社の雑用ばかりやっていたと思うと、仕事が入ると残業が続く生活になる例もあります。

ここまで、中小企業の実態やブラックな会社が多い背景について解説してきました。

次章では、ブラックな会社の特徴に加え、ホワイトな会社と見分ける方法についても紹介したいと思います。

2章:中小企業におけるブラックな会社の特徴と見分け方

この章では、ブラックな会社の特徴を押さえた上で、ホワイトな企業との違いや見極め方について考えてみましょう。

2-1:ブラックな中小企業の特徴

まずはブラック企業の特徴のうち、特に中小企業でよく見られるものについて解説していきます。

そうした特徴は大きく、

・労働時間に関わる特徴

・賃金に関わる特徴

・社風、体質に関わる特徴

の3つに分けて考えることができます。それぞれ順番に見ていきましょう。

2-1-1:労働時間に関わる特徴

まず最初に、労働時間に関わる特徴について説明します。

ブラックな企業の特徴として目立つのは長時間労働休日出社です。

①長時間残業を強いる
世の多くのブラック企業と同じく、中小企業の場合も最も頻繁に見られる特徴が、社員を長時間にわたり残業させることです。

法律では、会社と社員の間で働く時間についての協定(36協定※)が締結されている場合を除き、社員の労働時間は1日8時間週40時間を超えてはいけないと定められています。

ガソリンスタンドの残業代のルール(特例事業場)

※労働基準法36条で定められた協定で、会社が1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて社員を働かせる場合に必要になります。

しかしブラックな中小企業は納期前や忙しい時期にはこうした法律を無視し、社員を長い時間残業させることが多くあります

ブラック企業を見極める労働時間については、次の記事が詳しいのでご覧ください。

労働時間からブラック企業を判断しよう!3つの基準と取るべき行動

②休日も出勤させる
ブラックな中小企業は、会社で抱える仕事を少しでも進めるために、社員を休みなく働かせようとします。

労働基準法では、会社は働く社員に週1日以上の休日を与えなければいけないと定められていますが、こうしたルールを無視しがちな点もブラックな会社の特徴と言えます。

労働基準法における休日のルールについては、次の記事をご参照ください。

労働基準法上の休日の定義とよくある4つの疑問を弁護士が徹底解説!

2-1-2:賃金に関わる特徴

次に、賃金に関わる特徴について考えていきます。

①給料や残業代の未払いがある
経営が厳しい環境にあり、会社の利益を出すことに苦労しているブラックな中小企業は、コストをカットするために、社員の給料を払わないことがあります。

その手口としては

・給料の全部、もしくは一部を未払いにする

・最低賃金以下の給料しか支払わない

・残業代をごまかす、あるいは払わない

会社の台所事情が苦しくても、社員の給料や残業代の未払いは違法となります。

こうした未払いはブラック企業によく見られる特徴と言えるでしょう。

給料の未払いについてお悩みの方は、次の記事も合わせてご確認ください。

今すぐ始めよう!未払い給料の2つの請求方法と弁護士が教える請求のコツ

②管理職の人数が多い
社員が10人以下の小さな会社でも、社内に肩書きを持つ人が必要以上にいることがあります。

法律には「管理職には割増賃金を支払わなくて良い」という項目があるため、会社側は社員を役職付きにすれば残業代を支払わなくて済むと考えることがあります。

だからこそ、少人数の会社が役職を持つ社員ばかりになるのですが、こうした状態がよく見られるのもブラックな中小企業の特徴です。

ブラックな中小企業には管理職が多い

管理職とされている社員でも残業がもらえる理由については、次の記事で説明していますのでご確認ください。

残業代なしは違法!管理職でも残業代が出る理由と2つの請求方法を解説

③給与体系がおかしい
仕事量に波がある中小企業の経営者は、毎月支払う給料を均一化しなるべく少なくすることを考えます

そのため残業代は基本給に含まれているというルールにして、残業時間が長くなってもそれ以外に残業代支払わないことがあります。

こうした「基本給に残業代を含む」仕組みを「みなし残業代(固定残業代)」と呼びますが、この例のように

・定められた一定額以上の残業代が出ない

といった場合は問題があり、ブラック企業はしばしばこうした給与体系を取ります。

2-1-3:社風、体質に関わる特徴

最後に、ブラックな中小企業に特有の社風や会社の体質に関わる特徴について解説します。

①経営者に意見が言える社員がいない
豪腕のワンマン経営者の会社がブラック化する時に見られる特徴の一つです。

長く残る社員は経営者の顔色を伺うイエスマンばかりになり、結果的に社員にとって理不尽と思えるような指示や思いつきの業務命令が多く出されることになります。

②社内で精神論が多い
ブラックな中小企業では、

・朝礼で社訓を大声で読ませる

・体力的に辛いだけの訓練がある

といった行動もよく見られます。

経営者が精神論や根性論をよく口にするような会社では、社員の無理な働かせ方が当たり前になっている場合があります。

社員が会社の過大な仕事量に疑問を持たないように、精神論や根性論で言いくるめたり、壮大なビジョンでやりがいを感じさせたりするのもブラック企業の特徴です。

・「やる気」「情熱」といった言葉で社員を盛り上げる

・「絆」といったフレーズで仲間意識を強調する

・「夢」「自己実現」など仕事を自分の頑張りに結びつけようとする

などといったことが行われている会社には注意が必要です。

精神論が多い社風について気になった方は、合わせて次の記事もご覧ください。

それ以上洗脳されないで!ブラック企業の研修の特徴とすぐに退職する方法

③パワハラ・セクハラが横行している
ブラック企業な中小企業では、経営者の意識が昔のままといったケースも多く、日常的にパワハラやセクハラが行われるケースもあります。

厚生労働省はパワハラを6つの類型に分けていますが、経営者にそういった意識がなくても会社内でこうしたことが行われている場合は、しっかりと身を守りましょう。こんな行動はパワハラ

パワハラやセクハラについては、次の記事でも詳しく説明しています。自分に当てはまるかも…と思った人はあわせてご参照ください。

 

・パワハラについて
【弁護士が徹底解説】パワハラのチェックリストと4つの対処法

・セクハラについて
会社でセクハラされた!セクハラの判断基準と3つの相談先とは?

2-2:ブラックな中小企業の見分け方

中小企業からホワイトな会社を見分けるためには、

・企業データ

・求人内容

・面接・選考

といった点をヒントにすることができます。順番にずつ見ていきましょう。

2-2-1:企業データ

多くの会社は業績や働く社員の情報など会社のデータを公開しています。

企業データは「四季報」転職系口コミサイトなどで確認できるので、こうした情報にアクセスし、

・経営が安定しているか
・同業他社に比べて社員の在籍期間は長いか
・社歴に対して若い社員の割合は多くないか

といった内容を確認すれば、その会社が社員にとって働きやすい会社かどうかがわかります。

順番に確認していきましょう。

経営が安定しているか
経営状態が良くない会社では、給料の支払いが遅れたり、場合によっては未払いになったりするケースがよくあります。

また、売り上げを伸ばすために無理な仕事を受注することも多く見られます。

納期や業務量的に大変な仕事を受けると、社員に無理な働かせ方をさせざるを得なくなる可能性もあります。

財務状況にアクセスできる場合は、その会社が黒字経営かどうかを知るだけでも会社の実情がわかるようになるでしょう。

同業他社に比べて社員の在籍期間は長いか
企業データ内には社員の平均在籍期間が記載されています。

一概に何年と言い切ることはできませんが、明らかに同業他社と比べて短いような会社は、他社よりも働きにくい職場だと言えるかもしれません。

またこの項目を回答していない会社も、答えられない何らかの理由があると考えられます。

社歴に対して若い社員の割合は多くないか
歴史がある中小企業なのに、社長以外で働く社員のほとんどが20代、30代の若手というケースがあります。

若い社員が多いということは、古参の社員の離職率が高いことを意味します。

体力がないと過酷な職場ではないか、年齢を重ねた社員を使い捨てる経営者ではないか、といった可能性も捨てずに会社を見極めましょう。

2-2-2:求人内容

新しい社員を募集する求人にも、その会社がホワイトかどうかを見分ける手がかりがあります。例えば、

・常に求人をかけている

・「未経験可」を前面に出している

・長時間のみなし残業時間がある

・悪い口コミばかりが見られる

といった求人がある場合は、その会社がブラックではないかどうか疑ってかかりましょう。

常に求人が出ている
求人募集がいつでも出ている会社であれば、離職率が高くいつも人手不足なブラック企業である可能性があります。

逆に求人自体が珍しいような場合は、社員があまり辞めない、働く環境が整っている会社かもしれません。

定期的に求人を検索すれば、求人を出しているペースや求人募集の期限がわかるので、常に社員を募集しているような企業には注意する必要があります。

「未経験可」を前面に出している
求人内容で「未経験可」を前面に出し、経験がなくても誰でもスタートできる仕事であることをアピールしている会社があります。

しかし、こうした会社は、間口を広げないと人が集まらない場合や、最初から体が元気なら誰でも良いと考えている可能性があります。

同様に、「体力に自信がある方歓迎」といった記載も見落とさないようにしましょう。

長時間のみなし残業時間がある
社員をサービス残業させている会社は、みなし残業代制(固定残業代制)という制度をとっていることがあります。

制度自体は法律で認められていますが、

「残業手当あり(みなし残業80時間分)」

など、基本的にそれだけの残業があることを前提としているような場合は、長時間残業が当たり前になっているブラック企業である可能性が高くなります。

悪い口コミばかりが見られる
全てのインターネットの情報が信頼できるわけではありませんが、評判の良くない会社はどこかしら問題があるという面もあります。

ネットで情報収集する際には、その会社にいた所属していた会社員が書いている、転職者向けの口コミサイトが参考になります。

その一方で、あまり参考にならないのが、匿名掲示板や個人ブログ、転職サービスを紹介しているランキングサイトなどには個人的な考えや正確でない情報もあるので注意しましょう。

厚生労働省の「労働基準法に違反した企業一覧」にのっている会社は、ある意味政府が「ブラック企業」と名指ししているということなので避けるべきでしょう。

2-2-3:面接・選考

面接や選考も、実際に会社で働いている社員と接したり、会社がどういった状態なのかを見極めたりする良い機会になります。

といった特徴がある面接や選考だった場合は疑ってかかりましょう。

1つずつ解説します。

 面接官や社内にいる社員に元気がない 
面接は実際にその、会社で働く社員と接することができます。

例えば面接官に明らかに覇気がないような場合は、過大な業務量で疲弊しているのかもしれません。

都合の悪い質問には答えられない

入社してからでは聞きづらいことは、面接は質問する最後のチャンスです。

「残業時間はどのくらいになるのか」

「離職率はどのくらいなのか」

「何歳くらいの人が多いか」

などは確認しておきましょう。

もし答えられない場合には、入社前に知られては都合の悪い情報があるのかもしれません。

夜遅くや休日にも電話が繋がる
ブラック企業によく見られる特徴が、長時間にわたる残業や休日出勤です。

夜遅くや休日に電話をかけたら繋がる場合や、勤務時間外の夜遅くや休日でも常に誰かいるといった会社は避けた方がいいでしょう。

いつから来られる?と聞かれる
一般的に求人募集には採用予定日が書かれていますが、面接時に「君にはすぐに働いてほしい」などと伝えてくるのは、業務が回らないほどの人手不足=辞める人が多いという可能性があります。

3章:ブラックな中小企業で働くあなたが今すぐできること

あなたが今働いている会社が、現にブラックな中小企業だった場合、自分の身を守るために次のような行動を取ることができます。

その行動とは、

・会社に環境の改善を求める

・ホワイトな会社に転職する

・労働基準監督署に訴える

・未払い残業代を請求する

といったものです。

あなたがどうしたいのかという意向や、どんな問題を解決したいかによっても取りうる選択肢は変わってきます。

順番に説明していくので、しっかり頭に入れて、自分に合った方法を選んで行動に移してください。

3-1:会社に環境の改善を求める

働いている会社の環境を良くしようと思った時、最もすぐに行動に移せる選択肢で、なおかつ手間のかからないのが「会社に直談判する」という方法です。

社員の話に耳を傾けてくれる経営者で、なおかつ自社の労働環境について自覚していなかったような場合なら効果はあるかもしれません。

しかし、社員の働く環境よりも利益に関心があったり、最初から社員を使い潰すことを考えていたりする経営者の場合は、環境の改善に結びつかないこともあるでしょう

そんな場合は、次以降の選択肢を検討してみてください。

3-2:ホワイトな会社に転職する

職場環境を整えても今の会社で働き続けるのが難しいという人は、ホワイトな他社に転職するのも一つの方法です。

仕事をしながら時間を見つけて転職活動を行い、自分に合う新しい会社が決まれば、上司や会社に退職を伝える必要があります。

退職は、社内で

退職の流れ

 

といったステップで進みます。

必要な手続きや流れについて知り、スムーズに退職できるようにしましょう。

退職については、以下の記事でも詳しく説明しているのでご覧ください。

今すぐ辞めよう!ブラック企業を穏便かつ確実に退職する方法と2つの注意点

3-3:労働基準監督署に訴える

労働基準監督署は、労働基準法などの法律が守られているかをチェックする機関で、各都道府県の労働基準局に設置されています。

もしあなたの働く会社がブラック企業で、明らかに法律違反を示す証拠が揃っている場合は、労働基準監督署が通報によって立ち入り検査に動いてくれることもあります。

違法性が確認できた場合には是正勧告が出され、サービス残業の実態が改善される可能性があります。

労働基準監督署=労働に関する法律が守られているかをチェックする機関

・できること:労働基準法に違法する内容の相談・告発、情報提供

・メリット:無料で相談が可能です。匿名で相談することもできる

・デメリット:明確な労働基準法違反がないと動いてくれない

労働基準監督署は、相談者の会社が

サービス残業をさせていないか

・違法な長時間労働をさせていないか

といった点について判断し、労働基準法に明確に違反しているとすれば行政指導や罰金を課す可能性があります。

労働基準監督署への相談の流れやコツについては、以下の記事でも詳しく説明しています。

関心がある方は合わせてご確認ください。

【労働基準監督署にできること】相談の流れとより確実に解決するコツ

3-4:未払い残業代を請求する

あなたの会社が、残業代を支払わずに社員を働かせていた場合、未払いの賃金や残業代を取り戻すことができる可能性があります。

残業代の請求をする方法としては

・自分で請求する
・弁護士に依頼する

という二つがあります。

それぞれのメリットとデメリットをまとめると、次のようになります。

残業代請求を自分でやる場合と弁護士に依頼する場合の違い

証拠集めや会社との交渉には手間がかかることを考えると、基本的に全てお任せすることができて、自分で請求する場合よりも残業代を取り返せる可能性も大きい「弁護士への依頼」がオススメです。

残業代の請求については以下の記事でも詳しく説明していますので、興味がある方はご覧ください。

【退職後でも可!】残業代請求の2つの方法と在職中から集めることができる証拠

まとめ

いかがでしたか?

最後にもう一度今回の内容を振り返ってみましょう。

世の中に存在する会社の99.7%が中小企業ですが、まずブラックな会社の実態と、そうした会社が多くなる背景について解説しました。

ブラックな中小企業では、次のような側面が見られます。

・長時間労働の常態化
・過大な業務量
・低賃金、未払いがある

こうした、ブラックな会社が中小企業に多くなる理由としては

・法律違反をしても会社への影響が小さい

・経営に余裕がない

・経営者が労働基準法を理解していない

・オーナーのワンマン経営

・大手の下請けで仕事を受注

といった要因が挙げられます。

その上で、ブラックな会社の特徴について

・労働時間に関わる特徴

・賃金に関わる特徴

・社風、体質に関わる特徴

の3つの切り口から、中小企業に多く見られる事例を紹介しました。

あなたが今働いている会社が、ブラックな中小企業だった場合は

・会社に環境の改善を求める

・ホワイトな会社に転職する

・労働基準監督署に訴える

・未払い残業代を請求する

といった選択肢があります。

自分がどうしたいか、どのような問題を解決したいかに合わせて次の行動に繋げましょう。

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会社がおかしい・不当ではないかと感じたら1人で悩まずに、残業代請求に強い弁護士に相談することをおすすめします。残業代の時効は2年なので、時効になる前に早めに行動することが大切です。

弁護士法人新橋第一法律事務所へのご相談は無料です。当事務所では、電話・メール・郵送のみで残業代請求できます。ですので、全国どちらにお住まいの方でも対応可能です。お1人で悩まずに、まずは以下よりお気軽にご相談ください。

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