
あなたは、
「不倫されたから慰謝料を請求したい」
「慰謝料はどのくらいもらえるのか知りたい」
「請求する方法を知りたい」
「慰謝料請求のために集める必要がある証拠について知りたい」
などの悩み、疑問をお持ちではありませんか?
あなたに知っておいて欲しいのが、慰謝料をできるだけ高額もらうためには、法的な知識を知っておくことが大事だということです。
なぜなら、不倫の慰謝料には「請求できる条件」「相場」「金額を左右する要素」などが、法律や過去の裁判例から決まっており、あなたの状況によってやることが異なるからです。
そこでこの記事では、
- 不倫で慰謝料請求できる条件
- 不倫慰謝料の相場と金額を決める要素
- 慰謝料請求のために集めておきたい証拠
- 慰謝料請求の具体的な方法
- 3年の時効
などについて弁護士が詳しく解説します。
知りたいところから読んで、読みながら行動をはじめてください。
【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】
■慰謝料が請求できる典型例
- 肉体関係がある
- 配偶者が不倫相手と同棲している
- ラブホテルや旅館に長時間2人きりだった
- 婚約中の不倫
- 人工授精
■慰謝料が請求できない可能性があるケース
- 不倫相手の素性が一切わからない
- 不貞行為(肉体関係)ではない
- 証拠が一切ない
- 時効が過ぎている
■不倫(不貞行為)の慰謝料相場
- 夫婦関係を継続:50万円~100万円
- 不倫が原因で別居に至った:100万円~200万円
- 不倫が原因で離婚に至った:150万円~300万円
■慰謝料請求に強い弁護士を選ぶ基準
- 慰謝料請求の実績が多い
- 依頼前に請求できる金額を教えてくれる
- 相談をしっかり聞いてくれる
- 家族や職場にバレないように交渉を進めてくれる
- 相手や弁護士に会わずに解決する方法を提案してくれる
目次
1章:あなたも請求可能?不倫で慰謝料請求できる場合・できない場合
それではさっそく、不倫で慰謝料が請求できるケースとできないケースについて解説していきますが、その前に慰謝料が請求できる違法な不倫(不貞行為)について、確認しておきましょう。
【不貞行為とは】
不貞行為とは、婚姻、婚約、内縁関係にある人が、配偶者以外の異性と肉体関係(性交渉やオーラルセックスなど)を持つこと。
つまり、
- 婚姻、婚約、内縁関係があること
- 配偶者以外の異性と肉体関係を持ったこと
という2つの条件を満たす場合は、配偶者にも、不倫相手にも慰謝料が請求できるのです。
※違法な不倫(不貞行為)の定義について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【不貞行為とは?】不貞行為になるもの・ならないものを弁護士が解説
そして、不倫の慰謝料は、以下の通り請求できる場合と請求できない場合があります。
【慰謝料が請求できる典型例】
- 肉体関係がある
- 配偶者が不倫相手と同棲している
- ラブホテルや旅館に長時間2人きりだった
- 婚約中の不倫
- 人工授精
【慰謝料が請求できない可能性があるケース】
- 不倫相手の素性が一切わからない
- 不貞行為(肉体関係)ではない
- 証拠が一切ない
- 時効が過ぎている
慰謝料が請求できる場合、できない場合について詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
【保存版】不倫で慰謝料請求!高額請求のポイントと知っておきたい知識
また、配偶者の不倫が疑わしいため、まずは不倫していないかチェックしてみたいという場合もあると思います。
その場合は、それぞれ以下の記事をご覧ください。
妻が浮気してるかも、、すぐできる浮気のチェックポイントとあなたが取れる3つの行動
旦那が怪しい、、浮気チェックリストとこれからの対処法を徹底解説
2章:浮気、不倫の慰謝料の相場
不倫の慰謝料には、状況によって以下の通りの相場があります。
【不倫(不貞行為)の慰謝料相場】
■夫婦関係を継続:50万円~100万円
■不倫が原因で別居に至った:100万円~200万円
■不倫が原因で離婚に至った:150万円~500万円
このように、あなたがパートナーと関係を継続するか、別居するか、離婚するかによって慰謝料の金額が大きく変わるのです。
ただし、請求できる慰謝料の金額は、以下の8つの要素に左右されます。そのため「増額」の要素が多ければ相場以上の慰謝料を請求できる可能性もあります。
不倫の慰謝料と金額を左右する要素について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
仕返ししてやる!不貞行為の慰謝料相場と高額取るために必要な全知識
不倫の慰謝料を自分で計算することは難しいですが、大まかにでも金額が知りたいという場合は、以下の記事を参考にしてください。
【試算表つき】不倫慰謝料の計算に関わる8つの要素と計算時の注意点
■求償権の放棄で慰謝料が減ることもある
さらに、不倫の慰謝料は「求償権の放棄」によって、請求できる金額が減ってしまうこともあるということも、知っておくことが大事です。
そもそも、不倫(不貞行為)は、不倫した加害者の両方に責任があるとされています。
つまり、慰謝料を負担する義務は、あなたのパートナーと不倫相手の二人にあるのです。そのため、慰謝料は加害者が二人で半分ずつ負担するということになっています。
たとえば、慰謝料の金額が100万円なら、パートナーと不倫相手が50万円ずつ負担する、という考え方です。
不倫相手は、一人で慰謝料を負担した場合、もう一人の当事者に対して、慰謝料の半額を請求することができます。これが「求償権」です。
求償権で慰謝料が減ってしまう可能性があるのは、夫婦が離婚しない場合です。
仮に、不倫相手に100万円を請求したとしても、不倫相手は50万円分を、後から請求することができます。
すると、夫婦の家庭から考えると、100万円をもらって、後から50万円を支払うことになるため、結局50万円しか残りません。
そのため、慰謝料の金額について交渉するときに、不倫相手に「後から請求しないでください」と言って求償権を放棄してもらうかわりに「その分の慰謝料を減額しますよ」という合意をすることがあるのです。
3章:浮気、不倫で慰謝料請求するために集めておきたい証拠
不倫(不貞行為)で慰謝料を請求する場合、まずやっておきたいのが証拠集めです。
証拠がなければ、不倫(不貞行為)の事実があっても弁護士に依頼を受けてもらうことができなかったり、裁判になっても裁判官に不倫があったことを認めてもらうことができず、請求が認められないからです。
ただし、証拠になるものはいろいろなものがありますので、これから紹介するものを工夫して集めてみてください。
不倫(不貞行為)の証拠になるもの、ならないものは以下の通りです。
【証拠になるもの】
- 写真
→ラブホテルや旅館で泊まった写真など) - 録音した音声データや録画した撮影データ
→性行為やそれを予測させる会話等の録音、撮影 - クレジットカードの利用明細、レシート
→ラブホテルや旅行先で利用したと思われるもの、避妊具等の明細やレシート - Suica、PASMOなどの利用履歴
→不倫相手の自宅の最寄り駅等の利用履歴 - メール、LINEや手紙
→不倫相手とのやり取りが残っているもの - SNSやブログ
→不倫相手との交際や行為について書かれたもの - 手帳、日記、メモ
→配偶者との会話や目撃した行為等について、継続的にとった手書きの記録 - GPS
→ラブホテルや不倫相手の自宅に滞在したことが分かる記録 - 不倫相手の住民票の写し
→配偶者と不倫相手が同棲している場合の、同棲を示す住民票 - 妊娠、堕胎を証明できるもの
→配偶者が妊娠したor不倫相手を妊娠させた場合、それを示す証拠(中絶同意書のサインなど) - 子どもの血液型
→子供の血液型が、夫婦の血液型から一致しない場合 - 興信所や探偵の調査報告書
→興信所、探偵に調査依頼した場合
【証拠にならないもの】
- 改ざんが疑われてしまうもの
→加工が可能な音声や画像データ(デジカメの写真、スクリーンショット)など。 - 異性といつも出かけているという事実
→証拠がなく、証言だけしかない場合は、慰謝料請求が認められにくいです。 - 違法に集めたもの(盗聴、盗撮、盗み見)
→ただし、不倫の証拠は普通の方法では集めることが難しいため、違法な集め方でも認められることが多いです。認められにくいのは、著しく反社会的な集め方(他人の自宅や土地に入っての盗撮、カメラの設置、窃取など)です。
上記の証拠になるものを、できるだけたくさん集めてください。
証拠が多いほど弁護士や裁判官に対する説得力を高めることができるためです。
より詳しい証拠の内容やその集め方については、以下の記事をご覧ください。
【浮気・不倫の13の証拠】証拠になるもの・ならないものを弁護士が解説
4章:慰謝料請求の2つの方法
不倫で慰謝料を請求する方法には、自分ですべての手続きを行う方法と、弁護士に依頼する方法があり、それぞれ以下のようなメリット・デメリットがあります。
上記のメリット、デメリットがあるため、それぞれ以下のような人におすすめです。
【自分で請求する方法】
- とにかく費用をかけたくない人
- 自分の力だけで解決したい人
【弁護士に依頼する方法】
- できる限り高額請求したい人
- 手間や時間をかけたくない人
- 加害者と直接やり取りしたくない人
- 「慰謝料を踏み倒される」などのトラブルを避けたい人
それぞれの手続きの流れについて解説します。
4−1:自分で請求する流れと注意点
不倫の慰謝料請求を自分で行う場合は、以下のような流れで手続きを進めることになります。
■ステップ①証拠集め
まずは、証拠を集めます。証拠については、3章で解説した通りです。
■ステップ②配達証明付き内容証明郵便を送付
次に、配達証明付き内容証明郵便を慰謝料を請求する相手に送付します。
【配達証明付き内容証明郵便とは】
内容証明とは、差し出した日付、差出人の住所・氏名、宛先の住所・氏名、文書に書かれた内容を、日本郵便が証明してくれる手紙の一種です。配達証明とは、配達先の宛名、日付を証明してくれる仕組みです。
配達証明付き内容証明郵便を送ることで、
- 不倫慰謝料請求の「3年の時効」を一時的に止めて、余裕を持って請求手続きを進められる
- 慰謝料請求の意思表示をした証拠になる
- 相手に対して心理的圧力をかけられる
といったメリットがあるため、必ず最初に作成、送付するようにしましょう。
配達証明付き内容証明郵便の作成方法や送る時の注意点について、詳しくは以下の記事で解説しています。
【無料テンプレート付き】内容証明で不倫慰謝料を請求する全手法
■ステップ③加害者と裁判外交渉
次に、慰謝料を請求する相手と交渉(裁判外交渉)を行います。
自分だけで手続きをする場合は、電話や対面で加害者、もしくは加害者の代理人である弁護士と直接話して交渉します。
交渉する中で、
- 慰謝料の金額
- 支払い方法や支払い期限
について明確に定め、交渉で合意できたら「示談書」を作成しましょう。
示談書の作成方法について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
■ステップ④訴訟(裁判)を提起する
当事者同士での裁判外交渉では、
- 慰謝料の金額に折り合いがつかない
- 不倫の事実を加害者が認めない
などの原因で、解決に至らないことも多いです。
その場合は、訴訟(裁判)を提起して、裁判所で不倫慰謝料を請求することになります。
自分で訴訟(裁判)を提起する場合は、まずは「訴状」を作成して裁判所に提出します。
不倫慰謝料請求での裁判について、詳しくは以下の記事で解説しています。
不倫裁判の注意点!知っておくべき裁判の全知識を現役弁護士が解説
4−2:弁護士に依頼する流れ
不倫(不貞行為)の慰謝料請求を弁護士に依頼した場合、解決までの流れは以下のようになります。
※法律事務所によって流れが異なる可能性があるため、あくまで一般的な流れだと考えてください。
慰謝料は、配偶者にも不倫相手にも請求可能です。
弁護士に依頼したら、後の手続きはほとんど弁護士が代理で行います。
裁判外の交渉だけなら、早ければ数ヶ月程度で終わりますが、裁判(訴訟)になった場合は、もっと期間が延び、長いケースでは1年以上かかることもあります。
そのため、多くの場合で裁判(訴訟)は最終手段であり、できるだけ裁判外の交渉で解決できるように弁護士が行動します。
また、裁判(訴訟)になると、自分が出廷して発言しなければならないようなイメージをお持ちかもしれませんが、弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人として出廷するため、あなたが裁判所に行く必要はありません。
弁護士に依頼する場合の流れについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【保存版】不倫トラブルを弁護士に依頼して最大限有利に解決する全手法
不倫の慰謝料請求を弁護士に依頼する場合、不倫慰謝料請求に強い弁護士に依頼することが大事です。
なぜなら、医師に「眼科」「耳鼻科」などの専門があるように、弁護士にも「不倫」「労働問題」「交通事故」などの得意不得意があるからです。
そのため、弁護士の中には、自分の専門外については無知である人も多く、そのような弁護士に依頼すると、
- 慰謝料がもらえなかった
- もっともらえるはずだったのに、慰謝料が少なくなった
など、あなたにとって損になることもあり得ます。
そこで、以下のポイントを押さえて弁護士選びをすることをおすすめします。
【慰謝料請求に強い弁護士を選ぶ基準】
- 慰謝料請求の実績が多い
- 依頼前に請求できる金額を教えてくれる
- 相談をしっかり聞いてくれる
- 家族や職場にバレないように交渉を進めてくれる
- 相手や弁護士に会わずに解決する方法を提案してくれる
慰謝料請求に強い弁護士を選ぶ基準について、詳しくは以下の記事で解説しています。
【保存版】不倫の慰謝料請求に強い弁護士の基準を現役弁護士が解説
5章:慰謝料請求の3年の時効
不倫(不貞行為)の慰謝料請求には、3年の時効があります。
時効の基準になる日(起算点)は、以下の通りです。
- 不倫相手の素性が分かっている場合→不倫発覚から3年
- 不倫相手の素性が分からない場合→素性が分かってから3年
この3年の時効が過ぎてしまうと、加害者は慰謝料を支払う義務がなくなります。つまり、あなたが慰謝料請求しても認められなくなってしまうのです。
そのため、不倫された場合は少しでも早く慰謝料請求のための行動をおこすことが大事なのです。
時効について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
6章:慰謝料を請求する際の注意点
不倫で慰謝料請求する場合、以下の点に注意してください。
【慰謝料請求する際の注意点】
- 不倫をばらしてはダメ
- 慰謝料請求以外の方法で制裁しようとしない
順番に解説します。
6−1:不倫をばらしてはダメ
不倫されると、
- ネットやSNSで不倫の画像、動画、実名入りの文章などを拡散する
- 職場や近所に、電話、メールなどで不倫されたことをばらす、言いふらす
などの方法で不倫をばらし、相手に嫌がらせしたいと思われることもあるかもしれません。
しかし、不倫されたからと言って、不倫されたことをばらしたりしてはいけません。
なぜなら、不倫をばらすことは、名誉毀損罪、侮辱罪になる可能性があるからです。たとえ不倫されたことが事実であっても、それを第三者に分かるように伝えてしまうと、あなた自身が罪に問われる可能性があるのです。
不倫をばらすリスクについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【弁護士が解説】不倫をばらす、ばらされる場合の法的リスクと対処法
6−2:慰謝料請求以外の方法で制裁しようとしない
不倫をばらす以外にも、不倫の加害者に対して、
- 暴言や暴力をする
- 脅迫してお金を請求する
などの方法で、制裁を与えたいと思う場合もあるかもしれません。
しかし、こうした方法で制裁を与えることは「暴行罪」「侮辱罪」「名誉毀損罪」「脅迫罪」などの罪に問われる可能性があります。
そのため、制裁を与えたいという場合は、以下の方法で行うようにしてください。
【配偶者に与えられる制裁】
- 離婚請求
- 慰謝料請求
【不倫相手に与えられる制裁】
- 慰謝料請求
- 会社に不倫の訴状を送る
- 給与の差押え
配偶者や不倫相手に与えられる制裁について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
不倫の制裁を与えたい!合法的に制裁を与える方法を弁護士が徹底解説
まとめ:不倫の慰謝料請求について
いかがでしたか?
最後に、今回の内容を振り返ります。
【慰謝料が請求できる典型例】
- 肉体関係がある
- 配偶者が不倫相手と同棲している
- ラブホテルや旅館に長時間2人きりだった
- 婚約中の不倫
- 人工授精
【慰謝料が請求できない可能性があるケース】
- 不倫相手の素性が一切わからない
- 不貞行為(肉体関係)ではない
- 証拠が一切ない
- 時効が過ぎている
【不倫(不貞行為)の慰謝料相場】
■夫婦関係を継続:50万円~100万円
■不倫が原因で別居に至った:100万円~200万円
■不倫が原因で離婚に至った:150万円~500万円
【慰謝料請求に強い弁護士を選ぶ基準】
- 慰謝料請求の実績が多い
- 依頼前に請求できる金額を教えてくれる
- 相談をしっかり聞いてくれる
- 家族や職場にバレないように交渉を進めてくれる
- 相手や弁護士に会わずに解決する方法を提案してくれる
【慰謝料請求する際の注意点】
- 不倫をばらしてはダメ
- 慰謝料請求以外の方法で制裁しようとしない
正しい知識を身につけてから、これからの行動を開始してください。
不倫慰謝料計算機で算出された数値は、
あなたが請求できる、または請求される慰謝料の相場額です。
実際の金額は、不倫の程度や証拠の有無などにより増額・減額します。
不倫相手への慰謝料請求やスムーズな支払いを希望される場合は、
弁護士への相談・依頼を検討してください。